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~追放された最弱鑑定士、実は世界を書き換えるスキルでした~  作者: ニルム
「世界を書き換える鑑定士」

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10/10

第十話 ~初めてのダンジョン~

第10話を読んでいただきありがとうございます!

今回はレインにとって初めてのダンジョン探索です。

そして、物語が大きく動き始める異変が起こります。

翌朝。

 レインは《蒼き風》と共に王都を出発した。

「今回向かうのは《エルファダンジョン》よ。」

 フィアが地図を広げながら説明する。

「初心者向けのダンジョンだけど、昨日から魔物の動きがおかしいの。」

「だから調査ですか?」

「ええ。」

「本来ならFランクでも問題ない場所よ。」

 歩くこと約一時間。

 山の中腹に大きな洞窟が姿を現した。

 入口には古びた石碑が立っている。

__________

《エルファダンジョン》

推奨ランク:F〜E

ボス:エルファ

__________

「ボスって……魔物なんですか?」

 レインが尋ねる。

「そう。」

 フィアはうなずく。

「エルファは巨大な狼型の魔物よ。」

「普段は最奥から出てくることはないわ。」

 一行は慎重にダンジョンへ入っていく。

 一階層にはゴブリンやスライムが現れたが、《蒼き風》の敵ではなかった。

 レインも《鑑定》を使いながら着実に魔物を倒していく。

 だが、奥へ進むにつれて違和感が大きくなっていく。

「……静かすぎる。」

 弓使いが小さく呟く。

 魔物の姿がない。

 本来なら何十匹もいるはずなのに、一匹も現れない。

 地面には爪痕。

 壁には大きな穴。

 まるで巨大な何かが暴れ回ったようだった。

「嫌な予感がする。」

 フィアは剣を抜く。

 やがて巨大な扉が見えてきた。

「ここが最奥……。」

 大男がゆっくり扉を押し開ける。

 ギギギギ……。

 重い音を立てて扉が開いた。

 その瞬間。

「なっ……!」

 誰もが言葉を失った。

 広い部屋の中央。

 そこには、ボスであるはずの《エルファ》が倒れていた。

 全身は無数の傷だらけ。

 胸には巨大な穴が開き、すでに息はない。

「嘘だろ……。」

 大男が戦斧を落としかける。

「ボスが……殺されてる?」

 フィアも信じられないという表情だった。

「誰がこんなことを……。」

 レインはゆっくりとエルファへ近づく。

 鑑定を発動する。

__________

【エルファ】

状態:死亡

死因:胸部貫通

討伐者:解析不能

__________

「解析不能……。」

 その時だった。

 レインは違和感に気付く。

 エルファの血はまだ乾ききっていない。

「まだ近くにいる……。」

 その一言で全員の空気が変わる。

 直後。

 天井から何かが落ちた。

 ドォン!!

 土煙が舞い上がる。

 ゆっくりと煙が晴れていく。

 そこにいたのは、誰も見たことのない魔物だった。

 四本ではない。

 八本でもない。

 まるで巨大な蜘蛛のような胴体に、異常なまでに発達した四本の脚で立つ異形。

 全身は黒い甲殻に覆われ、脚の先端は鋭い槍のように尖っている。

 複数の赤い眼が、一斉にレインたちを見つめた。

「なんだ……あれ。」

 レインは思わず後ずさる。

 フィアの額から汗が流れる。

「見たことがない……。」

「こんな魔物、図鑑にも載っていない。」

 レインは震える手で《鑑定》を発動した。

__________

【????】

鑑定失敗

現在のレベルでは解析できません。

危険。

直ちに離脱してください。

__________

 今までにない表示だった。

 《危険》。

 システムそのものが警告している。

 その瞬間。

 蜘蛛型の魔物がゆっくりと口を開く。

 ギチ……。

 ギチギチギチ……。

 その不気味な鳴き声が、静まり返ったボス部屋に響き渡った。

第10話を読んでいただきありがとうございました!

今回はエルファダンジョンのボス《エルファ》が、何者かによって倒されているという異常事態が発生しました。

そして姿を現した謎の蜘蛛型魔物。

この魔物は通常のダンジョンには存在しない、物語の大きな鍵を握る存在です。

次回、第11話ではレインたちは生き残るため、未知の魔物との絶望的な戦い、あるいは逃走を選ぶことになります。

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