第六十三話 千年魔族の実力
百階層から、白い光が消えた。
外側の門と同じ形をした石の輪は沈黙し、床を巡っていた赤と緑の線も途切れている。
深層から届いていた声も聞こえない。
「終わった……の?」
リズナが白い門へ風を送る。
石の輪の内側に空間はない。
風は表面へぶつかり、左右へ分かれて戻ってきた。
「少なくとも、接続は切れたわ」
リュミエラが門の周囲へ術式を巡らせる。
「再構成も止まっている。深層から流れ込んでいた魔力も感じないわね」
シェルミアは記録板へ手早く書き込みながら、床に残った白い痕跡を調べていた。
「中継点を壊したことで、命令を受け取れなくなったのかな」
「それならいいけど」
リズナはシルフィードを下ろさなかった。
静かすぎる。
百階層へ入ってから絶えず感じていた、こちらを機能として測るような視線。
それが消えたはずなのに、胸に残る不快感は薄れていなかった。
ゼラスも剣を収めていない。
白い門ではなく、百階層の天井を見ていた。
「ゼラス?」
「まだ終わってない」
低い音が響いた。
白い門からではない。
壁。
床。
天井。
百階層を形作る石そのものが、僅かに震えている。
シェルミアが記録板を閉じた。
「何か動いてる」
「どこ?」
「この部屋全体だよ」
床に残っていた白い光が、一斉に壁へ向かって走り出した。
崩れた人影の残骸。
焼き切られた接続術式。
門の内部に残留していた魔力。
それらが百階層の奥へ吸い込まれていく。
『中継門の再構成、困難』
途切れかけた声が、石室全体から響いた。
『炎の鍵による継続的阻害を確認』
「まだ喋れるのね」
リズナが顔をしかめる。
『排除処理を再設定』
百階層の奥にある壁へ、縦の亀裂が走った。
千年前にリュミエラが見た時にも。
八百年前にゼラスが訪れた時にも。
そこには何もなかった。
ただの石壁だった場所が、内側から押し広げられていく。
「下がって!」
リュミエラが障壁を展開する。
壁が砕けた。
大量の白い破片と共に、巨大な腕が石室へ突き出す。
五本の指が床を掴み、硬い石を粘土のように抉った。
続いて、もう一本。
二本の腕が亀裂を左右へ押し広げる。
その奥から、白い巨体が姿を現した。
天井近くまで届く人型。
頭部には顔がなく、中央に縦長の黒い穴だけが開いている。
胴体には幾重もの腕が埋め込まれ、胸の中央では赤と緑の光が絡み合っていた。
足元からは無数の白い線が伸び、百階層の壁へつながっている。
『中継点防衛を開始』
白い巨人が石室へ踏み出した。
一歩だけで、百階層全体が大きく揺れる。
「こんなもの、昔はいなかったわ」
リュミエラが告げる。
「俺の時もだ」
ゼラスが白い巨人を見上げる。
巨人の胸で、炎と風の光が脈打った。
『炎の鍵を破壊』
『風の器を保存』
胴体に埋め込まれていた腕が、一斉に動く。
その数は十を超えていた。
半数がゼラスへ向く。
残る腕は、リズナを避けながらリュミエラとシェルミアへ伸びた。
「また私だけ傷つけないつもり?」
リズナがシルフィードを振るう。
広い風刃が迫る腕を三本まとめて切断した。
切れた腕が床へ落ちる。
だが、断面から白い糸が伸び、巨人の胴体へ引き戻されていく。
数秒も経たずに、腕は元の位置へつながった。
「再生が早すぎる!」
シェルミアが巨人の足元へ視線を走らせる。
「壁から魔力を取り込んでる。接続を切らない限り、何度でも戻るよ!」
リュミエラの術式が床を巡る白い線へ突き刺さった。
一本を押さえる。
だが、別の壁から二本の線が伸び、失われた流れを補った。
「百階層全体を使っているわね。先ほどの門より広い」
白い巨人が腕を振り下ろした。
ゼラスが横へ踏み出す。
巨大な拳が床を砕き、白い破片が舞った。
そこへ別の腕が横から迫る。
ゼラスは剣で受け流し、手首の継ぎ目へ炎を流し込んだ。
白い腕が内側から弾け飛ぶ。
だが、崩れた破片が空中で止まった。
白い糸に引かれ、再び腕の形へ戻っていく。
ゼラスが目を細める。
「魔力だけじゃないな」
「何が混じってるの?」
リズナが尋ねる。
「霊的な残滓だ」
白い巨人の表面には、古い魔力が幾重にも重なっていた。
百階層を訪れた者。
この迷宮の中で死んだ魔物。
長い年月をかけて壁へ染み込んだ、意思を失った霊的な痕跡。
それらが白い魔力に取り込まれ、巨人の形を保っている。
リュミエラも構造を読み取り、僅かに眉を寄せた。
「破壊された部分を、残滓で補っているのね」
「なら、魔力の供給を止めるだけじゃ足りない?」
シェルミアが尋ねる。
