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63話 整う

数日後。


村は、見違えていた。



道ができた。


土のままだった地面は踏み固められ、


移動しやすくなっている。



水が流れている。


井戸から引いた水路が、畑と生活圏を繋いでいた。



食料も安定した。


簡易の保冷庫。


保存できる量が増え、余裕が生まれている。



静かに。


だが確実に。


“生活”が形になっていた。



「……一気に変わりましたね」


エリシアが周囲を見ながら言う。


「ああ」


ユウは短く答える。


アリアも頷く。


「ちゃんと“村”になってきた」


ミーナがくるくると辺りを見回す。


「すごい!」


「住みやすい!」


素直な感想。


それが一番分かりやすい。



エリシアが続ける。



「これなら、受け入れも問題ありませんね」


「住居、動線、水……」


「一通りは整っています」


淡々とした確認。


だが、内容は重い。


「さすがね」


アリアが軽く言う。


「見るとこちゃんと見てる」


「当然です」


エリシアは静かに返す。


「崩れてからでは遅いので」



ユウは村を見る。



人がいて。


場所があって。


回っている。


(……形になったな)



アリアがふと呟く。



「これさ」


「人が増えても大丈夫ね」


ユウは少しだけ考えて――


「ああ」


頷いた。



ミーナが笑う。


「いっぱい来るかな?」


「来るだろうな」


アリアも同意する。


「環境いいし」


「安全だし」


「発展してる」


「来ない理由がない」



エリシアが静かに言う。



「その場合、役割分担も必要になりますね」


「管理も、拡張も」


「……忙しくなるな」


ユウが呟く。


「ですが」


エリシアは少しだけ柔らかくなる。


「悪くありません」



風が吹く。



静かな村。



だが。


もう“止まっている場所”じゃない。



「……次だな」


ユウが呟く。



村は、待つ場所じゃない。



人が集まる場所へと、変わっていく。

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