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12話 小さな家の新しい住人

森の奥。


開けた場所に建つ一軒の家。


俺は扉を開けた。


「ようこそ」


「俺の家へ」


ミーナとエリシアは少し緊張した様子で中に入る。


家の中はそれほど広くない。


木の床。


小さなテーブル。


椅子が数脚。


奥には簡単なキッチン。


そして二つの部屋。


エリシアが周囲を見回す。


「……とても綺麗ですね」


ミーナも小さくうなずく。


「はい……」


アリアが壁を軽く叩く。


「ちゃんとした家ね」


アリアはため息をついた。


「…見て触っても納得できないわね」


そのとき。


ミーナが空中を見ていた。


正確には――


リリィ。


ふわふわと浮いている小さな精霊。


ミーナは小さく声を出した。


「……精霊さま」


リリィがくるりと回る。


「リリィよ」


「あなたミーナでしょ?」


ミーナは目を丸くした。


「名前……」


「さっき聞いたもの」


ミーナはしばらくリリィを見つめていた。


そして小さく頭を下げる。


「よろしく……お願いします」


リリィは嬉しそうに笑う。


「いい子ね」


エリシアは不思議そうに見ている。


「……誰と話してるの?」


ミーナは慌てて口を閉じた。


俺は苦笑する。


「そのうち説明するよ」


家の中は少し静かだった。


そして俺は気づく。


「……狭いな」


全員がうなずいた。


今この家には


アリア

エリシア

ミーナ


そしてリリィ。


さすがに小さい。


アリアが言う。


「寝る場所どうするの?」


エリシアが遠慮がちに言った。


「私は床でも大丈夫です」


ミーナも慌てて言う。


「わ、私も……」


俺は首を振る。


「いや、それはダメだろ」


アリアがにやっと笑う。


「出番じゃない?」


俺は苦笑した。


「まあな」


手を前に出す。


「クリエイトブック」


ふわりと光が集まり――


一冊の本が現れた。


エリシアとミーナが目を丸くする。


「……え?」


「本が……」


俺は本を開き、ペンを持った。


そして書く。


『家の横に小さな部屋を一つ増やす』


文字が淡く光る。


その瞬間――


ゴゴッ……


外から音がした。


全員が振り向く。


「今の音……?」


俺は扉を開けた。


家の横を見る。


そこには――


新しい小部屋が出来ていた。


ミーナがぽかんと口を開ける。


「……増えた」


エリシアも信じられない顔をしている。


「い、今……一瞬で……?」


俺は頭をかいた。


「まあ……」


「俺のスキルだ」


二人が同時に俺を見る。


アリアが肩をすくめた。


「昨日聞いたのよ」


「ユウの能力」


エリシアが聞く。


「能力……?」


俺は本を軽く持ち上げた。


「クリエイトブックってスキルで」


「この本に書いたことが現実になる」


エリシアが固まる。


ミーナも固まる。


数秒後。


エリシアが小さくつぶやいた。


「……とんでもない能力ですね」


ミーナも小さくうなずく。


「……すごい」


アリアは額に手を当てた。


「ほんとチートよね」


俺は苦笑する。


「まあ、便利なのは確かだな」


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