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拿捕

マグロ、鮪、MAGURO 言わずと知れたおいしいおいしいお魚である。色形といい、目玉の位置についたガラス製のおそらく窓といい、ましく巨大なマグロである。マグロ発言に触発されたのか、船員たちが口々に「いや、ブリだろう」とか「ハマチだ」など口々に好き勝手言っている。マグロだと思うけどな~。

再び巨大マグロを見る横っ腹から黒光りした砲身がせり出してきた。そんなにマグロ発言が気に食わなかったのですか?すぐさまマグロ号(私命名)の砲門が火を噴いた。


次々と船の周りに水柱が乱立する。私は全身に水しぶきを浴びながら一歩も動けずにいた。

「話が着いてたんじゃないのか?」「てめえ、騙しやがったな!!」

絶え間なく砲弾が飛び交う中、何人かの船員がおっさんと彼に食てかかっている。船長も呆然として船員をなだめるどころではない。このままじゃやばい!!何か気を引く方法は・・!!

私はとっさに肺に最大限の空気を取り込むと

「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

この世が終わったかのような壮絶な金切声をあげた。その場にいた全員が耳をふさぎ、私のほうを向いた。

「いい大人がおたおたすんナ!!まだ一発も当たってないよ!向こうはこっちを沈める気はないんだ!!風下に進路を向けろ!予備帆も広げろ!!ずらかるよ!!!」

全員が思いだしたかのように駆け出す。確信があったわけじゃない。ただ、こんなに砲弾が降ってきているのに一発も命中弾がないのも不自然だと感じたからだ。


「助かりました・・・こんなことになって申し訳ない・・」

彼は深々と頭を下げた。

「それはもういい!いや、いいっていうわけじゃないけど・・とりあえずもういい!!海洋国はこれから何をしてくると思う?砲弾降らせて終わりってことはないだろ?」

「・・・そうですね・・確かに不自然な行動が多いですね。まさか拿捕を狙っている?」「うちは白旗なんて掲げる気はないよ!!」

「でしょね・・・次は乗り込んできますかね」

彼がそういうなり、まるで狙っていたかのように目の前にぶっとい銛がぶっといロープを括り付けられて深々と刺さった。

「「・・・・・」」

ヤバイ! お互い顔を見合わせると

「乗り込んでくるぞ!!」

「白兵戦だ!野郎ども!!」

口々に叫んだ。しかし完全に遅きに失した。


次々に乗り込んでくる亜人。リザードマンに蛇人、半魚人などなど、手際よく船員たちを拘束していく。そして最後に豪華な服装をした女エルフと長い黒髪、黒ひげの人間(男)が乗り込んできた。


女エルフはいう。

「私は黒鉄(クロカネ)号キャプテン リリアーヌ、こっちは副キャプテンのトウゴウです。危険な北の海を公開する貴君らに敬意を表します」

エルフは美人が多いというが、少なくとも彼女は同性の目から見ても極上の造形をしていた。こちらは拘束されているのに彼女のころころっと変わる表情から目を離せない。

「しかし」

彼女は厳しい顔をして続ける。

「この船は拿捕させていただく。これは海洋国とは全く関係ない。私的な海賊行動であることを明記しておいてほしい。以上だ」

「ちょっと待ってください!!」

彼は勇敢にも、もしかしたら無謀にも彼女の話に割り込んできた。

「おお、これはジェイド殿、このような場所でお目にかかるとは奇遇ですね」

「リリアーヌ様もお変わりないく。お美しいですね」

「あら、あんなに小さかった坊やがこんなに大きくなるなんて、年を取るわけですね」

「最後にお会いしたのが12年前ですが・・あなたは全くお変わりない」

「ふふっ、まあ褒め言葉ととっておきましょう」

「しかし、昔は無茶な方ではありましたが無法を行う人ではなかったはずです。これはいったい何の真似です?}

「う~ん、知り合いに合うとは・・・・じゃあ種明かしをしてあげましょう。特別ですよ」

トウゴウは貨物室から一つの大きな樽を担いで出てきた。私の記憶では薬草になる花と葉が入っていたはずだ。

「トウゴウ!」

キャプテン リリアーヌの合図で樽のふたが割られる。

「やめろ~~!!!」

その瞬間、おっさんが叫んだ。

ちょっとずつ更新しています。気長に付き合ってくれると幸いです。

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