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宝神の勇者 I  作者: 三竦 慎太郎
第二章
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49/56

第49話  個人訓練②

 ガンッ!


 訓練領域に、金属が激しく爆ぜるような音が響き渡った。


 勇雄と理人。


 二人の刃が高速で交錯し、激しい火花を周囲へ撒き散らす。


 ガキィンッ!


 甲高い音が響いた。


 互いに一歩も引かない。


 本気で殺し合っているわけではない。


 それでも二人は、相手の視線、肩の動き、足の踏み込み、魔力の流れ━━あらゆる情報から次の一手を読み取り、初動を隠しながら、致命傷になる寸前で攻撃を止めている。


「速い……!」


 前川先輩は思わず息を呑(の)んだ。


「刃の軌道が、全然見えない……!」


 視線を追いつかせようとしても、二人の身体は何度も視界の外へ消える。


 剣がぶつかる音だけが、遅れて耳へ届いた。


 勇雄が大きく沈み込む。


「━━っ!」


 次の瞬間、剣が地面すれすれから跳ね上がった。


 狙いは理人の首。


 理人は、それを読んでいた。


 身体を捻(ひね)りながら刃を滑らせ、勇雄の攻撃線を外す。


 そして、そのまま勇雄の喉元へ剣先を突き出した。


 互いの刃が、急所へ届く。


 あと一瞬。


 その瞬間━━。


 空間そのものが歪(ゆが)んだ。


 ズンッ!


 次の瞬間、二人の間に壮年の戦士が立っていた。


「そこまでだ」


 師匠神だった。


 パチンッ。


 師匠神が左右の指先を軽く弾く。


 勇雄と理人、それぞれの剣身が弾かれ、二人の攻撃が強制的に止まった。


「……」

「……」


 二人は互いを見たまま、ゆっくりと剣を下ろす。


 師匠神は大きく息を吐いた。


「お前たち、訓練相手を叩き潰すつもりか?」

「……まだ続けられます」


 勇雄は少し息を乱しながら答えた。


「手加減もしていません」

「俺もですよ」


 理人も剣を収めながら、口元に薄い笑みを浮かべる。


「別に、この程度で壊れたりしませんって」

「そういう問題ではない」


 師匠神は即座に切り捨てた。


「訓練の目的を忘れるな。お前たち二人の勝敗を決めることではないだろう」

「……」

「……」


「二人とも強い。だから、これ以上やっても得るものが少ない」


 師匠神は二人の剣を見比べた。


「今の攻防なら、どちらかが一歩間違えれば相手を殺せる。訓練でそこまで踏み込む必要はない」

「……分かりました」


 勇雄が素直に頷く。


 理人も肩をすくめた。


「師匠神様がそう言うなら」

「最初からそうしろ」


 師匠神が呆(あき)れたように言う。


 二人の元へ、ミカとグリナが近づいていく。


「勇雄くん、はい」


 ミカが水袋と手ぬぐいを差し出した。


「……無茶しすぎ」

「ありがとう。ミカ」


「理人もお疲れさまー。はい、お水」

「サンキュー、グリナ」


 理人は受け取った水袋を軽く振る。


 その様子を見ながら、師匠神が両手を大きく叩く。


「よし! ここからは個別訓練に移るぞ!」


 パンッ!


