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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第5章

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90 古代文明の選択

封印制御塔――中央制御室。


都市全体が揺れていた。


終焉存在の触腕が地表を叩き、巨大な衝撃が塔へ伝わる。


ゴゴゴゴゴ……


天井から細かな破片が落ちる。


しかし中央装置は輝き続けていた。


巨大な魔法陣がゆっくりと回転している。


アルトは制御装置の前に立ち、


光の画面を見つめていた。


そこには膨大な古代文明の記録が流れている。


ミラたちは外で戦っている。


ガルドが時間を稼ぎ、


ミラとグランが古代兵器を操り、


レオンが封印理論を解析している。


その間にアルトは


封印装置の核心へ触れていた。


そのとき、


静かな声が響く。


《文明継承者アルト》


世界管理AIだった。


アルトは顔を上げる。


「AI」


《封印装置 起動準備完了》


《しかし最終認証が必要》


アルトが問う。


「最終認証?」


AIは答える。


《古代文明の最終決定》


《その記録を確認しますか》


アルトは迷わなかった。


「見せてくれ」


次の瞬間、


空間に光が広がる。


巨大な映像が現れた。


それは――


古代文明の最後の日だった。


巨大都市の会議室。


空中都市の代表者。


研究者。


軍人。


無数の文明の代表が集まっている。


レオンが言っていた通りだ。


これは


世界文明ネットワークの中央会議。


一人の研究者が立ち上がる。


「終焉存在の侵攻は止まりません」


「兵器でも完全撃退は不可能です」


別の軍人が叫ぶ。


「ならば全兵器を投入しろ!」


「世界を焼き払ってでも倒す!」


会議室は騒然とした。


しかし一人の女性研究者が静かに言う。


「それでは世界が滅びます」


沈黙が落ちる。


彼女は続けた。


「私たちは勝てない」


その言葉に誰も反論できなかった。


終焉存在は


物理法則すら違う存在。


文明の兵器では


完全な撃破はできない。


しばらくの沈黙の後、


議長が言った。


「では選択するしかない」


「文明の未来か」


「世界の未来か」


会議室の空気が凍る。


軍人が低く言った。


「つまり」


「文明を犠牲にするのか」


議長は頷いた。


「そうだ」


「我々は敵を倒すのではない」


彼は静かに言う。


「世界を守る。」


研究者たちが決断する。


巨大封印装置の起動。


世界魔力ネットワークの接続。


文明のエネルギーすべてを


封印へ投入する。


女性研究者が呟いた。


「この装置が動けば」


「文明は消えます」


議長は言う。


「だが」


「世界は残る」


彼は遠くを見る。


「いつか」


「誰かが」


「この封印を守ってくれる」


映像がゆっくりと暗くなる。


最後に映ったのは


都市の人々だった。


研究者たち。


兵士たち。


市民たち。


彼らは空を見上げていた。


巨大封印装置が起動し、


世界が光に包まれる。


そして――


映像は消えた。


制御室に静寂が戻る。


アルトは黙って立っていた。


AIの声が静かに響く。


《古代文明の最終選択》


《敵の撃破ではなく》


《世界の保護》


アルトはゆっくりと息を吐く。


「そうか……」


「そういうことだったのか」


彼は理解した。


古代文明は負けたわけではない。


逃げたわけでもない。


彼らは


未来を守る選択をした。


アルトは拳を握る。


「文明は」


「未来を託したんだ」


AIが答える。


《文明継承者アルト》


《封印装置 最終認証を要求》


外では


終焉存在が都市へ迫っている。


ガルドの叫び声。


砲撃の音。


仲間たちが戦っている。


アルトは装置へ手を伸ばした。


「任せてくれ」


彼の声は静かだった。


「俺たちが」


「この世界を守る」


その瞬間、


封印制御塔が


眩い光を放った。


最終作戦が


動き始める。

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