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西岸での合流

波は荒く、風も強い・・・

「1,2,1,2・・・・」

掛け声とともに一斉に櫂が振り下ろされる。しかし、なかなかスピードは上がらない。早く騎士につかないと転覆しそうなくらい荒れている。寒いし、雪もまだ強く降っている。せめて風が弱ければそこまで寒くないはずだ。そう思いながら岸を7眺める。

「大丈夫!もうすぐ上陸だ!!一生懸命こぐよ!!」

「「「おおおう!!」」」

未だに合図の煙は出続けている。誰かがまだ待っているんだ。なぜか私の脳裏には特定の人物の顔が浮かんでいた。



「って、なんでアンタがいんの!!?」

やっとの思いで上陸するとそこに待っていたのはヴィーナ王国王太子だった。

「やあ、寒い中ご苦労様です」

柔和な表情でハグしようとしてくる王太子から私を取り上げたのはアガサお姉ちゃんだった。

「ひょえはわひゃひのもにょよ|(これは私のものよ)」

すっかり寒さに参っているアガサお姉ちゃんは全身を震わせながら私を抱きかかえた。

「あああ、あひゃかい・・・(あったかい・・・)」

アガサお姉ちゃんは何度もほほずりしながら、そうつぶやいた。

「・・・・・・・・・・・・・」

ハグしようとした態勢のまま、固まっている。あれ?なんか怒っていない。首だけこっちらを向くとあっという間に私の体をアガサお姉ちゃんから奪った。え?どうやった?

「・・・ほんとに暖かいですね」

そういうとさらにギュッと抱きかかえる。ひいい、顔近い!!!

「・・・・・・・・あなた、死にたいの?」

無表情で腰の刀に手をかけるアガサお姉さん。

「おや、貴女になんか関係ありますか?これは私のものですよ」

私の腕輪を見せつけるように掲げてみせる。

「ほお、そんな腕輪がなんだというんです?」

ついに鞘から刃が覗く。怖い、怖いですよ!アガサお姉ちゃん

「私と勝負すると?」

そうジェイドが叫ぶと何処からともなく完全武装の兵士たちが現れる。大人げない、大人げないよ!ジェイドさん!!

一触即発の雰囲気が満る。傍らでは焚火に当たりながら船員と数人の兵士が酒盛りを始めている。お、いい匂いがしてきた。いいお肉を焼いているな。そっち行きたい、こっちはどんどん気温が下がっているよ。

「くらえ!必殺「フォーメーションB」・・・」」

「ストーップ!!いい加減にしなさーーーい!!」

さすがに切れた。切れました。

「「いや、これは・・マネす!!」」

二人とも同時に同じことを口ずさむ。意外と似た者同士?

「いい加減に!!そこに座りなさい二人とも!!」

「「はい・・」」

王子と女剣士と可哀そうな兵士さんたちが正座する姿は何とも言えぬ哀愁が漂うな・・・

寒空の下、それから一時間、説教が続いた。ちなみに完全武装の兵士さんたちが一番きつそうでした。



まるで小鹿のように足を震わせながらジェイド王太子は今後の説明を始めた。

「皆さんにはこれからデン王国王都に潜入していただきます」

ジェイドの兵士と集められた傭兵の代表者がこの狭い砂浜に集まっている。皆、いかにも一流の戦士らしく隙がない。ただ、アガサお姉ちゃんだけが刀を杖代わりにしながら震えていた。


アガサお姉ちゃん、可哀そうに・・・私が言うことじゃないけどね!

拙文、ここまで読んでくださってありがとうございます。

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