21話 森の探索
「じゃあ、行くわよ」
アリアが剣を腰に差し、扉を開けた。
外はすっかり夕方だった。
森の中は少し暗い。
ミーナが耳をぴくぴく動かしている。
「……こっち」
小さく森の奥を指さした。
アリアがうなずく。
「先導お願いできる?」
ミーナは少し緊張しながらもうなずいた。
「……はい」
俺たちは柵を出て、森へ入る。
ティアナは家に残った。
「怪我人もいるしね」
そう言って男の看病をしてくれている。
歩きながら、アリアが小声で聞いてきた。
「ミーナ、本当に分かるの?」
ミーナはうなずく。
「……人の匂い」
「それと……音」
俺は少し感心した。
獣人ってすごいな。
森の中は静かだった。
風で木が揺れる音。
鳥の鳴き声。
落ち葉を踏む足音。
その中で、ミーナは迷わず進んでいく。
しばらく歩いた頃。
ミーナが急に止まった。
「……近い」
アリアが剣の柄に手を置く。
「人?」
ミーナはうなずく。
「……でも」
少し不安そうな顔。
「魔物もいる」
その瞬間。
ガサッ!
茂みが揺れた。
アリアがすぐ前に出る。
「下がって」
次の瞬間――
森から飛び出してきた。
ウルフ。
一匹。
二匹。
三匹。
アリアが舌打ちする。
「やっぱり増えてる」
俺は周囲を見る。
ウルフは俺たちを囲むように広がった。
そのとき。
奥の方から声がした。
「くそっ!」
「まだ追ってきてるのか!」
人の声だ。
そして木の向こうから、三人の人影が飛び出してきた。
鎧の男。
ローブの女性。
そしてもう一人、小柄な影。
「人!?」
三人がこちらに気づく。
その瞬間。
ウルフが一斉に動いた。
アリアが剣を抜く。
「来るわよ!」
森の中。
冒険者たちとウルフ。
そして俺たち。
戦いが始まろうとしていた。




