24話 森を調べに来た者たち
夜。
森はすっかり暗くなっていた。
拠点の家の中では、ティアナがスープを温めている。
いい匂いが部屋に広がっていた。
その頃。
助けた男――リックは、ベッドの上で体を起こしていた。
その周りに三人の冒険者が集まっている。
「無事でよかった」
鎧の男がそう言うと、リックが苦笑した。
「本当に死ぬかと思った」
俺たちの方を見て言う。
「この人たちが助けてくれたんだ」
鎧の男がこちらを向いた。
「そうだったな」
軽く頭を下げる。
「改めて礼を言う」
「俺はガイア。剣士だ」
ローブの女性が続く。
「私はレナ。魔法使いよ」
最後に、小柄な男が軽く手を上げた。
「カイル。斥候やってる」
アリアが腕を組む。
「四人パーティってわけね」
ガイアがうなずく。
「そうだ」
「リックは盾役だ」
ベッドの上のリックが苦笑する。
「今回は役に立たなかったけどな」
そのとき。
ティアナが声をかけた。
「怪我人は安静」
リックが肩をすくめる。
「はいはい」
少し空気が和らぐ。
するとティアナが言った。
「それより」
にっこり笑う。
「温泉入ってきたら?」
三人が同時に聞き返す。
「温泉?」
アリアが笑う。
「この拠点、温泉あるのよ」
ガイアがぽかんとする。
「森の奥に?」
カイルが吹き出す。
「そんな馬鹿な」
レナが言う。
「……行ってみたい」
結局――
三人とも温泉に向かった。
そして今。
「はぁぁぁ……」
ガイアが大きく息を吐いた。
湯気の立つ温泉。
「最高だ……」
カイルも肩まで浸かる。
「信じられないな」
「森の探索に来て温泉だぞ」
レナも静かに湯に浸かる。
「本当に贅沢ね」
ガイアが言う。
「それにしても……」
「この場所すごいな」
柵。
畑。
井戸。
家。
カイルが笑う。
「普通に村できそうじゃないか」
レナもうなずく。
「環境はかなりいいわ」
ガイアが腕を組む。
「ギルドが知ったら驚くぞ」
そして思い出したように言う。
「そういや森の件」
カイルが言った。
「魔物増えてるやつ?」
ガイアはうなずく。
「それだけじゃない」
少し声を落とす。
「この森の奥」
「何かあるかもしれないって話だ」
レナが言う。
「魔力が少し濃い気がするのよね」
カイルが森の奥を見る。
「だから調査に来たわけだ」
湯気の向こう。
静かな森。
だがその奥には――
まだ誰も知らない何かが眠っている。
その頃。
家の中では。
ユウたちが夕食の準備をしていた。
迷い霧の森の奥。
小さな拠点。
だがここは今――
少しずつ人が集まり始めていた。




