Case3
目には目を、歯には歯を⋯
暴言には暴言を、暴力には暴力を⋯
犯した罪の重さは、痛みを体感しなければ理解出来ない。
ならば、痛みを知ればいい。
そして、自らの過ちを悔い改めよ⋯
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「うるせぇな⋯!泣くんじゃねぇ!」
手を上げようとした時、インターホンが鳴る。
「ちっ⋯静かにしてろよ⋯!」
イライラしたまま、扉を開ける。
「⋯誰だ、お前?」
「幻覚教育管理局から参りました。」
「は!?幻覚⋯何だって?」
「⋯幻覚教育管理局の久世と申します。」
「何だか知らねぇけど、何の用だよ?」
「虐待の通報を受けて参りました。」
「は!?虐待なんかしてねぇよ!帰れ!」
扉を閉めようと手を掛けるが、阻止される。
「相馬謙悟さん、あなたは幻覚教育を受けなければなりません。」
「知らねぇよ!何で、俺が⋯!」
「痛みを、理解する為です。」
強い力で押さえつけられる。
「っ⋯!ふざけんな!離せ⋯!」
「⋯玄関先ですが、致し方ありませんね⋯。」
あっという間に拘束され、床に転がされる。
「っ⋯!てめぇ⋯!ふざけんな!」
暴れる俺に構わず、ゴーグル一体型ヘルメットを被せてきた。
「何だよ、これ!?」
一瞬目の前が暗くなり、すぐに懐かしい景色が浮かび上がる。
目の前には、優しかったはずの父親が凄い形相で睨みつけてきていた。
『っ⋯父さん?』
戸惑いながらも、そっと声を掛けてみる。
『うるさい!泣くんじゃない!』
聞き馴染みのある口調で、聞いた事のない怒号を浴びせられる。
『っ⋯父さん⋯どうしたんだよ⋯?』
『黙れ!』
飛んできた拳に、目を丸くする。
大好きだった父親からの、数々の罵声と暴力。
『っ⋯』
その勢いに、ただ黙って耐えるしかない。
⋯そうか、俺がしていた事か⋯
俺を慕ってくれていたアイツに、力任せに怒鳴って⋯
⋯殴られるのって、こんなに痛くて怖いのか。
⋯蹴られるのって、こんなに苦しくて辛いのか。
「⋯悪かった。」
思わずこぼれた言葉を聞いて、父親が一瞬微笑んだ気がした。
「虐待される子供の気持ち、理解出来ましたか?」
瞬きをした瞬間、目の前には仏頂面の女が立っていた。
「⋯ああ。もう二度としない。」
しっかりと目を見て頷く。
目の前の女が、微かに笑みを漏らした気がした。
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「報告します。虐待の罪で幻覚教育対象者となった、相馬謙悟ですが⋯。その後は、優しい父親として良き家庭を築いているようです。これにて、幻覚教育を終了致します。」




