『ラベリング』
同時刻にYouTubeにて、2人が演奏している楽曲をイメージしたものをアップロードしました。
下記より聞けますので良ければ聴いてみてください。
https://youtu.be/1cn_fhW77R8
「——『ラベリング』」
イントロが始まる。
一番は俺が歌う番だ。もう一度息を吸った。
「——街で聞こえた流行りの歌が歌っていたんだ
「やまない雨はないよ」
なら「死」に果てはあるだろうか
社会に穿たれた心臓が天に手をかけぶら下がってる
「もう逝こうぜ」「もう無駄だって」
そう雨に溶けてく匂いがした
君の声を聞いてまだ少しだけ
自分が生きてるって気がついたよ
「もういらない!」って投げ捨てた
未来を君が拾ったから 歩くしかなくなった
それに恋って名を付けよう
ノート端の落書きを キャンバス上に書き換えて
もう一度生まれてみるから
今度はちゃんと見ていてくれ——」
2番に入る。次は愛歌が歌い始めた。
「——誰かが決めたタイトルをなぞることに慣れていた
この惑星の理想形 割れた鏡を眺めていた
凍りついた足で どこか冷たさを感じていた
言の葉の水槽の中 息をするのも忘れていた
白い息に震え君のぬくもりに触れて
願いの形やっと見つけたんだ
君の歌に手を引かれ 静かに凪ぐ空の下
どこにでもある日常
それに青春って名を付けよう
神様すら解き明かせない偶然と呼ばれる数式を
解せなくたっていい
引き出しの中に記録しておこう——」
ここからは、同時に歌を歌っていく。
「——「もう大丈夫」なんて言えない
そんな現代を飲み干し歩いているから
今この瞬間にも 名前を付けて
思い出せるよう心にしまっておこう——」
そこから俺のギターソロに入った。
今回のライブでの一番の難所。早弾きやタッピングを繰り返しながら音が上に駆け上がり、最高潮に達する。
「——「もういらない!」 投げ捨てた
明日に君がいて欲しいって願った
全部全部歌にして
それに愛って名を付けよう
光の差す向きを変えても
世界は同じ色のまま
でも心の奥で少し息をした気がした
傷は消えない痛みも癒えない
そんな空の下歌って征く
それを恋とも青春とも呼ばず
僕らは今日を生き抜いていく——」
俺と愛歌で叫ぶように歌い上げ、アウトロまでも一音残さず、全力で弾ききった。
最後の一音が、講堂の天井に吸い込まれていく。
——一瞬、誰も息をしなかった。
「「ありがとうございました!」」
愛歌と二人でそう言うと、歓声が起こった。
そんな中ライブは幕を閉じた。




