第五話 ~初めての仲間~
第5話を読んでいただきありがとうございます!
今回はレインが初めて他人と協力して戦います。
一人では勝てない相手だからこそ、《世界改変》の本当の価値が見えてきます。
巨大な魔物は低く唸りながら一歩前へ踏み出した。
ズシン。
その一歩だけで地面が揺れる。
レインは思わず息をのんだ。
「大きい……。」
フィアは剣を構えたまま静かに言う。
「ロックベアだ。」
「Cランク相当の魔物よ。」
「本来ならこんな街道の近くに現れる相手じゃない。」
レインは素早く鑑定を発動する。
__________
【ロックベア】
危険度:C
攻撃力:128
防御力:176
弱点:首の後ろ
状態:興奮
改変可能:YES
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(改変できる……!)
しかし、その瞬間。
《警告》
《対象の格が高すぎます》
《現在のレベルでは一部しか改変できません》
レインは歯を食いしばる。
(全部は無理か……。)
ロックベアが咆哮を上げる。
「ガアアアアアッ!」
次の瞬間、巨大な腕が振り下ろされた。
「散開!」
フィアの指示で全員が飛び退く。
ドォン!!
地面に大穴が開いた。
「なんて威力だ……。」
レインの額を冷や汗が流れる。
「レイン!」
フィアが叫ぶ。
「あなたの鑑定で何か分かった?」
「弱点は首の後ろ!」
「でも防御力が高すぎる!」
「なるほど。」
フィアは一瞬だけ考えた。
「だったら私が隙を作る!」
「その間に攻撃して!」
レインはうなずく。
しかし、普通の短剣では届かない。
(武器を……。)
視線を短剣へ向ける。
__________
【鉄の短剣】
攻撃力:30
改変可能:YES
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(もっと強く。)
《魔力不足》
《これ以上の強化はできません》
「くそっ……!」
魔力が足りない。
その時だった。
レインの視界に、フィアの剣が映る。
__________
【銀の長剣】
攻撃力:96
耐久:84/100
改変可能:YES
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(人の武器も……。)
恐る恐る攻撃力へ意識を向ける。
《96→120》
《消費魔力:4》
「やる!」
レインが念じた瞬間。
フィアの剣が淡く輝いた。
「えっ?」
フィアは驚きながら剣を見る。
「急に……軽くなった?」
その感覚は間違っていなかった。
剣は以前より鋭く、魔力の流れも良くなっている。
「今ならいける!」
フィアは一直線に駆け出した。
ロックベアが腕を振るう。
しかし、その一撃を紙一重でかわす。
「はあっ!」
銀の剣が首の後ろを切り裂く。
ザシュッ!
ロックベアが苦しそうに叫んだ。
「ガアアアアッ!」
「今だ!」
大男の戦斧。
弓使いの矢。
魔法使いの炎。
仲間たちの攻撃が一斉に命中する。
最後にフィアが高く跳んだ。
「これで終わり!」
一閃。
銀色の軌跡が夜空を走る。
ロックベアは大きく揺れ、そのまま地面へ倒れ込んだ。
ズドォン!!
静寂が戻る。
「……勝った。」
誰かがつぶやいた。
フィアは息を整えながらレインを見る。
「さっきの……。」
「あなたが何かしたの?」
レインは少しだけ迷った。
だが、すべてを話すわけにはいかない。
「武器の状態が少し分かったので……。」
フィアは少し不思議そうな顔をしたが、それ以上は聞かなかった。
「ありがとう。」
「あなたがいなかったら、危なかった。」
その言葉だけで十分だった。
追放され、自分には価値がないと思っていた。
それなのに。
初めて誰かから必要とされた。
その時だった。
レインの頭の中に機械的な音が響く。
《レベルが上昇しました》
《Lv.1 → Lv.2》
《新機能を解放します》
青白い画面には、新たな項目が追加されていた。
__________
《対象:装備》
《対象:道具》
《対象:魔法》
???
__________
レインは目を見開く。
(魔法まで……改変できるようになるのか。)
世界改変の本当の力は、まだ始まったばかりだった。
第5話を読んでいただきありがとうございました!
今回はレインが初めて仲間と共闘し、《世界改変》を自分のためではなく仲間のために使う姿を描きました。
次回はいよいよ王都へ向かい、冒険者ギルドで登録を行います。
そこで受付嬢との会話の中に、この世界の"もう一つの大陸"を匂わせる小さな伏線が入る予定です。
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