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~追放された最弱鑑定士、実は世界を書き換えるスキルでした~  作者: ニルム
「世界を書き換える鑑定士」

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9/10

第九話 ~初めての勧誘~

第9話を読んでいただきありがとうございます!

今回はレインが初めて冒険者として認められる回です。

ですが、新たな出会いは良いものばかりではありません。

ギルドを出ようとした、その時だった。

「君がレイン君か?」

 低く落ち着いた声が聞こえた。

 振り返ると、一人の青年が立っていた。

 年齢は二十代前半ほど。

 黒い軽鎧を身に着け、腰には一本の長剣を下げている。

 胸には銀色の冒険者バッジ。

「僕はカイル。」

「Cランクパーティー《白狼》のリーダーだ。」

「Cランク……。」

 レインは思わず息をのむ。

 村では会うことすらなかった上級冒険者だ。

「少し話をしないか?」

 ギルドの隅にあるテーブルへ案内される。

 カイルはレインを見つめながら口を開いた。

「薬草採取で特上品質を大量に納品したそうだね。」

「はい。」

「運だけじゃ、あんな結果にはならない。」

「君には何か特別な才能がある。」

 レインは返事に困った。

 《世界改変》のことは話せない。

「そこで相談なんだけど。」

 カイルは笑みを浮かべた。

「僕たちのパーティーに入らないか?」

「え?」

 突然の誘いだった。

「新人としては破格の条件を約束する。」

「依頼の報酬も公平に分ける。」

「育成にも協力しよう。」

 魅力的な話だった。

 だが、その時。

「悪いけど、その子はまだ新人よ。」

 聞き覚えのある声が響く。

 フィアだった。

 《蒼き風》の仲間たちも一緒だ。

「焦って決める必要はないわ。」

 フィアはレインの隣へ立つ。

「もっと色々な経験を積んで、自分で決めればいい。」

 カイルは苦笑した。

「確かに、その通りだ。」

「すまない。」

「少し急ぎすぎたね。」

 そう言って席を立つ。

「でも、気が変わったらいつでも来てくれ。」

 テーブルに一枚のカードを置き、去っていった。

「人気者になったわね。」

 フィアが笑う。

「そんなことありませんよ。」

 レインは照れくさそうに頭をかく。

「まだ一つ依頼を成功させただけです。」

「その一つが普通じゃないの。」

 フィアは真剣な表情になる。

「あなたは自分で思っている以上に目立っている。」

「だから……。」

 一瞬だけ言葉を止める。

「簡単に人を信用しちゃ駄目。」

「はい。」

 レインは素直にうなずいた。

 その頃。

 王都の地下。

 松明だけが照らす暗い部屋。

 黒いローブの男が再び報告を行っていた。

「例の少年ですが。」

「Cランクパーティーから勧誘を受けました。」

 玉座のような椅子に座る人物は静かに笑う。

「順調だな。」

「監視は続けています。」

「能力の詳細は、まだ判明しておりません。」

「分かっているのは……。」

「物や生物に何らかの"改変"を行えるということだけです。」

 部屋は静まり返る。

「それで十分だ。」

 男は小さくうなずく。

「力の全貌はいずれ分かる。」

「焦る必要はない。」

「はい。」

 黒いローブの男は再び姿を消した。

 一方その頃。

 宿へ戻ったレインは、冒険者カードを机へ置いていた。

 そして静かに手をかざす。

__________

【冒険者カード】

ランク:F

改変可能:NO

__________

「カードは変えられないのか。」

 少し安心した。

 もし何でも改変できるなら、自分の力は危険すぎる。

 できることにも、できないことがある。

 その事実に、レインは少しだけ胸をなで下ろした。

 しかし、その直後。

 青白い画面が静かに現れる。

《条件を満たしました》

《新たな改変対象を解放します》

 レインは思わず立ち上がった。

「また新しい力……?」

 画面には、見たことのない文字が浮かび上がる。

__________

《スキル》

解放可能

__________

 レインは息をのんだ。

 《世界改変》は、まだ底が見えない能力だった。

第9話を読んでいただきありがとうございました!

レインは初めてパーティーへ勧誘され、自分の力が周囲に認められ始めました。

一方で、敵組織は「改変」という能力の存在だけを把握し、静かに監視を続けています。

次回、第10話では《スキル》の改変が解放され、レインの力がさらに大きく成長していきます。

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