「ええ。形を作っている霊的な部分まで断たなければ、残ったものを使って再生するわ」
白い巨人の黒い顔が開く。
内部へ白い光が集まり始めた。
「来る!」
リズナが三人の前へ風の層を重ねる。
直後、黒い穴から白い奔流が放たれた。
リズナの風が正面から受け止める。
光の流れを左右へ分けようとするが、圧力が強い。
足が石床を滑った。
「くっ……!」
リュミエラの障壁が風の内側へ重なる。
シェルミアも床へ短剣を突き立て、二人を支える術式の流れを固定した。
それでも、白い光は押し込んでくる。
ゼラスが三人の横を抜けた。
光が自分へ向きを変えるより早く、巨人の懐へ入る。
普通の剣を胸へ突き立てた。
刃が白い表皮を破り、赤と緑の光が絡む核へ届く。
炎を流し込む。
巨人の胸部が内側から爆発した。
白い奔流が途切れる。
リズナたちを押していた圧力が消えた。
「核を壊した?」
シェルミアが顔を上げる。
胸に大きな穴が開いていた。
だが、周囲の壁から白い線が集まり始める。
赤と緑の光が再び形を取り、砕かれた核を作り直していく。
ゼラスが剣を引き抜いた。
刃には幾つもの亀裂が入っている。
白い腕が四方から彼へ殺到した。
ゼラスは最初の一本を避ける。
二本目を斬り払う。
三本目の指先が剣へ触れた瞬間、普通の刃が中央から折れた。
「ゼラス!」
リズナの風刃が巨人の腕を切り落とす。
ゼラスは折れた剣を床へ捨てた。
巨人の胸では、既に核の半分が再生している。
「普通の剣じゃ駄目か」
その声に焦りはなかった。
むしろ、確認を終えたような静けさだけがある。
ゼラスが右手を開く。
黒い魔力が掌へ集まり、一本の剣の輪郭を作り出した。
現れた魔剣を見て、リュミエラの目が僅かに細められる。
黒い刀身。
古びた装飾。
長い年月を経ても失われない、異質な気配。
「レイスウィザード……」
リズナがその名を呟いた。
ゼラスが柄を握る。
百階層に漂っていた霊的な残滓が、一斉に動いた。
白い巨人へ取り込まれていたもの。
壁に染み込んでいたもの。
形も声も失い、ただ残っていた霊的な力が、黒い刃へ引き寄せられていく。
巨人の再生が僅かに遅れた。
『霊的構成要素の流出を確認』
白い腕がゼラスへ向く。
先ほどまでとは比べものにならない数だった。
床からも白い杭が伸びる。
天井には無数の目が開き、全てがゼラスを捉えた。
『炎の鍵を最優先で破壊』
リズナがシルフィードを構える。
「私も――」
「リズナ」
ゼラスが短く呼んだ。
彼女が足を止める。
「三人で、中継門を押さえていろ」
「でも、あれを一人で相手にするつもり?」
「ああ」
「再生もするし、百階層全体から魔力を――」
「だから門を押さえてくれ」
ゼラスは白い巨人から目を離さない。
「深層との接続を戻されたら、倒してもまた作られる」
リュミエラが白い門を見る。
閉じたはずの輪の内側に、細い黒い亀裂が再び生まれていた。
白い巨人が戦っている間に、中継門の再構成も進んでいる。
「分かったわ」
リュミエラが門へ向かう。
「こちらは任せて」
シェルミアもすぐに続いた。
リズナだけがその場に残り、ゼラスを見る。
少年の姿。
自分より低い背丈。
細い腕で、巨大な白い異形と向き合っている。
「本当に大丈夫なの?」
ゼラスが僅かに振り返った。
「ああ、余裕だ」
リズナは一瞬だけ目を見開いた。
それから、小さく息を吐く。
「絶対に勝ってよ」
「ああ」
リズナはシルフィードを握り直し、リュミエラたちの後を追った。
白い巨人の全身が開いた。
腕。
顔の穴。
胸の傷。
至るところから白い光が溢れ出す。
ゼラス一人を消し去るため、百階層の魔力が集まっていた。
レイスウィザードへ霊的な力をまとわせる。
黒い刃の周囲で、青黒い炎が静かに揺れた。
それでも、白い巨人の再生は止まらない。
深層との接続も切れていない。
長引けば、三人へ攻撃が向く。
ゼラスは一度だけ息を吐いた。
全身を巡る魔力の経路を開く。
肉体。
知覚。
反応。
思考。
魔力の出力と制御。
その全てを、一つの強化術式へ接続した。
「フルドライブ」
短い言葉が落ちる。
少年の姿は変わらない。
背丈も。
細い手足も。
幼さを残した顔立ちも、そのままだった。
だが、次の瞬間。
リズナが百階層へ広げていた風から、ゼラスの輪郭が消えた。
「え……?」
白い巨人の腕が一斉に閉じる。
ゼラスが立っていた場所を、十を超える拳と刃が押し潰した。
石床が砕け、白い煙が巻き上がる。
そこに、ゼラスはいない。
巨人の右肩に黒い線が走った。