「各自、自分の役割に応じた課題を消化しろ。今日の戦闘で何が足りなかったのか、よく考えながら取り組め!」


「わかりました」

「よろしくお願いいたします」

「了解」

「は~い! 了解です!」

「分かりました!」


 五人がそれぞれ頷いた。


 ♢


 先輩神は、ゆったりとした旅装束の袖を捲(まく)り上げながら、前川先輩のクロスボウを手際よく検分していた。


「的に当てる筋は悪くない。だが……顔に『これじゃダメージにならない』と書いてあるな」


 先輩神の指摘に、前川先輩は肩を落とした。


「……だって、的に当たった矢が跳ね返っちゃうんですもん。あの二人なら一撃で叩き割るような的に、私の矢じゃ傷一つつけられない。威力がなさすぎて……」

「ははは! あの化け物みたいな腕力と魔力量を比べちゃいかんよ」


 先輩神は笑いながら射撃用の標的を指差し、矢の刺さった場所━━矢尻を指で示した。


「いいかい。攻撃で大事なのは『威力』だけじゃない。『命中』と『タイミング』だ。勇雄や理人のような前衛には、君の矢の威力自体は効かないかもしれない」


先輩神は標的の中心をつく。


「だが、戦場で敵が体勢を崩した瞬間、あるいは攻撃を繰り出そうとしたその一瞬に、目や関節へ正確に一矢が飛んできたらどうだ?」

「……ッ」

「攻撃が中断される。視界が奪われる。体勢が崩れる。そうなれば、あの二人は確実に敵へ『致命打』を叩き込める。君の一矢は、それだけの威力に化けるんだよ」


 前川先輩はクロスボウを見つめ、小さく息を吐いた。


「……理屈は分かります。でも、もう一つ悩みがあって」

「ん? なんだい」

「私みたいな弱くて加護もない人間が、本当にあの二人を……あの化け物みたいな二人をまとめていけるんでしょうか。追いつくどころか、見ているだけで怖くなる時があるのに……」


