弟もできました
遅くなりました(汗)
ま、まぁ、そこは不定期更新ということで‥‥(°∇°;)
「‥‥‥えーっとお父様、コイツはセリ姉様の弟で今回の誘拐の実行犯であるルークシュポールです。」
―――現在、場所はお父様の書斎で戦利品の献上と報告の真最中。
結局のところ別にお父様は私がルークシュポールと戦ったところは見ていないし、私としても証拠として差し出せるのは精々ルークシュポールと使った魔導具と使おうと思っていた魔導具(使う前にルークシュポールが負けた)ぐらいだ。
その使った使えなかった関わらず、作った魔導具を並べて話を続ける。
「これが私が使おうと思っていた魔導具。実際、一個は使ったけど。で、この魔導具あげるからルークシュポールのこと置いてあげられないかな?ほら、私の作った魔導具なんてショボいかもだけど、娘が作ったっていう付加価値がね?」
私は経験したことはないけれど、親というのは子がプレゼントしてくれたのがとても嬉しいらしい。お母さんにやったらそのままゴミ箱にいきそうだけど、お父様は喜んでくれるに違いない。
だけど、予想を裏切ってお父様が言ったのは私が期待していたものとは真反対だった。
「いいや、ダメだよ、そんな交換条件じゃ。一応聞くけどこの魔導具はミアカが本当に作ったんだよね?」
私は頷いたけど、だからなんだというんだろう。やっぱり、いくら娘とはいえ完成度が低すぎる?交換条件にならない?
まあ、うん、その通りなんだけどさ。ちょっとヘコむわー。
私が項垂れていると、お父様が慌てて取り繕うように言った。
「ちょ、ちょっと待て、ミアカ。落ち込むのはまだ早いぞ?お父さんは別にミアカの作った魔導具がポンコツだって言いたいんじゃないぞ。むしろ、その逆だ。こんな素晴らしい魔導具を見たのは久方ぶりだよ。何よりアイディアがすごい。この遠話の魔導具や追跡の魔導具もミアカが考えたんだろう?‥‥‥ここまで実用可能なものだったら直ぐにでも兵士に普及できるかもしれない。そうなれば我が国の軍事力は‥‥」
お、おーい?お父様?何か途中から自分の世界に入り込んじゃってますよー。
てか、さっき漏れ聞えた『遠話』?『追跡』?
あ、ケータイとGPSのことかー。うーん、思えばお父様って宰相さまだったんだよね。普段はその威厳が欠片もないから忘れてたけど。
国の明日を左右しかねない人にアレを渡すなんて早まったかなー?なんか、物騒なこともブツブツ言ってるし。
一応、釘をさしておこうかな。
「………あのー、お父様?この魔導具は戦争とかで使っちゃイヤだよ?」
「ん?ああ、もちろんだよ。だけどね、ミアカ。私は家族が大好きで、それはミアカも同じだろう?だからね、もし他の国が私の大事な人達を傷付けようとしたらお父さんはミアカの魔導具を戦争に使ってしまうかもしれない。それはきっと他の兵士達も同じだろう。」
お父様は普段、私に見せるデレデレした顔じゃなくてキリッとした―――一国を背負う宰相の顔をしていた。
つまりお父様は、私が開発しそれを誰かに見せたら―――見せた人が物事を動かせる人であればあるほど、見せた責任を持て、ということなんだろう。多分。自信ないけど。
私が魔導具を見せたのはお父様だ。お父様は宰相―――国を動かす立場の人だ。だからお父様は国のために使えるものは何でも使わなければならない。その時に私の魔導具が使われて、敵味方や直接間接的関わらず人が死ぬ覚悟しなければならないってことなんだと思う。
「ん、大丈夫。わかった、お父様。‥‥‥‥あのー、それじゃあ、ルークシュポールはここにいていい?」
「ああ、もちろんだよ。もともと君には内に来てもらおうと思っていたからね。セリアの弟っていうのもあるけど、何より君も被害者な訳なんだし。」
お父様が話をルークシュポールに向けるとルークシュポールはそっぽを向いた。照れてんのかな?だとしたら中々可愛いところも‥‥‥
「ま、ということでルークシュポールは今日から内の子だよ。異議はないね?」
お父様、多分最終的な判断はルークシュポールに任せようとしてるんだろうけど、それじゃ脅迫みたいになってるよ。
「(コクコクッ)」
ほらー、宿屋ではあんなに生意気そうだったのに、必死に首振ってるし。
‥‥‥‥‥後から聞いた話だとお父様じゃなくて、この世界では今までになかった魔導具をケロッと作った私にビビったらしいです。(←おい)
話すことは全て済んだことだし私とルークシュポールはお父様の書斎を後にした。
すると、今までずっと黙っていたルークシュポールが口を開いた。
「‥‥‥‥何故だ?」
「何故って?」
「何故俺に居場所を与えようとする?」
は?何言ってんだろ、こいつ?ドラゴンブレスで燃やしすぎた?
そんなの決まってるでしょ
「私がぶちのめしちゃった訳だし。それにルークシュポールだって最初からそんな捻くれたヤツじゃなかったろうし?もし、カルバン卿なんかに育てられなかったらマトモだっかもじゃん」
「‥‥‥捻くれた、は余計だ。それに俺はマトモな方だと思うぞ?お前よりはな。」
なんだとぅ?私がマトモじゃないとでも?
私が憮然としているとルークシュポールはなさらに続けた。
「だって普通、3歳児はそんな可愛げのない喋り方しないだろ。口調も3歳児とは思えないし。」
「可愛げのない喋り方で悪うございましたね。そっちの方だって6歳児とは思えないほど口が悪いけど?あ、あと口調は私の頭が上出来なだけじゃない?」
同時にそっぽを向き、ふんっと鼻を鳴らす。どうやらコイツとは馬が合わないようだ。うん、仕方ない。
だけど、向こうはそうは思わなかったらしい。
もどかしそうな声をあげると、こちらに向き直った。
「ああっ、もう!そういうことが言いたいんじゃない。その、あれだ‥‥‥バーデル卿に頼んでくれて助かった。礼を言っとく。これからょろしく。」
「んー、よろしくされた。じゃ、私がお姉ちゃんね。ルークシュポールのことは‥‥‥長いからルーって呼ぶから。」
「可笑しいだろ。何で三つも下のお前が姉なんだ。」
「え?下に妹か弟欲しかったし。それと今度からお前じゃなくてお姉ちゃんね」
「誰が言うか」
クツクツ笑うとルークシュポールもといルーが疲れたように私を見た。(←何でだろうね?ww)
「なあ、あの魔導具ミアカが作ったんだろ?3歳で作れるもんなのか?戦闘中は流してたけど魔法が使えるのも異常だよな。」
「ああ、それは‥‥‥ちょっと私が特殊なだけ。」
やっぱり可笑しいし、引かれるかなと思って俯いていた私にはルーの、
「‥‥‥俺と一緒だ。」
という呟きは聞こえなかった。




