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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第4章

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74 古代文明の完全記録

帝国軍が撤退した後、都市には静かな風だけが流れていた。


広場には、文明守護者が動きを止めたまま立っている。

巨大な機体は、まるで都市そのものの墓標のようだった。


アルトたちは中央管理塔へ戻っていた。


壊れた柱。

崩れた壁。


だが中央装置はまだ稼働している。


青い光の中に、中央管理AIが浮かんでいた。


アルトは静かに言った。


「帝国軍は退きました」


AIの光がわずかに揺れる。


《確認しました》


少しの沈黙。


そして、AIは続けた。


《文明継承候補者アルト》


《防衛行動への貢献を確認》


ミラが小声で言う。


「なんか評価された…」


アルトはAIを見つめた。


「まだ聞いていないことがあります」


「文明はどうやって戦争を終わらせたんですか?」


AIはゆっくりと答えた。


《最終記録を解放します》


ホールの空間が再び光に包まれる。


巨大な映像が広がった。


それは――


文明最後の日だった。


都市は崩壊寸前だった。


空には黒い異界の影が広がっている。


空中都市が燃え落ちる。


研究施設が崩れる。


ミラが息を呑む。


「こんな……」


アルトは黙って映像を見ていた。


映像の中。


中央研究都市の会議室。


そこには数十人の研究者が集まっていた。


疲れ切った顔。


傷ついた白衣。


誰もが限界だった。


一人の研究者が言う。


「防衛線は崩壊しました」


別の研究者が続く。


「異界侵入は止まりません」


会議室に沈黙が落ちる。


やがて、年老いた女性研究者が立ち上がった。


その目には、覚悟があった。


「……決断の時です」


映像の研究者たちは顔を上げる。


彼女は静かに言った。


「世界管理装置を完全起動します」


一人の若い研究者が叫ぶ。


「ですがそれをやれば!」


「文明ネットワークは崩壊します!」


女性研究者は頷いた。


「ええ」


「私たちは消えます」


ホールに静寂が広がる。


ミラが小さく言う。


「……そんな」


研究者たちは互いに顔を見合わせる。


誰もが理解していた。


それが最後の選択だと。


やがて一人の研究者が言った。


「文明を守ることはできない」


「でも」


彼は拳を握る。


「世界は守れる」


別の研究者が頷く。


「未来の生命のために」


年老いた女性研究者は、ゆっくりと宣言した。


「世界封印計画を実行します」


映像が変わる。


都市地下の巨大装置。


世界管理装置が起動している。


巨大な結晶体が光り始める。


エネルギー塔が一斉に光を放つ。


世界中の都市から、光が空へ伸びていく。


アルトは息を呑んだ。


「ネットワーク……」


AIの声が重なる。


《世界封印プロトコル》


映像の中で研究者たちは、装置を見上げていた。


誰も逃げない。


誰も後悔していない。


女性研究者が最後に言った。


「未来へ」


次の瞬間。


世界が光に包まれた。


巨大な魔力バリアが広がる。


空間そのものが閉じていく。


異界の影が、世界の外側へ押し出される。


だが同時に――


都市の光が消えていく。


エネルギー塔が停止する。


空中都市が落ちる。


文明ネットワークが完全に崩壊した。


ミラが呟いた。


「文明が……」


アルトが続ける。


「消えた」


AIの声が静かに言う。


《文明は消滅しました》


映像はゆっくりと暗転する。


最後に映ったのは、静かに光を失う中央研究都市だった。


ホールに再び静寂が戻る。


アルトはゆっくりと息を吐いた。


「世界を守るために……」


レオンが低く言う。


「自分たちの文明を捨てた」


誰も言葉を続けられなかった。


その決断の重さを、全員が感じていた。


だがAIは、まだ話を終えていなかった。


青い光が静かに揺れる。


《しかし》


アルトが顔を上げる。


AIは続けた。


《世界封印は永遠ではありません》


その言葉は、次の真実を予感させていた。

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