↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻覚教育  作者: 月海みやび


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/12

Case8

目には目を、歯には歯を⋯

暴言には暴言を、暴力には暴力を⋯


犯した罪の重さは、痛みを体感しなければ理解出来ない。


ならば、痛みを知ればいい。

そして、自らの過ちを悔い改めよ⋯


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあな〜、海斗!」

「おう、またな!」


大学の友人と別れ、繁華街を歩く。


「こんばんは。三浦海斗さん、ですね?」

「そうだけど⋯お姉さん、誰?」

「幻覚教育管理局から参りました、久世と申します。」

「⋯はぁ⋯俺に何か?」

「ここだと話しにくいので、場所を変えませんか?」

「場所を変えるって、何処に⋯?」

「そこのホテルにでも。」

「⋯なるほどね⋯いいよ、ホテル行こっか?」


綺麗なお姉さんに誘われて、嫌がる男なんて居ない。


軽い足取りで、ホテルの一室へと入った。


「お姉さん、先にシャワー浴びる?」

「いえ⋯」

「へぇ⋯?お姉さん、そっち派なんだ?」

「⋯何か、勘違いをされているようですが。私は、あなたに話が⋯」

「照れなくていいって!俺、こだわりないし⋯お姉さんの好きにしていいよ?」

「三浦海斗さん、強盗の罪で幻覚教育を受けて頂きます。」

「っ⋯!ご、強盗って⋯何の話?っていうか、さっきから⋯幻覚教育?そういうプレイ?」

「こちらを装着して頂ければ、全ておわかりになると思います。」


変な女に引っ掛かってしまった⋯

そう思い込もうとしている自分に、気付かないフリをして⋯

言われるがまま、ゴーグル一体型ヘルメットを被る。


「これでいい?」

「それでは、拘束させて頂きます。」


そんな言葉すら、聞こえないフリをした。


ふと思い出す。


『高収入の単発バイト!?めっちゃ良いじゃん!』


時間を削らずに、お金が手に入る。

遊びたい俺には、ピッタリの条件だった。


応募してすぐに採用通知が届く。

指定された日時と場所を見て、嫌な予感がした。

それでも、気の所為だと自分に言い聞かせる。


⋯嫌な予感は的中していた。


「では、強盗に遭う世界へ⋯。いってらっしゃいませ。」


不意に聞こえてきた言葉と共に、一瞬で世界が変わる。


『黙って金出せ!』

『早くしろ!』


目の前では、マスクを被った数人がバットを振り回し暴れていた。


『何見てんだ!?早く金出せって言ってんだろ!?』

『っ⋯!は、はい⋯!』


いきなり蹴り付けられ、震える手でお金を用意する。


⋯何だよ、こいつら⋯


『早くしろって言ってんだろ!?』

『っ⋯こ、これで全部で⋯』


お金を入れた鞄を引ったくられる。


奴らが去った後も、震えが止まらなかった。


⋯怖かった。


「強盗に遭う気持ち、理解出来ましたか?」


そんな言葉と共に、世界が戻る。


「っ⋯ああ⋯」


お金の為にと、人を傷付けてしまった。

自分が、酷く情けない⋯


「あなたは、強盗の加害者です。」

「⋯わかってる⋯」

「ですが、闇バイトの被害者でもあります。」

「っ⋯」

「きちんと自分の罪に向き合うだけでなく、ケアもして下さいね。」


優しい声に、思わず顔を上げる。


既に部屋を出ようとしていた後ろ姿に、そっと声を掛けた。


「⋯ありがとう⋯」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「報告します。強盗の罪で幻覚教育対象者となった、三浦海斗ですが⋯。その後、警察に出頭したようです。闇バイトの方では、ケアをお願いします。」

「わかった。ケアは、こちらで引き受けよう。」

「これにて、幻覚教育を終了致します。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。