表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/74

18話 森の来訪者

静かな森。


その奥から――


「人の気配」


アリアの言葉に、全員が顔を上げた。


「この森に?」


俺が聞く。


アリアはうなずいた。


「間違いない」


「しかも近い」


ミーナの耳もぴくりと動く。


「……います」


森の奥を見る。


「二人……?」


アリアは剣に手を置いた。


「様子を見てくる」


俺も立ち上がる。


「俺も行く」


エリシアが心配そうに言う。


「気をつけてください」


ミーナも小さく言った。


「……危ないかも」


俺とアリアは森へ入った。


木々の間を進む。


しばらくすると――


「……あれ」


人影が見えた。


一人が地面に倒れている。


もう一人が必死に手当てをしていた。


近づく。


するとその人物が振り向いた。


長い耳。


銀色の髪。


緑の瞳。


エルフの女性。


そして――


アリアが目を見開いた。


「……ティアナ!?」


エルフの女性も驚く。


「アリア!?」


二人とも一瞬固まる。


俺は少し驚いた。


「知り合い?」


アリアがすぐ言う。


「町の薬師よ」


そうだ。


ミーナの傷を治してくれたエルフ。


ティアナも俺を見て気づいた。


「あ……」


「あなた……ミーナちゃんと一緒にいた人」


俺はうなずく。


「そう」


ティアナは少し安心した顔をした。


だがすぐ焦った声になる。


「お願い!」


「助けて!」


倒れている人物を指差す。


そこには――


傷だらけの男が倒れていた。


血がにじんでいる。


アリアがすぐ膝をつく。


「魔物?」


ティアナはうなずいた。


「フォレストウルフ」


「なんとか追い払ったけど……」


俺が言う。


「拠点がある」


「ここから近い」


アリアも言った。


「森の奥に家がある」


ティアナが驚く。


「家?」


だが今は説明している場合ではない。


俺は男を担ぐ。


「行こう」


俺たちは急いで森を戻った。


そして拠点へ。


柵。


畑。


井戸。


そして家。


ティアナは目を丸くした。


「本当に……」


「森の奥に家が……」


ミーナとエリシアが外に出てきた。


ミーナが声を上げる。


「……ティアナさん」


ティアナも驚く。


「ミーナちゃん!?」


エリシアが言う。


「怪我人ですか!?」


俺は家の中に運ぶ。


ティアナはすぐ治療を始めた。


傷を洗い。


薬を塗り。


包帯を巻く。


しばらくして。


男の呼吸が落ち着いた。


ティアナはほっと息をつく。


「……大丈夫」


アリアが聞いた。


「何があったの?」


ティアナは少し困った顔をする。


「それが……」


森の奥を見る。


「この森」


「最近、魔物が増えてるの」


迷い霧の森。


静かなはずの場所。


だが今。


何かが起き始めているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