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老竜は死なず、ただ去る……こともなく人間の子を育てる  作者: 八神 凪


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第412話 双子、冒険をする

「今日もいい天気ねえ」

「あい!」

「あう!」

『お布団も洗濯物もよく乾きますね』


 竜の里から戻った翌日、またいつもの日常に戻っていた。

 今日は一家のお布団と洗濯物を干すため山頂へ来ていた。トワイトとエレノア、それとリヒトとライルがここに居る。

 途中まで頑張って歩いていたが、途中からダル達が鼻でお尻を持ち上げて乗るようにお願いをした。

 ドラゴン素材で作った強固な靴なので足になにか刺さったりすることはないが一歳の体力を考慮したようである。


「二人とも頑張ったわね♪ ダルとルミナスもありがとうね」

「わほぉん」

「わん!」

「だうー♪」

「るみー♪」


 トワイトが二頭を撫でると、またがっているリヒトとライルも背中をわしゃわしゃと撫でる。

 

『それじゃみんなのところへ戻りましょうか』

「あい!」

「あう!」


 お昼過ぎまで干しておくので一旦戻ることに。

 ここには他のペットたちは居ないので、早く帰りたいと思っているようだ。

 てくてくとダルとルミナスを先頭に頂上から家へと向かう。

 すぐに庭に到着して裏に通じる扉を開けると、ヤクトやジェニファー達がリヒト達に気づく。


「うぉふ!」

「こけー♪」

「あいー♪」

「ぷひー!」

「ぷーた♪」


 池のほとりでフリンクと遊んでいてらしいヤクト達がかけてきてあっという間に囲まれた。

 もちろん子豚のプータも尻尾を振りながら鼻を鳴らしている。ライルが特に気に入っており、ルミナスから降りて背中を撫でていた。


「お庭が広いからまだ連れてきても大丈夫ねえ」

『あまり増えすぎるとご飯とか大変じゃないですか……?』


 楽しそうにしているリヒトとライルを見てトワイトが微笑むが、エレノアが困った感じで意見を口にしていた。


「でも、たくさん居た方が楽しいわ♪」

『そうなんですけどね』

「ハバラもトーニャちゃんも巣立っていたからこの数百年、お父さんと二人だけだったから今はとても楽しいの。あ、そういえばエレノアさんが話せるようになったのを教えに行くのもいいかも」

『いえ、お構いなく……』


 トワイトはまだまだ引き取れそうなら連れてきたいようで、楽しい分には問題ないけどお世話は大変だと肩を竦めていた。

 しかしトワイトはここへ来てリヒトを拾い、少しずつペット達が増えてきた。

 二人しかいなかったので今の暮らしは賑やかで楽しいのだそうだ。


「村に行ってプータを紹介しないといけないわね♪」

「……! あーい!」

「あう」

「それじゃあご飯の用意をするから遊んでいてね。エレノアさん、あとはお願いね」

『ええ』


 トワイトはそう言って自宅へ戻り、エレノアと双子、そしてペット達が残された。


『おや、帰って来たのかい』

『ソル』

「ぱーぱ!」

「ぱーぱ!」


 そこで入れ替わりに畑の作業をしていたソルが庭へやってきた。双子がパパだと叫ぶ。


『頂上はいいお天気だったわ。畑?』

『ああ。この身体でも役に立つことがあってありがたいよ。今日は他にやることもないし、ゆっくりできそうだ』

『まあ私達は体力という概念は無いけどね』


 ソルとエレノアは今日の仕事はお互い終わり、あとは息子たちとゆっくり過ごすかと話していた。


「だうー。ぷーた」

「わん」

「ぷ?」

「わほぉん? わふ」

「うぉふ!」

「わん!」

「こけー♪」

「「「ぴよー!」」」

『あら? どうしたのリヒト?』

「あう」

『ライルも? どうしてヤクト君にまたがったんだい、ん? 私達にも乗れと』


 するとプータを囲んでいたリヒトとライルが顔を合わせて頷いていた。

 そしてプータをルミナスへ乗せるとリヒトは自らもダルへまたがった。

 さらにライルもヤクトへ乗り、ソルとエレノアを双子がそれぞれ懐に置く。

 よくわからないが、遊びたいのだろうと鎮座する。


 その瞬間――


「だうー♪」

「わほぉん!」

『え?』

「アー!」


 リヒトの合図でペット達は一斉に走り出した。

 自宅へ……ではなく、村へ続く道を降りだしたのだ。


『ちょっとリヒト、ライル! どこへ行くの?!』

「ぷーた!」

「ぷー」

『まさか村へいくつもりかい? これはいけないな、ジェニファー! ディランさんとトワイトさんへ出かけたと伝えてくれるかな!』

「こ? ……こけー!」


 村へ行くことに気づいたソルがジェニファーへディラン達への伝達を頼んでいた。

 するとそれに反応したジェニファーが急ブレーキをかけて承知したと踵を返していた。


「ぴよー」


 ひよこ達はダル達の尾っぽ付近にそれぞれ乗っているので、ジェニファーを見送る形になった。


『それにしてもいつもはダル君たちが行かないと首を振るのに、今日は拒否しなかったわね』

「わほぉん」

『まさか私達が居るから大丈夫だと思ったのかしら』

「うぉふ!」

『そうみたいだね。まあ、魔物が出てもドラゴン素材で作った剣があるし、エレノアも魔法があるからなんとかなると分かっているからかな……?』

「わん」

『そうみたいね……』

「あーい♪」


 ソルとエレノアはやれやれと肩を竦めて成り行きを見守る。


「シャァァ……」

「あーう……!」

『む! ……来ないな。りディランさん達が居なくても影響があるみたいだな』

『というよりこれだけ大勢で走っていたらなかなか襲いにくいんじゃ……?』


 そこで蛇が姿を見せた。

 ソルが構えるも、蛇は喉を鳴らすだけで襲ってくることは無かった。

 ドラゴンの気配があるからとソルは言うが、蛇一匹に対してアッシュウルフ三頭にカイザーペンギン、子豚にひよこというメンツは数が多い。

 ごちそうであるひよこに手を出したらアッシュウルフに返り討ちに遭うのは目に見えている。


『まあ、なんにせよ村まで無事につけそうだね』

「あい」

「ぷーた」

「ぷひー」


 そうしてリヒトとライルは村へ到着するのだった。

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