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第五話(前編) プリケツ

「閲覧者〜☆まさか、サバランがいきなり出てくるとは思わなかった…?えへへ、私意外と皆さんへのサービス精神すごいんですよ〜。そりゃもう…自分でも恐ろしいほどに。ビスコッティ?あいつはさっさと別れたぜ。互いに赤ワイン飲んだ後、普通に大人同士…握手して去ったよ。いや、嘘はよくないね?彼は電話がなり、用事があると言って先に帰ったんだ。私を置いていくなんて…ひどぉい!泣いちゃう!…まぁ、許しませんがね。」

ニッコニコの笑顔で、薄暗いボロ屋で誰もいない空間に向かって手を振り始めるサバラン、五十代男性、惡。側から見たらヤバいやつ以外の何者でもなかった。彼はふう…と息を吐くと、近くのソファに腰掛けた。テーブルの上にある、小さなパソコンを開く。繋がってるワイヤレスヘッドホンを装着すると、彼はニタニタしながら聴き始めた。ヘッドホンからビスコッティの声が響き渡る。

ーーーDoes it hurt? Oh, how pitiful. Don't lie, and there's no need to pretend to be strong. ...You think I'm kind? Yes, I suppose so. To me, you're nothing but trash. I can tell the difference between good people and bad people. Now, let's begin the feast. In this world, if we don't make distinctions, no one can be saved. As trash, will you at least try to struggle for us in the end?(痛いですか?ああ、なんて可哀想に。嘘はいけませんよ、強がる必要もないのです。…優しいですって?ええ、そうでしょう。私にとってあなたはゴミに等しい。善良な人間と害悪な人間くらい区別できますよ。さぁ、宴を始めましょう。この世は選別しなければ、誰も彼も救われないのです。せいぜいゴミとして、最後くらいは私達のために、足掻いてくれますか?)ーーー

「…ほう!なかなかやるじゃないですか。あんなにバブバブ言ってるもんですから、意外すぎるギャップですねぇ。これは週刊誌が黙ってないぞ!パシャア!うーん♡良い記事ダァ☆…しかし、私のいないところで彼なりに楽しんでいるみたいじゃないの?…俺もちょっと混ぜてよ…良いだろ?別に…。あ!でも、混ざるより、少し様子見してたほうが楽しいかもしれないわね。では、お手並みを拝見拝見、どーれどれ、サバラン様によーく見せてくださいなぁ?」

一人で手叩きしてパソコンをじーっと覗き込む。が、すぐにあ、と思い出したように体を引いた。

「そうそう。私だって海外語くらい、言えますよ?勿論。لست غبياً لدرجة أنني لا ألاحظ فوهة المسدس الموجهة نحوي.(自分に向けられた銃口に気づかないほど、私は馬鹿じゃない。※アラビア語)」

彼が足を挙げるとともに、銃声がなる。彼の足元に銃弾が打ち込まれた。ニヤつく彼だが、次弾は飛んでこない。彼は銃が来た方向を振り返りながら、少し不満げに首を傾げた。

「Ach, ist es schon vorbei?(おや、もうお終いですか?※ドイツ語)勿体ないですねぇ。まぁ、良いでしょう!そう言う気分もありますから。」

サバランはご機嫌な様子でヘッドホンの位置を調整した。


「……家族にしては大人数すぎる上に、年齢もほぼ同じ…。少人数サークルかなんかか?」

「その状態で、よくそんなことが言えるね。」

フィナンシェがガレット刑事の言葉に言い返す。彼は病院のベットに横たわっていた。患者の衣服を着て、ぐったりとしている。包帯を巻かれていた。ぴっ…ぴっ…と、横にある機械の音が鳴り響く。兄の様子に弟のフロランタンが泣きそうな目になる。

「兄さん…。」

「フロランタン、俺は死ぬわけじゃないぞ。」

全く…とため息を吐く。カヌレが申し訳なさそうにごめん…と頭を下げた。

「私が最初に狙われてたから、なんか巻き添いみたいになっちゃって…。」

「気にするな、もとより刑事の身だ。撃たれることくらい想定している。」

ぶっきらぼうに言うガレット刑事。彼の病室は個室だったが…。静かに全員を見やる。フィナンシェ、マドレーヌ、ポム、カヌレ、フロランタン、ホワイトショコラ(クレールと店主バウムは店があるので店で待機)…。そしてやはり気になってフロランタンに言う。

