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貧乏暇なし

正直言って戦争自体は意外ではない。子供の私だってわかることだ。わざわざ武器を不法な手段で手に入れようとしていたこと一つとっても明らかだからあだ。でも、なぜ今!!疫病で相手が弱っているが自国内でも感染するリスクが増大する。せっかく被害が少ないのに、なぜ?


もう少し待って疫病が終息した時に行うのではというのがラファール号トトカルチョでの大本命なのは秘密だ。ジェイドさんがいる前ではさすがに不謹慎すぎる。しかし、現実は複雑怪奇。まさかこんなに早く行うとは!死者に鞭打つようで恐縮だがシリウスのおっさん、死ななくてもよかったんじゃない?黒幕の失敗をなすりつける責任回避と思っていたが、実は政治闘争の結果だったのかもしれない。


あ~あ。これで商談流れたな・・・最悪、ジェイドだけでも連れて脱出するか・・そう思っていると

「やはり、そう来ましたか・・わかりました。ご苦労様です。下がってください。あ、あと町の者には非難準備を布告しておいてください」

「はっ」

しがない街役人はすごすごと退散していきました。ここの国の人じゃないのに命令していたジェイドさん。実はかなり偉い人?

私はとりあえず今後の方針のために

「戦争みたいだけど勝てそう?」

と聞いてみた。シェイドは苦笑して

「難しいでしょう。現状ではデン王国に対抗するのはまず無理です」

「やっぱり、そうじゃないかと疑っていたんだ。けど、どうする?船に乗って逃げる?送るけど?」

「すいません。私にも守らなきゃいけないものがあるので・・ご厚意には感謝します」

「そう、残念ね。特に依頼もないし、このまま南に脱出するね。悪いけど」

「え!船は空いているんですね!それは好都合!これから私からの依頼、受けてくれませんか?」

「残念ですが・・・」

と、船長。多少頼りないこともあるがこういう時はとってもかっこいい海の男だ。

「私は船員の生命に責任があります。こういう事態ですので一刻も早く出港してしまいたいのです」

「大変よくわかります。ですが出港まで少なくとも数時間時間が必要でしょう?私の依頼は人を一人ある地点まで送っていってほしいというものです。数時間で準備が整いますから、乗せて行ってくれませんか?もちろん、依頼が達成できれば、莫大な報酬をお払いしますよ。どうです?」

「いや、しかし・・危険が・・」

「戦闘海域に向かえとは言いません。そもそもこの船は非武装といっていい。戦闘行為そのものを目的で行えるわけがありません。まあ、それなりの危険水域は通過しますが、それは船員の腕次第、この船の船員は一流揃いだと確信しています」

「・・・・」

黙り込む船長。次第に迷いが大きくなっているようです。

「報酬も破格な条件を出しますよ。私たちも後がありませんからね!出し惜しみはしません」

「・・ちなみに報酬とは・・・」

心が大分動かされている船長。もうちょっと毅然としてほしかった。しかし、ぐいぐい押すなジェイド。こんな才能があったとは・・・

「報酬は金貨100枚に、そうですね・・自由入港権なんてどうです?」

「「!!」」

自由入港権、それは商売をしている者が喉から手が出るほどほしい権利だったりする。まずは入港料、船が港に入るたびに払うお金がタダ!さらに関税など各種税金が免除!さらに港の共有倉庫の使用がタダになるという最高の権利だ。普通、巨大商会が金貨の山を作って購入するという権利がうちみたいな中小零細にくるなんて・・・サイコー!!

「おじさん!」

「船長といいなさい。・・しかし、ジェイド様、それほど高く評価していただいて光栄ですが、なぜ私もなのですか?正直申しまして王国の軍艦など任に堪えゆる船はいくらでも思いつきます。裏があると勘ぐってしまうのですが・・・・」

「裏なんてないですよ。この依頼はあなた方でないと達成不可能なのです」

「達成不可能?どういうことです?」

「目的地は海洋国の大拠点 ライド島だからです」

私たちは真っ青になった。

「「無茶言うな!!」」

二人の絶叫が寒い冬の空に響いた。

累計400アクセス突破 ありがとうございます。勢いだけの小説ですが完結まで勢いよく行きたいです。


3/4表現修正

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