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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第3章

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43 遺跡争奪戦開始

北の山脈のふもと。


かつては静かな谷だったその場所は、今や巨大な野営地へと変わっていた。


山道の入口には無数のテント。

荷車、武器庫、見張り台。

そして、行き交う多くの人影。


ミラが周囲を見回して言った。


「……これ、遺跡の調査って雰囲気じゃないね」


ガルドが苦笑する。


「戦場の前線基地だな」


アルトたちが到着した時、谷にはすでに三つの勢力が集まっていた。


一つは、黒い旗を掲げた帝国軍。


整然と並ぶ兵士たちと、重装備の騎士団。

魔導兵器を積んだ荷車が並び、完全な軍事拠点を作っている。


二つ目は、アルトたちが属する王国調査隊。


学者、騎士、魔法使いが協力し、遺跡調査の準備を進めていた。


そして三つ目――


正規の軍でも研究隊でもない者たち。


荒くれ者の冒険者。

宝目当ての探索者。

裏社会の盗掘団。


ミラが小声で言う。


「怪しい人だらけ」


グランが頷いた。


「独立探索者だ」


「宝を狙って集まってきたんだろう」


その中には、アルトが見覚えのある顔もあった。


「……あれ」


ミラが指をさす。


黒いマントを着た男たち。


粗暴な笑い声。


ガルドが目を細める。


「盗掘団か」


第1章で戦った連中だ。


どうやら彼らも、この巨大遺跡の噂を聞きつけてきたらしい。


その時、王国調査隊の本部テントからリシアが出てきた。


「アルト」


彼女は真剣な表情だった。


「状況を説明します」


テントの中には、簡易の地図が広げられていた。


中央には山脈の遺跡入口。


その周囲に、三つの勢力の位置が描かれている。


リシアが言った。


「帝国軍はすでに遺跡入口を偵察しています」


「我々も明日から本格調査を開始する予定です」


アルトは地図を見る。


「盗掘団は?」


リシアはため息をついた。


「勝手に潜ろうとしている」


「そして独立探索者たちも同じです」


ガルドが笑った。


「つまり」


「早い者勝ちってことか」


リシアは首を振る。


「問題はそれだけではありません」


彼女は低い声で言った。


「帝国は古代兵器を狙っています」


アルトの表情が引き締まる。


地下都市で見た巨大兵器が頭に浮かぶ。


もし帝国がそれを手に入れれば――


リシアが続ける。


「王国としては、それを阻止する必要があります」


ミラがぽつりと言う。


「もう完全に政治の話だね」


アルトは静かに頷いた。


「ええ」


「遺跡調査は……」


少し苦い顔をする。


「もう純粋な研究ではありません」


外では、帝国軍の兵士たちが武器の整備をしていた。


別の場所では、盗掘団が酒を飲みながら笑っている。


そして王国調査隊は、地図と古文書を広げて作戦を立てていた。


同じ遺跡を目指して――


それぞれの思惑がぶつかっている。


グランが低く言う。


「これは荒れるぞ」


アルトは山の方を見た。


遺跡の入口は、あの山の奥にある。


古代文明の秘密が眠る場所。


しかし今、その場所は――


国家、盗掘団、探索者が争う

巨大な争奪戦の舞台になろうとしていた。


ミラが小さく言う。


「始まるね」


アルトは静かに答えた。


「ええ」


「遺跡争奪戦が」


その夜。


谷の上には、不穏な静けさが広がっていた。

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