 先輩神はクロスボウの弦を弾き、ポロンと高い音を鳴らした。


「勇雄も理人も、前しか見えなくなる時がある。強すぎる故にね。だから、後ろから冷静に全体を見渡し、手綱(たづな)を引ける人間が必要なんだ」

「……私が、手綱を……」

「そう。威力がなくてもいい。先頭に立たなくてもいい。君の目の良さと冷静さは、あの二人を動かす最高の武器だ」


 前川先輩は胸元を押さえ、クロスボウをギュッと強く握り直した。


「……難しいですね」

「難しいとも」


 先輩神は笑った。


「俺だって昔は何度も間違えたさ」

「神様でも?」

「神様だからって、最初から何でもできるわけじゃないんだよ」


 先輩神は語り始めた。


「神である身分を隠して、王様や商人、旅人の群れに紛れて暮らしていたこともある。人をまとめる立場の奴らは、みーんな同じところで胃を痛めていたよ」

「……うぐっ」


 前川先輩が胸元を押さえる。


「それ、今の私にめちゃくちゃ刺さるんですけど……」

「ははは!」

「五人をまとめるだけでも大変なのに……」

「五人だから簡単、ということもないさ」


 先輩神は笑みを少しだけ薄めた。


「人はそれぞれ考え方も違えば、欲しいものも違う。全員を同じ方向へ向かせる必要はない」

「じゃあ、どうすれば?」

「その人間が一番力を発揮できる『場』を整えるんだよ」

「……一番、活躍できる場」

「そう」


 先輩神は頷いた。


「勇雄は前に出る。理人も前線で動ける。グリナは周囲をよく見て、ミカは仲間を支える。そして━━」


 先輩神は前川先輩を見る。


「君は、全員を見る」

「私が……?」

「そうだ。君がどっしり構えていれば、勇雄も理人も心置きなく前線で動ける」

「……」

「だから、君がいることで、誰かが動けるなら、それも立派な戦いだよ」


 前川先輩はしばらく黙っていた。


「……分かりました」


 そして、クロスボウを強く握り直す。


「私、もう少し周りを見るようにします」

「それでいい」


 先輩神は満足そうに笑った。


 ♢


 白衣をまとった教授神は、分厚い手帳へペンを走らせながら、グリナの背負うリュックの中身を一つずつ卓上へ並べていた。


「水筒、非常食、応急用の包帯……」


 ひとつずつ確認していく。


「配置のバランスは悪くない。ただし、使用頻度に応じて位置を見直した方がいい」

「使用頻度?」

「そう。戦闘中に頻繁に使う物を底へ入れてはいけない」

「あっ」

「逆に、滅多に使わない物を取り出しやすい場所へ置くのも無駄だ」

「なるほどー」


 グリナは感心したように頷く。


「じゃあ、よく使う物を上にするんだね」

「それだけではない」


 教授神はペンを止めた。


「戦闘後の消費量も考える必要がある」

「消費量……?」

「そう。特に勇雄と理人だ」

「二人?」

「戦場では、強い者ほど膨大なエネルギーを消費することがある。強力な者がいるから安心、とは限らない。補給が尽きれば、その強さも維持できなくなる」

「へぇー……」


 グリナは目を丸くした。


「補給って、戦闘と同じくらい大事なんですね」

「場合によっては、それ以上だ」

「分かった! じゃあ、二人がどれくらい食べたり飲んだりするのか、ちゃんと見ておく!」

「良い心掛けだね」


 教授神は満足そうに頷いた。


 だが、グリナはふと手を止めた。


「……ねえ、教授神様」

「何だい?」

「あの……理人のこと、何か知ってますか?」


 教授神のペンが、ぴたりと止まった。


「……彼かい?」

「うん」


 グリナは少しだけ視線をそらす。


「理人のこと、信じてていいのかなって……」


 教授神は眼鏡の位置を直した。


「それは私に聞くことではないと思うがね」

「……え?」

「君が彼をどう見ているか。それが一番重要だろう」

「でも……」


 グリナは困ったように眉を下げる。


「頭では『怪しいのかな』って考えても、心が理人を疑うのを嫌がってるというか……」

「なるほど」


 教授神は小さく笑った。


「出会って間もない相手を直感的に受け入れている自分への戸惑い、か」

「う……見抜かれてる」

「私は観察するのが仕事だからね」


 教授神は手帳を閉じた。


「信用も直感も、理屈だけでは説明できない」

「……」

「分からないまま信じる、という選択があってもいいんじゃないかな」

「そんなのでいいの?」

「人の心は、神の知識でも解明しきれない」


 教授神は少しだけ楽しそうに笑った。


「だからこそ、観察し、研究しがいがある」

「……神様なのに、意外とロマンチストなんですね」

「よく言われるよ」

「ふふっ」


 グリナの表情が少しだけ和らいだ。


 ♢


「姉貴神様から、戦闘の基礎なら師匠神様に聞けって言われてきました」


 ミカの静かな言葉に、師匠神は短く頷いた。


「他の三柱は専門特化だからな。戦闘の基礎なら、俺が教える。お前は……医療担当だろ? 戦えるようになりたいのか?」

