金欠です
閑静な森の中、時折鳥の囀りが聞こえ見るからにマイナスイオンが溢るるようだ。
駄菓子菓子そんな雰囲気をさっぱり無視して私は鼻歌をしていた。
だって暇なんだもん。だもん。
「♪〜♪〜♪」
そんで暇すぎたから某トト〇さんの代表的な歌を鼻歌オーケストラしてたらメイドさんに怪訝そうな顔をされた。
なんでさ、この誰の耳にも軽やかに入ってくるメロディーの何がダメなんだぁ!
「あの、私達どこに向かってるんですか?」
あ、違った。鼻歌オーケストラへのツッコミじゃないのね。べ、別に相手にされないからって寂しいわけじゃないんだからねっ!‥‥‥ごめんなさい、テンション壊れてました。
話戻すけど、まぁ確かにメイドさんが疑問に思っても仕方ないか。だってメイドさん的には冥府の森にでも行くんだろうと思ってんだろうけど。魔王はそこにいるらしいし。でも残念ハズレ、目的地は別の場所なんだな。
「ううん、違う。当面の目的地はヴォストーク帝国だよ」
「‥‥‥ヴォストーク帝国、ですか?」
「うん、小耳に挟んだんだけどさ、あの国って勇者召喚するらしいんだよ。何考えてんのかねー?」
「ああ、それで様子見をしにいくんですか」
「そーゆうこと」
さっきサラッと言っちゃったけど、この世界にもラノベみたいな魔法があるんだよね。文献によるとちゃんと帰る手段はあるらしいからそこまで鬼畜じゃないけど。
で、やっぱり気になるじゃん?異世界人がどんなかは勿論、なんで勇者召喚をヴォストーク帝国がしようとしてるのかも。ま、成功するかはかなり微妙だけど。
そう勇者召喚ってやっぱりというか何というか超ムズイんだよね。てかほぼ不可能?まず膨大な量の魔力が必要になるから何十人何百人もの魔導師が必要になるしー、それに加えて技術も魔導師長レベルの人間が何十人単位で必要になるっていういくらこの世の金の使い道をやりつくした金持ちでも思いつかないような金と時間がかかりまくる代物だし。しかも、こんだけやっても最終的は運任せで来たらラッキー☆みたいな感じだから。あ、時間がかかりまくるっていうのは魔導師長レベルの人間十人以上で1週間不眠不休で詠唱してなんなきゃいけないから。どんな無理ゲーだよっていう話なわけ。
だから勇者召喚なんてそれこそ世界が滅びるぐらいまで何かの危機が迫っててダメ元でやってみるっつーぐらいのもんなのになー。なんででしょ?
それと同じくらい異世界人も気になるけどねん。あ、でも地球人じゃないと思うけど。だって私が地球からここに転生したことだって他に色々な世界があるってことだろうし。仮に地球からの召喚でも日本人の可能性はそれこそ砂漠で砂金一粒探すのよりも低いと思う。
だから最初から日本人に会うみたいな期待はしてないけど。でも火星人系統だったらそれはそれで気になんねぇ?
「ミアカ様、理由は分かりましたけど‥‥どうやって行くおつもりですか?国境にはマセル川があります。やはり河守を使うのですか?」
う?意識トリップさせてたらメイドさんからご指摘があったわ。
確かにこの国の国境って大体自然によってわけられてるんだよね。
マセル川というのはナイアガラの滝と張り合って勝っちゃうぐらいデカイ川だ。氾濫はあんまり起きないんだけど流れが速く、川には専用の河守がいる。河守ってのはマセル川のこっち側からあっち側まで安全に船で渡してくれる匠の技を持ってる人達。なにしろ普通の川にいる河守じゃあの川は渡りきれないんだとか。
「んー、それもいいんだけど‥‥高くない?」
「確かに河守の運賃は高いですが安全です。」
そうなんだけど、そうなんだけどさー。私、今回の旅は節約を目指してるんだよ!‥‥‥ていうかぶっちゃけ金がない。だって魔導師長の給料入ると狙ったかのように魔導具の新商品とか質の良い実験素材が出てくるんだよ!?金なんて出ていくだけだよ(涙)
ってことで今、鞄に入ってる金はほとんど無いっす。あ、食料は貯蓄庫もかくやというほど入ってるから餓死エンドにはなんないだろうけど。
「という訳で国境越えは自力でしようか♪」
「‥‥ミアカ様。何をお考えになったらその結論に行き着くのですか?」
‥‥‥メイドに鼻で笑われる主人(笑)ってありだと思う?




