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第三十一話 無事着陸?

 二 章 開 幕 !!


 と言う事で始まりました。一章に続きまたまた迷宮攻略の二章です。ここでヒロインを登場させるつもりなんですが……本音を言うと早く地上の方へと戻りたい。


 まあ兎に角頑張ります。それとこれ間違って投稿してしまったものなので次の話はまだ時間が空きます。どこか抜けている作者ですみません。

 ジンにより奈落とは違う場所に転移させられたアオトは今絶賛巨大な穴(・・・・)に落ち中である。


「うっ…………痛っ!」


 気を取り戻したアオトは自分が今どのような状況に置かれているか理解できず、そのまま両手の痛みに意識を注がれる事となった。


(俺は確かあのときに《転移》と言う魔法を使われて……と言う事はここが転移先か!)


 ようやく自分の置かれている立場を理解したアオトは目を見開き、現在進行形で落ちている穴の底をみようとした。だが、いくら集中力を高めようがいくら穴に落ちていこうがそこが見える事はなかった。


(ここはどこなんだ。こんな深い穴なんて崖だとしてもそんなにあるもんじゃねえぞ!?)


 頭で理解してそのことを考えるとどうしても口を開き、何か言いたくなってくる。だが、アオトの理性がそうはさせなかった。


 ここで口を開けば舌を噛むどころかもっと酷い事になる事だってありえるからだ。


 ここはどこだ?


 分からない。


 深さはどの程度だ?


 “奈落”の崖からそこまでと同じ程度か、それとももっと深いか。


 このまま落ちていったらどうなるか?


 間違いなく死ぬ。


 恐らく“奈落”で培われた感覚によるもので予想をつける。だが、今の自分の落ちているスピードからしてこのまま落ちた場合死ぬのは明らか。死ぬ……。


 死ぬ。死ぬ。死ぬ……。


「ギャアアア!」


 アオトは見た。何を見た?


 鳥を。それも馬鹿でかいのを。全身が闇にとけ込むような漆黒の羽に被われた鳥を。嘴(くちばし)は全身とは色が大きく異なり真っ赤に染まっている。まるで今まで沢山の生き物をこのくちばしで喰ってきたとでも言うかのように。そしてその中にある牙は……兎に角でかい。そして牙一つ一つにまた細かいとげのようなものが付いていて当たるだけでも血が大量に吹き出してしまいそうな事が分かる。


 ここでなんで分かるの? と思った人もいるかもしれない。なんで牙がどんな風についてあるかなんて、と。何故か? それは今まさにアオトが落下しているおかげで喰われてはいないが着々と喰われかけているからである。あの大きな口に……。


 だがアオトは―――


「しめたーー!!」


 未だに誰も言った筈がない言葉だった。だが、喋ってしまった事で舌を軽く噛んでしまい痛みに悶える。


(落ち着け……。よし、集中だ。今までの吸収したときの事をイメージして……)


 スキルとは魔法と違い、固有のものを創り出す事ができるのだ。そして魔法よりもイメージが簡単だ。と言う事は無詠唱も魔法よりも簡単で魔法に関してあまり深く触れていない人でもできないわけではない。


(……………………《吸収》!)




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 能力獲得条件をクリアしました。

 スキル“イメージ補正”を自動的に習得します。


 ……スキル“イメージ補正”を解放しました。


 “イメージ補正”のスキルをオンにし、“イメージ補正”をアクティブしました。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




(……もう何も言うまい)


 嬉しい事の筈なのだがどうしても素直に嬉しがる事ができないのはアオトが悪いのだろうか。


(こんなのは地上では出る事がなかった所から見て……吸収魔法の補正でも掛かった?)


 一応正解ではある。


 と、ツッコミどころが満載の通知を受けて苦笑いをしてしまうがスキル自体は発動した。


 でかい鳥の魔物から光のようなものがアオトの体内へと入っていきスキルを手に入れるに成功した。手に入れたのはスキル《暗視》と《気配察知》、《風域》だった。


(風域? ものは試しだとか言うし使ってみるか)


 直ぐそこまで鳥が近づいているのに呑気な事である。


(えーと……我は風を操りし者なり 今その力を読み解き我が領域の風を支配する)


 無詠唱でそれでも頭の中で詠唱を考えるといきなり頭痛が襲ってきた。


(痛っ、魔法をろくに知らないのに無詠唱は負担が大きいってか?)


 その通りなのだがここで止めては鳥に喰われてしまい、元も子もない。


(風域! …………失敗? てかどうやって使うんだ?)


 頭痛を堪えながらスキル名を頭の中で叫ぶも周りに変化は見当たらない。


「ギャウアアア!」


 だが現実とは皮肉なものだ、そんな事を知らない鳥はアオトに大きな嘴を向けてきたのだ。距離にしてもう一瞬でも気を抜けばその間に喰われてしまいそうな程に。


(くっ、間に合わない! スキルをまた唱えて炎でも出すか? いや、この距離なら普通は外す事はない。だけど今は落下中で標準が定まらない。どうする!?)


 最早打つ手無しと悟ったのかアオトは両手を顔の前で固めて防御の姿勢をとる。


 そのときだった。風がアオトの前を通過して鳥の攻撃を防いだのだ。理由は簡単。《風域》は自分から一定範囲の風を自在に操るスキルなのだから。だがそれは鳥も同じ。自分の持っている《風域》を使われた事に驚きを隠せていなかったがすぐに獲物を捕らえる猛獣のような目に変わり《風域》を発動した。


(風を操る力。恐らく一定範囲だが効果に期待は十分だ)


 持ち前の正確で素早い判断ででかい鳥と向かい合う。


(風よ。真上に強風を!)


 風を真上に吹くように念じる事で見事アオトはゆっくりではあるが落下するスピードを緩め、鳥に強風を与えた。鳥もすかさず真下に強風を放つがやはりアオトの魔力には勝てない。少しずつではあるがアオトの風の強さに鳥は負けていき、最後には遥か彼方へと飛ばされていった。風が吹いていたのはそこまで距離がなかったが。


 鳥が飛ばされるのを見届けるとアオトもこの穴の先を目指す。上に向かうのも手ではあるが恐らく魔力が尽きて途中で落ちる事になる。そうなっては本末転倒だ。理由はこのスキルが意外に魔力をとる事によるものだったりする。


 1000メートル程落ちた時


 まだ何も見えない。《暗視》のおかげで周りの壁は見えるが岩肌がもろに出ていてごつごつしている。


 2000メートル程落ちた時


 まだ何も見えない。鳥との勝負で魔力を大量に使ったのもあり魔力が残り半分。


 3000メートル程落ちた時


 地面が多少感じれるようになってきたがまだ遠い。


 4000メートル程落ちた時


 もう面倒くさいので落下のスピードを速めるとすぐに地面が見えてきた。


(……やっと地面だ。長かった。……いや待てよ? スピードを緩めなくちゃ俺死ぬじゃん!?)


 結局地面を抉りながらも無事(?)着陸する事ができた。どこまで行ってもアオトの性格は変わらない。

 この小説を見て頂き誠に嬉しく思います(久々に書いたから書き方がもっと下手になっているかも?)。この小説は必ず最終話まで持っていこうと思いますのでこれからも宜しくお願い致します。

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