「はい……そうです。お願いします」


 ミカは師匠神に頭を下げた。


「……水魔法は使えるな。使える経緯は聞かないが……まずやってみろ」


 ミカの周囲に水分が集まり、細かな水滴が浮かび上がる。


「うむ。問題ない。水が少ない場所でも、周囲の水分を利用できる。━━氷に変えられるか」

「やってみます!」


 水滴が一点へ集まり、鋭い氷の礫(つぶて)へ変わる。


「足を止める」


 床の一部が凍りつく。


「視界を奪う」


 白い冷気が広がり、周囲を霧のように覆う。


「攻撃する」


 氷の礫が一直線に飛び、標的へ突き刺さった。


「そして、逃げ道を作る」


 氷の壁が瞬時に形成される。


「魔法の使い方を一つに縛るな。敵の足止め、視界の遮断、退路の確保……使い方一つで、味方全員の生存率が変わる」

「はい……!」

「ただし、水魔法と氷魔法は使い分けろ。氷魔法は魔力の消費が多い。森や水辺なら、水魔法の物量で押し切った方がいい」


 ミカは氷魔法を使い、氷の礫を次々と錬成していく。


「……飲み込みが早いな」


 師匠神は頷いた。


「お前は冷静だ。前衛が崩れた時こそ、その冷静さが生きる」

「……ありがとうございます」


 ミカは再び魔力を練り始める。


 しかし、その手がふと止まった。


「……師匠神様」

「何だ?」

「私のいた世界のこと……何か知っていますか?」


 師匠神の手が止まる。


 短い沈黙。


 ミカは答えを待った。


 だが、師匠神は静かに首を横へ振った。


「……知っていることと、言えることは違う」

「……やっぱり」

「過去と、変えられない運命というものは存在する」

「……」

「どう選んでも、後悔することはあるだろう」


 師匠神はミカを真っ直ぐ見つめた。


「……今のお前がどうしたいのかを大事にしろ」

「……今の私が」

「過去に囚われて、今目の前にいる仲間を見失うな」


 ミカは少しだけ目を伏せた。


「……はい」


 そして、深く一礼する。


「ありがとうございます」

「礼はいい。続けろ」

「はい!」


 ミカは顔を上げる。


 再び、鋭い氷の礫を錬成し始めた。


 ♢


 そして━━。


 広大な訓練場の中央に、巨大な岩石の巨人が出現した。


 ズズズズ……。


 無数の岩塊が宙を舞い、一つへ集まっていく。


 やがて形成された巨体の胸部と背中には、怪しく赤く明滅する二つの核が埋め込まれていた。


「訓練用の『双核の巨兵』よ!」


 姉貴神が指をさす。


「二つの核を、ほぼ同時に破壊しないと倒せないわ!」


 巨兵が拳を握る。


 ズシン。


 地面が揺れた。


「片方だけ壊すと、残った核が暴走して手が付けられなくなるから気をつけて!」

「俺がいく!」


 勇雄が床を蹴った。


 ドンッ!


 一瞬で巨兵との距離を詰める。


 剣へ魔力を流し込み、刃が唸りを上げた。


「━━はぁっ!」


 巨兵が腕を振り下ろす。


 ズゥンッ!


 勇雄は剣を盾のように構え、真正面から受け止めた。


 ドガァンッ!


 衝撃が地面を走る。


「ぐっ……!」


 身体が数メートル押し戻される。


 それでも、勇雄は足を止めない。


 剣を地面へ突き立て、無理やり身体を支えた。


「勇雄!」


 理人が叫ぶ。


「上が開いたぞ!」

「分かってる!」


 勇雄が巨兵の腕を弾き上げる。


 その一瞬。


 理人が死角から滑り込んだ。

 音すら置き去りにするような踏み込み。


 刃が背中の核へ迫る。


 ━━だが。


「……っ」


 勇雄が胸部へ振り下ろす。


 理人が背面へ斬り込む。


 しかし、二人の攻撃がわずかにずれた。


 ガキィン!


 核へ入った衝撃もずれていた。

 巨兵の身体が大きく震える。


「二人とも!」


 姉貴神の声が響く。


「強いけど、それじゃあ倒せないわよ!」


 巨兵の核が赤く明滅する。


 ドクン。


「次は暴走するかも!」

「━━っ!」


 勇雄が地面を蹴った。


 全身の力を乗せ、剣を振り抜く。


 ドゴォンッ!


 剣が胸部の核を直撃した。


 赤い核がひび割れる。


 その直後、理人の姿が消えた。


「━━遅い」


 低い声。


 巨兵の背後へ回り込んだ理人の刃が、一閃する。


 パキィンッ!


 勇雄の一撃で亀裂が走った直後、理人の刃が背中の核を真っ二つに両断した。


 二つの核が、ほぼ同時に砕け散る。


 巨兵の動きが止まった。


 次の瞬間。


 グラリ。


 巨体が傾いた。


「危ない!」


 倒壊した岩塊が勇雄へ迫る。


 勇雄が振り返る。


 だが、回避するには遅い。


「━━武藤!」


 理人が踏み込んだ。


 ガシッ!


 勇雄の襟首を掴み、そのまま後方へ引き倒す。


 ドォンッ!


