(ある意味)破格なお値段でした
―――翌日。
私達は宿の食堂で朝食をとっていた。うん、意外と(←)イケる。別に宿の女将さんの腕を信頼してなかったわけじゃないけどほら‥‥‥見た目がアクロバティックだったからつい、ね。やっぱり違う国だと盛り付けも違うのかしらん。
「それでミアカ様、今日はどうするんですか?」
「うーん、どうしようかなぁ‥‥どうせ来たからには観光したいけど」
「じゃあ市場なんかどうです?国で一番規模が大きく賑わっていて楽しめると女将さんが言っていました。」
「市場かぁ‥‥いいかも。どんなのが売ってるか気になるね」
個人的には某額に稲妻がある主人公がでてくる映画みたいな雰囲気だと嬉しい。 やっぱワクワクするよね。
「じゃあ、今日は市場に行かれましょうか。」
「うん、そうしたいな。メイドさんはそれでいい?」
「ミアカ様の行かれる場所なら何処でも文句はございません」
――――てな訳で市場に来た私達。
いやー、すごいね!アルセナールの市場も相当だけど、ここも かなりの圧巻だ。結構見たことないものあるし。ヤバい、面白そー。
「ねぇ見て見て!ほらあそこの紫のスライムっぽいやつ!串に刺さってるけど食べるのかな?食べるのかな?」
「ミアカ様、串に刺さってる紫のスライムっぽいやつが気になるのは分かりますけど落ち着いてください。混雑してますし見失ってしまいます。」
まさか子供じゃあるまいし、いい大人の(精神年齢はさらに上)私が迷子になるわけない‥‥‥‥そう思っていた時もありました。
ええ、そうですとも。絶賛☆迷子中です。メイドさんよ何処にいった。
よしっ、ここは発想の転換でメイドさんを撒いたってことにしよう、そうしよう。
ってことで開き直りついでに市場を散策し始めたんだけど…やっぱり異国情緒溢るる風情だよね。ヴォストーク人はアルセナール人よりも肌が浅黒くて顔立ちもアジアンテイストな感じ。アルセナール人は基本的に肌が白くて欧風な顔立ちかな。そんでここだけの話なんだけど、、、ぶっちゃけアルセナール人の方が美形率が高かったりする。てかこの世界的にも美形率が高いんだよね。フツメンざまあww‥‥‥あ、私は数少ない例外だったわ。無念。
「‥‥‥‥ってうわッッ、ナニコレ!?かわいっ」
ぼーっとしながら歩いていたにも関わらず私の目に写りこんできたのは‥‥‥もふもふだった。
何の生物かと問われると果てしなく微妙だけど間違えなく言えることがある。コイツの名前はモフ子だ。
モフ子はペットとして売られているのか篭に入ってもふもふしていた。ただ座っているだけなのにもふもふな存在のため何もしなくてももふもふという動詞がつくくらいモフ子はもふもふしていて‥‥‥‥ああ、自分でも意味不明になってきた。
「ふふ、ふふふふ。でも一目惚れしちゃったんだからしょうがないよね」
断固としてもモフ子は旅のお供、そして行く行くは人生の相棒として連れ歩く!
「おっちゃん、この子買いたいんだけどいくら?」
「ねーちゃん、コイツを買ってくれんのかい?そいつぁ助かった。売れんで困ってたんよ」
速攻で露店のおっちゃんに声を掛けるとおっちゃんは鼻を掻きながら嬉しそうに笑った。
「じゃあ代金は700万ストで。一括払いで平気か?」
「‥‥‥‥‥ぇ?」
今おっちゃんの口から不思議ワードが出てきた気がする。おっちゃん、70万ストって桁が違うお?
私としては7万スト、大体7万円くらいだと思ってたんだけどな。なんか駄菓子屋でう○い棒買おうとしたら1万円だったっていうぐらい衝撃的なんだけど。皆さん分かります?
「いやいやいや!おっちゃん、そりゃ桁間違えてるでしょ。700万ストなんて手が届かないよ」
実際は今バックに入ってる魔導具売れば余裕でお釣が返ってくるけど。でもお釣が出すぎて困るしね。かといって現金で70万ストなんて持ってないし。
「そうはいってもねぇ‥‥。コイツ、意外と希少種で生態系も分かんねぇし全然捕まえられんからどうしても高額になっちまうんだ。」
すまんなって謝られても。にしてもモフ子はレアだったのか‥‥
さすがモフ子、もふもふなだけあるな。
「お願い、おっちゃん!せめて負けて、ねっ」
「ねーちゃん、ホントにすまねぇんだけどな…これ、全く利益ないんだわ。余りに売れなくて割り引いて割り引いて最終的にこれ以上割り引くと赤字なんだよ」
うー、おっちゃんが眉毛下げてしょぼん顔して哀愁漂わせたって可愛くない。
「この際おっちゃんが赤字になろうと関係ない!モフ子はもらった!」
「窃盗だけは俺が店畳まなきゃなんねぇからやめてくれ…。それとコイツはオスだ」
Σ(-∀-;)
モフ子がオスだと!?
「何かよく分からないけど落ち込む情報を言わないでくれ!とりあえずモフ子は俺の嫁だ!」
「いやいや無茶苦茶言わないでよ‥‥‥」
むぅ、こうなれば徹底抗戦だ。私がおっちゃんとのコント的な値下げ合戦に気合いを入れていると背後から懐かしい声が聞こえた。
「ねぇ、私が代わりに買ってあげるんじゃダメ?」
‥‥‥なんか声音がすっごいダレカに似てる気がするけどきっと気のせいだろう。そうに違いない。
だってあいつらがこの世界にいるわけがない。
ギギィッと壊れたロボットのように振り返ると私が思い描いた人―――白里と斗黄が立っていた。
え?え?どーゆうこと? 誰か説明プリーズ。




