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~追放された最弱鑑定士、実は世界を書き換えるスキルでした~  作者: ニルム
「世界を書き換える鑑定士」

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8/10

第八話 ~高品質~

第8話を読んでいただきありがとうございます!

今回は初依頼の報告です。

レインの能力が少しずつ周囲に知られ始めます。

夕方。

 レインは採取したヒール草を抱え、冒険者ギルドへ戻ってきた。

「依頼達成の報告です。」

 受付嬢は笑顔で木箱を受け取る。

「お疲れ様でした。それでは確認いたしますね。」

 一株ずつ丁寧に品質を調べていく。

 しかし、数本目を見たところで受付嬢の手が止まった。

「……え?」

 もう一度確認する。

 さらに別の一本を手に取る。

「そんな……。」

 レインは首をかしげた。

「何か問題がありましたか?」

「い、いえ!」

 受付嬢は慌てて首を振る。

「問題どころか、その逆です。」

 受付嬢はヒール草を両手で持ち上げた。

「見てください。」

 近くにいた冒険者たちも集まってくる。

「この色艶……。」

「こんな品質のヒール草、滅多に見ねぇぞ。」

「新人が採ってきたって本当か?」

 ざわめきが広がる。

 受付嬢は驚いた表情のまま言った。

「ほとんどが上品質です。」

「中には特上品質もあります。」

「通常価格では買い取れません。」

「え?」

 レインは思わず聞き返した。

「特別査定になりますので、少々お待ちください。」

 受付嬢は奥へ走っていった。

 数分後。

 一人の初老の男性を連れて戻ってくる。

 胸元には金色のギルドバッジ。

 どうやらギルド職員の責任者らしい。

「君がレイン君か。」

「はい。」

 男性はヒール草を見て満足そうにうなずく。

「見事だ。」

「これほど品質の高いヒール草は久しぶりに見た。」

「通常報酬に加えて、品質報酬を支給しよう。」

 革袋が机へ置かれる。

 中には銀貨がぎっしり詰まっていた。

「銀貨八枚だ。」

「……え?」

 依頼書には銀貨二枚と書かれていた。

「品質が高い物には、それだけ価値がある。」

「君の努力への正当な報酬だ。」

 レインは思わず革袋を握りしめる。

 追放されてから初めて、自分の力で稼いだお金だった。

「ありがとうございます!」

 深く頭を下げる。

 周囲からも拍手が起こった。

「新人にしちゃ大したもんだ。」

「これから期待できそうだな。」

 その言葉を聞き、レインは少し照れくさそうに笑った。

 その頃。

 王都の外れにある古びた屋敷。

 黒いローブの男は、一人の人物の前にひざまずいていた。

「報告します。」

「《鑑定士》の少年を発見しました。」

 暗闇の奥から低い声が響く。

「……能力は。」

「普通の鑑定ではありません。」

「物の性質を書き換えている可能性があります。」

 一瞬、部屋が静まり返る。

 やがて低い笑い声が聞こえた。

「改変……か。」

「もし本当なら、我らの計画に必要な存在になる。」

 男は静かに頭を下げる。

「監視を続けます。」

「殺すなよ。」

「まだ利用価値がある。」

「御意。」

 男は闇へ溶けるように姿を消した。

 一方その頃。

 何も知らないレインは、宿屋の窓から王都の夜景を眺めていた。

「もっと強くならないと。」

 守れるものを増やすために。

 自分の居場所を見つけるために。

 レインの冒険は、まだ始まったばかりだった。

第8話を読んでいただきありがとうございました!

初依頼は無事成功し、レインは初めて自分の力で大きな報酬を得ることができました。

一方で、《世界改変》の力に気付いた謎の組織も動き始めています。

次回、第9話ではレインが初めてパーティー勧誘を受け、新たな選択を迫られます。

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