 巨大な岩塊が目の前へ落下した。


「そっちの死角は俺が見る」

「……助かる」


 勇雄が立ち上がる。


 だが、その直後━━。


 理人の背後へ、別の岩塊(がんかい)が崩れ落ちてきた。


「古賀!」


 今度は勇雄が動いた。


 剣を横薙(よこな)ぎに振り抜く。


 ドォンッ!


 岩塊が粉々に砕け散った。


 細かな石片が二人の周囲へ降り注ぐ。


 理人は一瞬だけ勇雄を見る。


「……これで引き分けだな」

「フッ……お互い様だ」


 二人は武器を下ろした。


 姉貴神が二人のもとへ歩み寄る。


「ねえ」


 二人が振り返る。


「二人とも、相手のことを本当には信用していないでしょう?」

「……」

「……」

「それでも、あの瞬間はお互いを助けたわね」


 姉貴神は柔らかく微笑んだ。


 勇雄は答えなかった。


 理人も何も言わない。


 ただ、二人はそれぞれの武器を静かに収めた。


 ♢


 やがて五人は、訓練場中央の広場へ再集合した。


 全員、額に薄っすらと汗を浮かべている。


 前川先輩はクロスボウを抱えたまま、何かを深く考え込んでいた。


 グリナはリュックの紐を締め直している。


 ミカは静かに勇雄と理人の背中を見つめていた。


 誰も、自分が神から何を告げられたのか口にはしない。


 それでも━━。


 五人の間に流れる空気は、訓練が始まる前とはほんの少しだけ違っていた。


「どうだったかしら?」


 姉貴神が尋ねる。


「すごく勉強になりました」


 勇雄が答える。


「連携の難しさも実感できたし、もっと上手く動けるようになりたいです」

「まあまあですね」


 理人が肩を回す。


「暇つぶしくらいにはなりました」

「それ、褒めてるの?」


 グリナが笑う。


「一応」

「絶対違うよー」

「もう体バキバキです……」


 前川先輩が肩を落とす。


「胃も痛いし……」

「胃?」


 勇雄が首を傾げる。


「こっちの話よ!」

「すっごく楽しかったよー!」


 グリナが元気よく手を上げる。


「パッキングのコツも覚えたし!」

「……問題ありません」


 ミカも頷いた。


「新しい魔法の使い方も掴めました」


 姉貴神は満足そうに頷いた。


「よし!」


 パンッ!


 両手を打ち鳴らす。


「じゃあ、本日の締め括りといきましょうか!」


 姉貴神は、いたずらっぽく微笑んだ。


「今度は、目的地へ着くための訓練じゃないわよ」

「……?」


 五人が顔を見合わせる。


 一拍の静寂。


 姉貴神が告げた。


「━━無事に生き残るための、訓練を始めるわ」

「なんの訓練ですか……?」


 勇雄が姉貴神に聞く。


「この訓練は……」


 姉貴神が指を鳴らした。


「戦って勝つだけが、冒険じゃないのよ」


 白い床に、亀裂のような光が走る。


「敵が強すぎる時」


 壁が崩れる。


「仲間が負傷した時」


 遠くから獣の咆哮が響く。


「道を失った時」


 白い空間が、急速に黒く染まっていく。


「そして━━」


 五人の足元から、濃い霧が湧き上がった。


「もう一度戦えば、誰かが死ぬ」


 その言葉と同時に、訓練領域が完全に姿を変えた。


 そこに広がっていたのは、深く鬱蒼(うっそう)とした黒い森。


 木々は空を覆い隠し、視界は数メートル先までしか届かない。


 風が吹く。


 森の奥から、何かの遠吠えが聞こえた。


 そして━━。


 彼らの前に、闇の奥へと続く一本の道が現れる。


 しかし、その先に出口は見えない。


「今回の目標は一つ」


 姉貴神が静かに告げる。


「全員で、無事に生き残ること」

第49話を見ていただきありがとうございます。

各々の気になっていることを神がさとす内容です。勇雄達の成長を見守って下さい。

次回は合同訓練です。お楽しみ下さい。

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