お披露目会は戦場でした
今日は私の誕生日!ついに三歳です!
‥‥‥‥イコールお披露目会でもあるわけで。
正直、かったるいわー
緊張するし。
まず準備が、準備が!大変だったさ‥‥‥
鬼教師であるダント先生の詰め込み教育はマジで血へど吐くかと思ったし、はぁ。
『ミアカ、そこは一歩下がってからお辞儀です。』
『もっと動きを柔らかく。目線はそっと伏せてください。』
『そこにある水は飲みません!指を拭くものですよ。間違える人なんて初めて見ました。』
『ボーイにはお礼は言わなくていいんです。』
などなどエトセトラえとせとら
なんかたまにイヤミとか入ってるし。
もうっ、知ってるわけないでしょーが!異文化なんて!ましてや(見た目は)三歳だぞ、三歳児に要求できるものか?あれは。
それともこの世界じゃ、みんな幼児が天才なの?
ついてくのメチャクチャ大変だったんですけど‥‥‥
まぁでも、こんだけやった甲斐あって礼儀作法だけは様になったけど。こっちの常識だったり勉強はまた後からやるらしいけどね、はぁ。
〇 〇 〇
今、お父様が来てくれてありがとう的なご挨拶してる。
つまりもう少しで私達の出番ー。いーやー(TOT)
不安になったのでセリ姉の手をギュッと握って見上げたら、ニコッと笑って手を握り返してくれた。
ちょっと楽になったかも?
やっぱりセリ姉は優しいし、何より男前だなぁ。ちょっと失礼かもしれないけど。
これで私より下とかあり得ないわー
ていうか、私最近年齢に引っ張られてる?
ぐだぐだとそんなことを考えてたら、お父様の挨拶が終わったらしい。私達の紹介がされた。
メイドさん達のエールに応えてから壇上に上がる。(ちなみにお披露目会の会場は超豪華。広さは普通に日本の結婚式場以上ある。)
まずは壇上の中央まで行ってペコリと一礼。
上品に、上品に。
うおっ、ダント先生と目が合ったよ、今〜
怖ぇ〜、こっち見てる。失敗したら確実に叱られんな、こりゃ。だって、口が笑ってても目が笑ってないし。先生、周りの人がビクッとなってるよ〜。気づいてる〜?
って、そんなことよりっと。
すぅ、と息を吸って口を開く。
「皆様、本日は私の誕生日会でありまた私達姉妹のお披露目会であるこの場所に来てくださいまして本当にありがとうございます。申し遅れましたが、私はミアカ・バーデルと申します。では、このパーティーをお楽しみ下さい。」
ここまで一気に言い切ってからセリ姉にバトンを渡した。
ふぅ〜、やりきったぜ。まだ誕生日会終わってさえいないけど。
ん、セリ姉の口上も終わったみたい。
お父様の合図を受けてそろそろと壇上から退場する。
するとセリ姉が小声で話しかけてきた。
「よく出来てたよ、ミアカ。お辞儀も完璧。」
多分私が心配したりしないようにという配慮なんだろうけど、やっぱり安心する。よかったー、目立った失敗がなくて。
ありがとう、の意味も含めてにっこり笑うと頭をナデナデされた。セットが崩れないようにだけど。
私達の紹介やお父様のパーティー開始の挨拶を受け、一気に招待客は賑やかに談笑したり、食事をしていた。なんか、くるくる優雅に回ってる人達もいる。いわゆるお貴族ダンスですな。え、言わない?
オーケストラも知っていそうで名前が決して分からなそうな曲を演奏していて、周りはとっても華やかだ。
‥‥‥‥ねえ、今オーケストラが来てるって言ったのに誰もツッコまないの?ほんと、どんだけスゴいんだよバーデル家って。招待客も1000人は来てるよ?3歳の小娘の誕生日のために。アホか。
「‥‥‥‥ァカ。」
ん?アホなことを考えてたらセリ姉とはぐれてしまったらしい。
セリ姉はなんか上品そうなオジサマや貴婦人方に囲まれて、ハハハ、オホホ、と穏やかに質問攻めにするという器用なマネをされていた。
しまった‥‥‥!どうしよう。自己紹介の口上終わらせたらセリ姉に隠れてやり過ごそうと思ってたのに‥‥‥!
そうこうしてる間に私の方にも貴婦人方がせめよってきた。おい、迫ってくるのに物腰が上品ってどうやってんだ。是非、教えてほしい。
取り敢えず三十六計逃げるが勝ち!
と、思ったが既に包囲網が完成してるだと‥‥‥!なんてチームワーク、そして全員イイ笑顔!すごく怖い!
これはセリ姉にヘルプを出すしかない‥‥‥‥って、もうヤられてる!?セリア部隊全滅です!ああ、もう眼前まで来てる‥‥。ミアカ二等兵逝って参ります!お国のために!
こうして私は戦場(貴婦人方)に向かった‥‥‥。
♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪ (エンドロール)
え?戦績だって?一瞬でヤられたよ、プチって。
悪いけどそれ以上聞かないでくれるかな?‥‥‥‥‥トラウマなんだ‥‥‥。




