65話 来訪者
昨夜は、戻ってきた冒険者たちと情報交換をしていた。
村の変化。
町での報告。
話は尽きず、気が付けば夜は更けていた。
久しぶりに、賑やかな時間だった。
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朝。
静かな村。
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「……誰か来てる」
ミーナがぽつりと言う。
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その一言で、空気が変わる。
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アリアがすぐに反応する。
「気配?」
「うん」
ミーナは森の方を見る。
「複数」
「でも、昨日までと違う」
ユウも視線を向ける。
「……敵意は?」
「ないと思う」
少し考えてから答える。
「怖くない」
アリアが小さく頷く。
「なら人か」
エリシアが一歩前に出る。
「対応します」
「頼む」
ユウが短く言う。
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村の入口。
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数人の人影。
その中の一人が前に出る。
「ここが……報告にあった場所か」
周囲を見ている。
明らかに、予想と違う顔だ。
「……おい」
後ろの男が小声で言う。
「もっと粗末な拠点じゃなかったのか?」
「そのはずだ」
だが。
目の前にあるのは――
整った村。
道。
水。
家。
「……なんだ、これ」
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エリシアが前に出る。
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「ようこそ」
落ち着いた声。
「ご用件をお伺いします」
男は少しだけ姿勢を正す。
「冒険者ギルドの者です」
「今回の件で話を聞きに来ました」
後ろで、ガイアが小さく笑う。
「来たか」
カイルがニヤつく。
「そりゃこうなるわな」
ギルドの男がガイアを見る。
「あなた方の報告です」
「正確でしたが――」
視線が村へ向く。
「想定以上です」
正直な言葉だった。
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エリシアが頷く。
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「現在、整備中です」
「受け入れも想定しています」
男が少しだけ目を細める。
「……なるほど」
一度、周囲を見渡す。
確認するように。
「それで、本題ですが」
空気が少し締まる。
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「ここに」
一拍。
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「出張所を設置したい」
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ミーナが目を丸くする。
「出張所?」
アリアが小さく呟く。
「早いね」
ガイアが笑う。
「だろうな」
「こうなると思ってた」
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エリシアが静かに聞く。
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「理由をお聞きしても?」
男は即答する。
「異常発生地域に近い」
「素材が豊富」
「拠点として成立している」
一つ一つ、的確だった。
「そして何より――」
村を見る。
「人が集まる場所になる」
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静かな確信。
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ユウは少し離れた場所で聞いていた。
(……来たな)
想定通り。
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エリシアが振り返る。
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「どうしますか?」
ユウを見る。
判断を求める視線。
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少しだけ考える。
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メリット。
管理。
リスク。
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そして。
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「問題ない」
短く答える。
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エリシアが頷く。
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「受け入れます」
男が小さく息を吐く。
「助かります」
ガイアが笑う。
「これで完全に拠点だな」
カイルが肩をすくめる。
「もう村ってレベルじゃねえな」
ダンも頷く。
「人、一気に増えそうだ」
レナが静かに言う。
「管理が重要になる」
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ミーナが嬉しそうに言う。
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「にぎやかになるね!」
エリシアが静かに続ける。
「準備は進めます」
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風が吹く。
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静かだった村に、
新しい流れが入る。
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ユウは空を見る。
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(……一気に来るな)
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だが。
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「……悪くない」
小さく呟いた。