「やっぱり人数が多過ぎやしないか。」

「…できるだけの人数で見舞いに来てやったのよ。少しは感謝しなさいよ。」

ポムが腕を組み、不満げに見る。彼はその視線を受け止めつつ、不満そうに言う。

「俺は子供じゃないんだぞ。」

「…それより、銃で撃たれたっつーのを聞いたけどよ、一体どこで撃たれたんだよ?詳細聞かせろよ?」

マドレーヌが言うとフィナンシェがその通りだと言った。ガレット刑事はしばらく渋っていたが、仕方なく言い始めた。

「わたあめ通りあたりだ。ノエル達の一件があってからというもの、ドリップ教を少し調べていたんだ。すると署にドリップ教の関係者がいるという電話が入ったらしくてな?その電話が住所を述べていていかにも怪しかったから、住所先に他の警察や刑事を行かせ、俺と同僚のチュロス刑事で電話の発信先へと向かったわけだ。そしてわたあめ通りに差し掛かったところで、撃たれた。方角的には後ろからだ。同僚のチュロス刑事が、俺が撃たれた直後に確認したが、方角方面に銃口は見えなかったらしい。ただ銃弾からしてかなりの遠距離スナイパーであることは間違いない。カヌレを狙ったやつと同じだろう。今回俺にレーザーポインターが当てられていたのかは、誰もわからない。」

ただ一つ気になるのが…と彼は述べた。

「あの時銃声は2発鳴ったんだ。1発は俺が撃たれた時、もう1発は同僚に打たれたのかと思ったが…なぜか同僚は撃たれず、どこに発砲されたのかも分からない。運良く俺は急所を外して、こんなベットさ」

彼の話に、フィナンシェがふむ…と考え込んだ。手を組み、静かに頭の中で整理する。

「同じわたあめ通りに、他の通行人は?」

「いなかった。あそこはただでさえ、人通りが少ないからな。」

今度はカヌレが質問をした。

「じゃあ、銃を撃ってきた人は見てない?同僚がドリップ教と関連があったり?」

その言葉にガレット刑事が静かに顔を横に振る。

「見ていない。同僚の父は神主だ。信仰の違うドリップ教に染まっているとは考えにくい。」

うーん…と言うカヌレの横でポムがそれなら…と呟く。

「銃弾から銃の種類とか、分かったりするんじゃない?」

「ああ、分かるだろうな。今調べている。だが…分かったところで、また狙われると厄介だ。お前達も十分気をつけろ。」

ポムのホワイトショコラが困りましたね…と頷く。

「ああ…困った顔のカヌレさんも可愛らしくて、僕本当に困ってしまいますね…。どうしたら良いのかと思っちゃいます。もし撃たれてこんな刑事みたいにベットに横たわっていたら…と思うと、僕気が気じゃないですね。本当にあの時、カヌレさんが撃たれずに済んで良かったです…。可憐なカヌレさんに銃弾が撃ち込まれるなんて、そんなの僕耐えられませんから…!」

「おい、この惚気のうちの一人をなぜ連れてきた。」

「彼だって心配してきたのよ?」

「これのどこが、心配だって言うんだ。証拠を見せろ。」

ポムの言葉に即座に切り返すガレット刑事。その横でじーっとカヌレを見つめるホワイトショコラと、気まずそうに視線を逸らすカヌレ。フィナンシェがゴホンと咳払いをした。

「とりあえず、ガレット刑事が行くはずだった場所に僕らも行ってみよう。それとチュロス刑事にもできればお会いしたいところだね。」

「チュロス刑事なら、この病院の待合室にいるはずだ。俺の見舞いに来てくれるはずが、お前達のせいであれになったからな。」

そう言って、さっさと帰れと呟く。手でしっしっと追い払う。フィナンシェがその様を見つつ、最後に一つだけと聞いた。

「君はどこに銃弾が?」

その言葉にガレット刑事がものすごくしぶりながら言った。

「尻だ。おかげで、立つのも歩くのも痛い。座ってるのも寝転んでるのも痛い。…おい…お前ら何静かに笑ってるんだ。撃ち込まれた側としては、最悪なんだぞ?とにかく痛くて、身動きなんてほぼ取らない方が、動くより…いくらかマシというほどだ。勘違いするなよ、動くないのが痛くないわけじゃないからな。」

