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【完結】明日からモンスターまみれの世界〜剣道家たちが世界を救う〜神からもらった能力がチートすぎた件  作者: opocho


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祝賀会



身支度を整えて制服に着替え、アキとエレベーターホールで待ち合わせてから食堂へ向かう。


もう監督と連盟の方は揃っていた。


「お待たせしてすみません」

「大丈夫。まだ時間前よ」


優しく声をかけてくれたのはいつもお世話になっている全日本剣道連盟の広報担当の安倍さんという女性だ。

ほとんどオレとアキの専任みたいになっている方である。


「腹が減った。とりあえず食べましょうか。お願いします!」


大堀監督はざっくばらんとした人だ。

段位は七段で元全日本代表。

師匠の知り合いだけあってめちゃくちゃ強かったらしい。


目の前に並べられたのはいつもの合宿メシではなかった。

美味しそうな和食の小鉢がたくさん用意された会席料理だ。


「こんなメニューもあったんですね!」

「本当に! みんなに申し訳ないなぁ」

「ご主人はもともと有名な和食の料理人なんだぞ。剣道が好きすぎてこの合宿所を始めたんだ」

「道理で。剣道場のある宿舎なんてここくらいですもんね」

「王龍の時期にここ取るの大変なんじゃないですか?」

「オーナーがナツのファンだからさ。王龍旗のときはウチのために予約を取らないようにしてくれてるんだよ」


そこに宿のご主人が大きな皿を手にやってくる。


オレたちの前にどーんと置かれたのは大きなエビだ。


「うわ、伊勢海老?」

「ナツくんの優勝祝いだよ」

「ありがとうございます!」

「あとでまたサイン書いてくれな」

「毎年僕のなんかでいいんですか?」

「何言ってんだよ。お宝だ。アキちゃんもよろしくね」


なんとありがたい。

こちそうをいただきながら話は来年の世界剣道の話題になる。


オレたちは代表強化選手に選ばれており、去年から強化合宿に参加してきた。

そこでも実力をいかんなく発揮してきたので二人揃ってほぼ内定だと噂されている。

「秋には最終選考の試合が組まれますから、二人とも心づもりをしておいてね」

「「はい」」


過去に現役高校生が選抜されたこともある。

男子は選抜されたのが高校3年で、翌年に男子の最年少で世界剣道に出場した。

女子では現役高校生が実際に出場したんじゃなかったかな。


「ま、二人ともまず間違いないだろ。この二人が出ないならそんなもん世界剣道とは言えんよ」

「監督、強気すぎますよ」

「何言ってんだよナツ。お前は間違いなく日本最強、つまり世界最強だぞ」

「まさか」

「なに謙遜してんだ。間違いない」

「そうね、全日本剣道選手権大会に年齢制限がなかったらナツくんが間違いなく優勝するわ」

「さすがに無理ですよ」

「確か20歳以上なんですよね?」


アキの言う通り、全日本選手権は年齢制限で出場できない。


「ナツ、山ノ内に勝てないと思ってんのか?」


山ノ内選手は去年の全日本選手権の優勝者。

世界でも間違いなくトップだ。

強化合宿で一緒に稽古をしたけど、まあ……もしかしたら……負ける気はしないかも。


「……無理ですよ」

「よく言うよ。合宿で何本取ったんだよ」

「たまたまです」

「ま、自信過剰で天狗になるよりはいいな。その謙虚さも剣道家には大事だ」

「うん。そこは本当に連盟としてもありがたいことよね」


料理も終盤となり、デザートが運ばれてきた。

楽しくて剣道の話ばかりになってしまった。

ちゃんと報告しておかないと。


「あの、お二人にちょっとお話しすることがあります」


「ん?」

「なにかしら?」


アキと顔を見合わせる。


「オレとアキ、付き合うことになりました」


安倍さんが咳き込む。


「(ゲホゲホ)え!」

「なんだよ、まだ付き合ってなかったのか?」

「監督、何言ってんですか」

「とっくにデキてるもんだと思ってたぞ」

「ないですよ。今日からですから」

「ちょっと本当に?」

「安倍さんすみません、ご迷惑かけちゃいますかね」

「いや、そんなの問題じゃないわよ。でもマスコミが知ったら騒ぐわねえ」

「別に隠すことじゃないだろ」

「もちろんそうなんですけどね。二人はマスコミが追っかけてますから。まあわかったわ。教えておいてくれてありがとう」

「なにか気をつけることありますか?」

「特にないわよ。不純異性交遊くらいね」


今度はオレたちが咳き込む番だった。


「未成年が入れないようなところではダメだからね」


さらに咳き込む。


「ん? ラブホテルって年齢制限あんのか?」

「高校生はダメです」

「えー! ホテルって高校生ダメなんだ」

「ラブホテルに限らずよ。高校生の宿泊には親の承諾書が必要よ。遠征でも提出してもらってるでしょ」

「あの、ちょっと止めましょうかその話は」


なにを言い出してるんだよ。

でも知らなかったからよかったよ。


「知っていればいざってときに連盟も動きやすいわ。無理に隠すこともないし、無理に伝えることもない。高校生らしく恋愛を楽しむ分には大丈夫よ」

「「ありがとうございます」」


とりあえずこれでいいかな。

あとは帰ってから部のみんなにも話しておこう。

何も変わらないし、今まで通りだ。


「もちろん、これまで通り剣道には真剣に向き合います。後ろ指さされるようなこともしません」


モンスター退治はするんだけど。


「ま、剣も恋もどちらも楽しめ。お前らならお似合いだ」

「はい!」

「ありがとうございます」


楽しい食事が終わった。

あとは風呂に入って寝るだけだ。


「ナツくん、明日の朝練は何時?」

「んー、5時にはいくかな」

「あ、そっか。迎えに来てもらえばいいんだ! 彼女だった!」

「あー、そうか。そうだな。じゃあ起こしに行くよ」

「ねえ、なんかいいね」

「うん。なんかいいな」


振り返ると監督と安倍さんが白い目でこっちをみていた。


なんかすいません。




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