序 文・あらすじ
決して忘れないと誓い、それでも記憶の彼方に沈めた原罪――
時は本編より約十年前。
神殿孤児院で暮らす八歳の少年・リオンは、神話の魔女と同じ「赤い髪」を持つがゆえに周囲から疎まれ、五、六歳にしか見えないほど小柄な体格のまま孤独な日々を送っていた。
唯一の庇護者であるクロードが不在の夏の日。
居場所を求めて神殿の奥深くへと迷い込んだ彼は、厳重に拘束された状態の美しい少女の『人形』を見つける。
しかし、『人形』と思ったそれが突然パチリと目を覚まし、視線が交わる。
生きた人間の少女と知ったリオンは、恐怖と混乱のあまり、彼女を見捨てて逃げ出してしまう。
「――クロードなら、きっと助け出していたのに」
何もできなかった己の弱さと卑怯さを呪い、一人涙を流すリオン。
この日の痛烈な悔恨こそが、のちに皇孫皇女ジャンヌの無謀な願いに、己の命を懸けてまで手を貸すことになる原動力となっていく。
これは、不器用ながらも心優しい少年が、強さを渇望した原点の物語。
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※本作は『姉姫様は魔族を斬りたい!』本編より約十年前、リオンが8歳頃の過去編となります。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
本作は『姉姫様は魔族を斬りたい!』の背景や、キャラクターたちの知られざる過去などを描く群像短編集となります。
今回は、本編でジャンヌの無茶な脱走や神剣の封印解除に暴走気味にまで協力した不器用な青年・リオンが、なぜそこまでして彼女の力になろうとしたのか……
その強い原動力となった、切ない後悔と誓いのエピソードをお届けします。
第1話はこのまま続けてお読みいただけます。
若き日のリオンが胸の奥底に封じ込めた「窓辺の少女」との出会いと、彼の原点となる物語をぜひお楽しみください!
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