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第三十二話 呪いとコーラ

 本格的に第二章開幕です。時間が空いてしまった事には申し訳ないと思っているのですが他の小説の関係もあり毎日投稿には至らないかと(わからないけど)。


 ま、とにかく続きをどうぞ。

「ふー、危ねえ危ねえ」


 生きている感覚を確認するように手を握っては開きを繰り返し、小さいながらもクレーターができた事で埋もれた左足を地面から引っこ抜く。


(両手は重傷……。片手は鎌の攻撃でぎりぎり堪えているが斬り裂かれかけていて片腕は俺の炎で極度の火傷。ここが何処かは知らないが上の鳥を見る限りこの辺の魔物は恐らく強いっ!)


 冷静な状況判断は褒められる数少ないアオトの長所の一つだろうか。


 それでも血は次から次へと流れている。日本にいた頃のアオトならば既に大量出血で死んでいるだろう。だが今の馬鹿げたステータスのおかげで苦痛のかわりに死んではいない。苦痛を伴ってのところを忘れてはならない。


(レンは大丈夫なのか? …………心配しても何も始まらないか。この状況を判断するのが先か)


 左腕の火傷は完全回復薬を飲めば簡単にとは言わないが治りが早くなるだろう。だが左手は―――


「やっぱ呪いがあるな」


 左手の血は今も次から次へと流れている。アオトのステータスならばそろそろ完治とは到底及ばないものの傷はある程度治る筈なのだ。それが何故状態が殆どそのままで残っているのか。それはジンによる呪い以外に他ならない。


 呪いとは受けた者に継続的に効果を与えるものだ。効果はステータスの減少や寿命を削る事や状態異常にする事、道具の使用不可、そして傷の回復を阻害するものなどその種類は様々だ。治すのは時間が経つ事で呪いが解けるのを待つか教会に行って聖水を買うのがベターな範囲でそれ以外に方法はないとされている。


「とは言ってもこのまま放っとくのはなー」


 血が噴き出している部分に自分の服の布を被せ、流血を少しでも防ごうとする。


「どの道完全回復薬を飲むのは絶対か」


 ここまで使わずにとっておいたのにここで使うのには少々躊躇いを覚えるながらも今使わずに放っておいたら体力ゼロに陥り、元も子もなくなってしまう。


 魔法の袋を取り出し、完全回復薬を飲む。色はピンク的な感じで味はコーラのような、と言うよりもコーラそのもののような味だった。


「美味っ! マジで美味いなこれ!」


 自分でここまで何故今まで飲んで来なかったのだろうと考え込んでしまいそうになるが呑んでいなかったおかげで今自分が助かっている事には変わりがないので良しとしてこの考えは止める事にした。


 そんな事をしていても効果は出ているようで火傷の方は良くなっているようだし、体力は完全に回復しているし、魔力も意外に沢山回復しているしと良い事尽くめだった。右手の怪我は治りがあまりにも遅い事を除いてだが。


「それにしても日本を思い出すなあ」


 自分が呑んで来なかった事に疑問を覚えた次は日本を思い出すアオト。魔物が出るかどうかも分からないところで横になった。床はこれまた洞窟のようなところでレンとの日々を思い出す。そして日本のときの事を思い出す。


 そんな事を頭の中にしまい、今日はいろいろあり過ぎたと感じて《気配察知》のスキルの使い方を簡単に考え、辺りに気を配ったアオトは右手の傷に塗るように魔力を圧縮させた。


 血は流れを先程とは大幅に止められているが何日も持つものではない。なんとかしようと考えてアオトは眠りについた。それはもう泥のように。


 そのときの夢で見た日本での暮らしにアオトはやはりこの世界での苦痛を感じずにはいられなかった。

 次回は日本でのアオトの話です。やっとです。最初の方でアオトの日本での事は書きましたが日々はあまり書いてはいないかと思いまして。そしてその後は遂にアオトが“奈落”へと足を踏み入れる事となったときの話を。


 これからも頑張りますので感想、ご指摘お待ちしております。

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