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64話 帰還

昼。


村は、静かだった。



風が通る。


整えられた道。


流れる水。


人は少ない。


だが――


「……落ち着くな」


ユウが言う。


「うん」


ミーナが頷く。


「前より好き」


アリアも周囲を見る。


「無駄がないね」


エリシアが小さく頷く。


「管理しやすい形です」


それぞれが、今の状態を受け入れていた。



その時。



「……来たな」


ユウが呟く。


アリアがすぐに反応する。


「気配?」


「ああ」


森の方を見る。


複数。


見慣れた気配。


ミーナが目を輝かせる。


「もしかして!」



次の瞬間。



「おーい!」


聞き慣れた声。


カイルだった。


その後ろから、ガイアたちが姿を現す。


「戻ったぞ」


ガイアが言う。


「ああ」


ユウが短く返す。


それだけで十分だった。



冒険者たちは足を止める。



そして。


周囲を見る。



「……は?」


カイルが固まる。


「いや、ちょっと待て」


「何これ」


ダンも目を見開く。


「道できてるぞ」


レナが静かに言う。


「水も……流れてる」


ガイアは村全体を見る。


ゆっくりと。


「……数日、だよな?」


アリアが軽く笑う。


「まあね」


「ちょっと頑張った」


「ちょっとじゃねえだろ」


カイルが即座に返す。


ミーナが胸を張る。


「すごいでしょ!」


「いや、すごいけどよ……」


言葉が追いついていない。



エリシアが一歩出る。



「おかえりなさい」


落ち着いた声。


「受け入れ準備は整っています」


ガイアが苦笑する。


「……それ、マジで言ってるか?」


「事実です」


即答だった。



少しの沈黙。



そして。


ガイアが笑う。


「……いいな、ここ」


カイルも頷く。


「帰ってきた感じするわ」


ダンが周囲を見る。


「前より全然いい」


レナも短く言う。


「拠点として完成度が上がってる」



ユウはそれを聞いて、小さく息を吐く。



(……問題なさそうだな)



ガイアがユウを見る。



「報告はしてきた」


「内容は広まる」


「……だろうな」


ユウは頷く。


「人、来るぞ」


ガイアが言う。


「間違いなくな」


アリアが小さく笑う。


「だろうね」



ミーナが嬉しそうに言う。



「いっぱい来るね!」


エリシアが静かに続ける。


「対応、必要になりますね」



ユウは村を見る。



整った場所。


増える前提の空間。


(……準備はできてる)



「受け入れる」


短く言う。



風が吹く。



静かだった村に、


また人の気配が戻る。



そして。



ここから――


さらに増えていく。



「……忙しくなるな」


ユウの呟きは、


どこか楽しそうだった。

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