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青春の被害者たちのラブソング  作者: 竹湧綺 / Take You-ki
第四楽章:デュオが声を焦がすまで
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報告

「え、曲ができた!? 本当に!?」

 事件の翌週の金曜日、真夏が驚いたように聞き返してきた。

「まあな。俺たち、ここ一週間、謹慎で暇だったし時間はあったからさ。割と愛歌の力も借りちゃったけど」

「ううん。テーマ自体を考えたのは白だから。私は私の言葉を貸しただけだよ」

 愛歌と目があって、少し微笑んだ。

「……」

 真夏がニヤニヤと、俺と愛歌の顔を見てくる。

「なんだよ」

「いや、完全に仲直りしたみたいで良かったなって。暴力事件で謹慎処分って聞いた時はどうなることかと思ったけど」

 真夏が笑いまじりに、安心したというように言った。

「仲直りって、喧嘩なんかしてないぞ」

「そうだね。ごめんごめん」

 とはいえ、真夏にも感謝しないとな。

 愛歌から聞いた話だが、俺と愛歌がギクシャクしてる時、間を取り持つよう動いてくれてたみたいだから。実際、助かったし。

「おい! 早く聞かせろって!」

 陽に急かされ、二人に出来上がったデモを聴かせた。

「うお、すげ! プロの曲みてえ!」

 いや、さすがにそれは言い過ぎだろ。

「真夏は?」

「うん。白らしくていいんじゃないかな。ライブでも映えそうだし」

 お世辞かもしれないけど、それでもそう言ってもらえて良かったと胸を撫で下ろす。

「悪いな、時間かかっちゃって。あと二週間しかない」

「十分だよ。そのために練習してきたんだから」

「そうだぞ!」

 ……少しほっとした。

 俺たちは、その曲の練習に取り掛かった。


 *


 次の月曜日。愛歌が学校に行っている間、一時的に家へ戻った。

 この曜日、この時間は母親がパートに出ていて家にいないはずだ。先に中に入り、母さんが帰ってくるのを待っていた。

「おかえり」

 扉が開いたので、そちらを向いた。

「白……?」

「うん、ちょっと話したいことがあって」

 そう言って、真夏と愛歌が作ったチラシを見せた。

「言ってなかったけど、文化祭でバンドやるんだ。最後の枠。前から帰ってくるの遅かったり、週末家に帰らなかったのはそれが理由」

 そして要件を伝えた。

「……そう……」

「……」

「……」

 表を車が通りすぎた音が聞こえた。

「別に来てもいいし、来なくてもいいよ。念のため、教えておいただけだから」

 そう言って立ち上がった。

「じゃあ、俺はいくよ」

「どこに?」

「その友達ん家。文化祭が終わるまでは帰ってこないから」

「そう。わかった。じゃあね」

「ん」

 俺は家のドアを閉めた。その音が小さく響いた。

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