真面目なガレット刑事から飛び出る言葉な、全員が必死に笑いを堪えるハメになった。


待合室では一人の男性がハァ…とため息を吐いていた。悲しそうに俯く彼の元にカヌレ達が近寄った。

「すみません、僕たちは…。」

フィナンシェがあらかた説明する。相手は少し色黒で、黒髪の長髪だった。

「なるほど、ガレット刑事からですか。わかりました。私はチュロスです。初めまして。」

そう言って全員と握手を交わすと、彼はあの時のことですねと言った。少し悔しそうな悲しそうな目をすると、カヌレたちに向かって言う。

「…完全な不意打ちでした。またあと少し先の発信先まで行くはずが…。丁度ガレット刑事がもう少しだと言って、歩き出した途端だったんです。レーザーポインターは見えませんでした。私がそばにいながら…守れなかったのが本当に悔しい思いです。すぐに銃が来た方向を見ましたが、不審なものは何も見えませんでした。ガレット刑事に覆い被さって、次弾が飛んでこないようにしましたが…残念ながら、次弾の音は聞こえてもどこに飛んで行ったのかはわかりませんでした。周囲の地面や壁を見ましたが、どこにも銃弾は見当たりず…。次弾は、私たちを狙ったものではなかったのかもしれません。」

なるほど…とフィナンシェがつぶやいた。ありがとうございますと頭を下げると、全員その場から離れた。


病院の入り口で、ホワイトショコラが申し訳なさそうに言う。

「すみません、とりあえずガレット刑事の見舞いに行けたので…無事を店主バウムとクレールに伝えるためにも、僕はカフェロイヤルに戻ります。お店のこともあるので…本当は皆さんとご一緒できたら良かったのですが…。」

「気にしないで、お店のことがあるんだし…事件のことは、あたしたち専門家に任せといてよ。」

ポムが元気よく言い、マドレーヌもそーだ気にすんなよと便乗する。彼はありがとうございます…!と言いながら、皆さんも気をつけてくださいねと言った。

「皆さんに銃口が向いたら大変ですから…皆さんも気をつけてください。僕も店主バウムやクレールに注意しておきます。カヌレさんもどうかご無事でいてくださいね!いつものカフェで提供できなくなるなんて…僕は耐えられませんっ。カヌレさん、絶対無事でいてくださいねっ!?」

悲痛な面持ちでカヌレの手を取るホワイトショコラ。カヌレがお、おう…と動揺しつつ頷く。彼はタクシーを呼ぶと、それでは!と言ってカフェロイヤルに戻ってしまった。全員で見送った後、今度はフロランタンのスマホが鳴り響いた。

「はいもしもしー。…はいっ…はいっ…すぐ向かいますー。」

フロランタンが電話を終えると、カヌレ達の方に向き直った。

「僕は鑑識の仕事が入ってしまいました…。僕も皆さんと一緒に行動したいのですが、仕事があるので…。僕も仕事で犯人を追います。兄さんを傷つけた相手を許すつもりはありません。犯人を追う同じ志の人間として、それぞれの場所で頑張りましょう。気持ちは一つです!」

弟のフロランタンの言葉に全員が頷く。彼は手を振りながら、徒歩でどこかへ行ってしまった。その背中を見送ると、フィナンシェが言った。

「さて、探偵二人と探偵助手二人だね。…さぁ、事件を解決に導こうじゃないか。」

「もちろんだ!」

カヌレが探偵棒を被り直しながら不敵に微笑んだ。ポムとマドレーヌの二人も不敵に微笑んだ。


読んでいただきありがとうございます!

また投稿遅れてすみません…汗

お詫びに今日もXリンク割愛します!あとガレット刑事の尻が被弾したから許して!(キャラを盾にするなんとサイテーな作者はこちら→割愛します)

次回もよろしく!

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