表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

⓪-3 アウローラ

 ラーレが暮らしている拠点は、アウローラと呼ばれている。

 アウローラの拠点はコンクリート造りで、戦災孤児や訳あって軍を抜けた人々で構成されている。戦場に駆り出される傭兵団。ラーレはそう解釈していた。


 そんな拠点の中の一室、レイスの部屋には必要最低限のものしか置かれていない。窓一つない部屋の一角に、一つの写真立てが置かれている。ラーレとレイス、そして初老の男性が映っていた。

 初老の男性は、二人が所属しているこの拠点の所長である。ラーレにとっては父親代わりだ。所長は先日殺されてしまった。撃った相手は、眼帯をしている男であったというが、噂の域を出ない。自然と指に力が入り、ラーレは口元を歪ませた。


 自分にも誰かを守れる力さえあれば、そう何度も悔やんだ。


 レイスはぼんやりと写真立てを見つめているラーレに気付いた。今のままでは、レイスにただ守られるだけの弱者になってしまう。


 それが堪らなく、憎い。


「写真、ラーレにあげましょうか?」

「……ううん、レイスが持っていて」


 所長はラーレに優しく、父親の代わりだった。レイスは苦笑いを浮かべると、前髪をふわりと耳にかけた。毛先の跳ねたラーレの髪と違い、レイスの髪は短いストレートだ。所長が殺された日に、レイスはその長い髪を切ってしまった。


 静かすぎる日常だった。

 拠点にけたたましく警報が鳴りだしたのは、それからすぐのことだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