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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第2章

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21 古代都市の噂

山道は険しく、空気はひんやりとしていた。


北の山脈へ向かう街道を、アルトたちはゆっくりと歩いていた。


道の両側には深い森が広がり、遠くには灰色の山々が連なっている。


ミラが肩を回しながら言った。


「しかしさ」


「また山なの?」


ガルドが笑う。


「遺跡は大体こういう場所にある」


「人が近づかないからな」


アルトは地図を見ながら歩いていた。


頭の中では、あの遺跡で見た光の地図が何度も再生されている。


世界中に散らばる古代施設。


まだ誰も知らない場所。


アルトの胸は期待でいっぱいだった。


その時、前方に小さな山村が見えてきた。


石造りの家が並ぶ、静かな集落だ。


旅人が立ち寄る宿と酒場があるらしい。


ミラが嬉しそうに言う。


「今日はここで休もう」


「さすがに疲れた」


ガルドも頷く。


「情報も集まるだろう」


一行は村の酒場に入った。


木の扉を開けると、暖炉の火が揺れている。


中では山仕事の男たちが酒を飲みながら話していた。


アルトたちは隅の席に座る。


すると、隣の席の男たちの会話が耳に入った。


「聞いたか?」


「また消えたらしいぞ」


別の男がため息をつく。


「ああ……例の場所だろ」


アルトの耳がぴくりと動く。


ミラも興味を持ったようだった。


「例の場所?」


男は声を潜める。


「北の山の奥さ」


「地下都市の遺跡」


アルトの心臓が跳ねた。


ガルドが酒を置く。


「地下都市?」


男は頷く。


「山の奥に石の入口がある」


「昔からあるらしい」


「だが――」


彼は顔をしかめた。


「入った連中はほとんど戻らない」


酒場の空気が少し重くなる。


別の男が言った。


「探索者も何人も行った」


「宝が眠ってるって話だからな」


「でもな……」


男は指を三本立てる。


「三つの隊が消えた」


ミラが小声で呟く。


「それ、完全に危険な遺跡じゃん」


男たちはさらに話す。


「中は迷路みたいらしい」


「罠も多い」


「化け物も出る」


アルトは静かに立ち上がった。


男たちの席へ歩いていく。


「すみません」


男たちは振り向いた。


アルトは丁寧に頭を下げる。


「その地下都市の話」


「詳しく教えていただけませんか?」


男たちは顔を見合わせる。


一人が言った。


「お前……探索者か?」


アルトは首を振った。


「考古学者です」


「古代文明の遺跡を調べています」


男は驚いた顔をする。


「学者?」


もう一人が笑う。


「それなら止めとけ」


「命が惜しいならな」


しかしアルトは真剣な目をしていた。


「入口はどこですか?」


男はしばらく黙っていたが、やがてため息をついた。


「北の山を三日ほど登る」


「崖の下に石の門がある」


「それが入口だ」


アルトの胸が高鳴る。


地下都市。


迷宮。


失われた文明。


それは考古学者にとって――


最高の発見の可能性だった。


アルトは席に戻る。


ミラがニヤリとする。


「顔に書いてある」


ガルドも笑った。


「行くんだろ?」


アルトは静かに頷く。


「はい」


「間違いありません」


彼は地図を広げる。


「そこは古代都市の遺跡です」


エリシアが呟く。


「都市……」


アルトは確信していた。


これまでの遺跡は研究施設だった。


だが――


都市が存在したなら。


そこには文明の中心がある。


アルトは静かに言った。


「行きましょう」


「古代都市へ」


北の山脈の奥。


まだ誰も解き明かしていない遺跡が――


そこに眠っている。

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