一拍遅れて、三本の腕が根元から落ちる。
切断面を青黒い炎が焼いていた。
白い糸が再生のために伸びる。
霊炎へ触れた瞬間、その糸自体が燃え上がった。
『再生阻害を確認』
ゼラスは既に巨人の背後へ回っている。
レイスウィザードを返す。
背中から伸びようとしていた四本の腕が、形を得る前に断ち切られた。
白い巨人が振り向く。
その動作が終わるより早く、ゼラスは足元へいた。
膝の継ぎ目。
魔力が集中する僅かな隙間。
黒い刃が横一線に走る。
青黒い霊炎が白い脚を内側から焼いた。
巨体が傾く。
床へ倒れ込む前に、無数の白い杭がゼラスの周囲へ突き出した。
逃げ道を完全に塞ぐ配置。
だが、杭が伸び始めた時には、ゼラスは既にその中心を抜けていた。
一歩。
僅かに体を傾ける。
それだけで白い杭の隙間を通り抜け、巨人の胸元へ到達する。
レイスウィザードを突き立てた。
再生しかけていた核に亀裂が入る。
霊炎が内部へ流れ込む。
白い巨人の全身が大きく震えた。
『戦闘記録との不一致を確認』
ゼラスは刃を抜く。
「八百年前の俺と戦ってるつもりか?」
巨人の頭部が開き、至近距離から白い光を放つ。
ゼラスは顔を僅かに横へ逸らした。
光が頬の脇を通り抜ける。
レイスウィザードの柄を返し、巨人の顎にあたる部分を打ち上げた。
白い奔流が天井へ逸れ、石を大きく抉る。
「古すぎる」
黒い刃が下から振り上げられた。
巨人の頭部が縦に裂ける。
青黒い炎が切断面を覆い、再生しようとする白い力を焼き尽くした。
百階層全体が震える。
床と壁から伸びていた白い線が、巨人の胸へ集中し始める。
破損した体を直すのではない。
残る全てを一か所へ集めている。
「核を移してる!」
シェルミアが門を押さえながら叫んだ。
「胸の奥、もっと深いところだよ!」
「見えてる」
ゼラスが答える。
白い巨人の胸部が閉じる。
外側へ幾重もの装甲が重なり、核を包み込んでいく。
さらに周囲の腕が一本の巨大な刃へ変わった。
百階層の天井に届くほどの白い大剣。
『排除出力を最大化』
巨人が剣を振り上げる。
その一撃はゼラスだけではなく、背後の三人と中継門まで巻き込む軌道だった。
リズナが振り返る。
「ゼラス!」
「ああ」
ゼラスは動かなかった。
白い大剣が振り下ろされる。
その瞬間、レイスウィザードへまとわりつく霊的な力が一気に圧縮された。
青黒い霊炎が刃へ沈み込み、薄い膜となって刀身を覆う。
白い大剣と黒い魔剣が衝突した。
轟音。
石床が大きく沈む。
ゼラスの小さな体が、巨大な刃を正面から受け止めていた。
だが、押し合っているわけではない。
レイスウィザードの刃は、白い大剣へ深く食い込んでいる。
霊炎が内部へ走った。
巨人を構成する霊的な残滓だけを捉え、結びつきを一つずつ焼き切っていく。
白い大剣に亀裂が走る。
一本。
十本。
瞬く間に全体へ広がった。
ゼラスが剣を振り抜く。
巨大な白刃が中央から砕けた。
無数の破片が百階層へ降り注ぐ。
その中を、ゼラスが駆ける。
白い巨人が後退する。
残った腕を集め、胸の前へ重ねた。
一枚。
二枚。
幾重もの白い障壁が核を守る。
ゼラスの姿が消える。
最初の障壁に黒い亀裂が入った。
二枚目。
三枚目。
白い壁が、ほぼ同時に左右へ割れていく。
リズナの風でさえ、黒い残像しか捉えられない。
「速すぎる……」
シェルミアは記録板へ手を伸ばしかけ、途中で止めた。
「これ、書けないね」
リュミエラは白い門へ術式を流しながら、僅かに目を細める。
驚きではない。
かつて何度か見た、ゼラスが本気で敵を仕留める時の姿。
けれど、少年の体でここまで精密にフルドライブを制御する姿は、彼女にも見覚えがなかった。
「また強くなったのね」
最後の障壁が砕けた。
白い巨人の胸の奥。
赤と緑の光を無理に重ねた核が露出する。
そのさらに中心に、黒く細い線があった。
深層から命令を受け取る接続。
巨人を倒しても、それが残れば再び作られる。
ゼラスは全てを見切っていた。
レイスウィザードを両手で構える。
青黒い霊炎。
その上から、ゼラス自身の炎が重なった。
赤と黒が混じり合い、白い核の光を押し退ける。
「天魔剛炎」
炎が爆発した。
広がらない。
周囲を焼き尽くすこともない。
全ての熱と魔力が、レイスウィザードの切っ先へ圧縮されていた。
ゼラスが踏み込む。
黒い刃が核を貫いた。
赤黒い炎が内部へ流れ込む。
白い巨人の全身に亀裂が走った。
『炎の鍵による――』
声が途中で途切れる。
「俺は鍵じゃない」
ゼラスが剣を捻った。
「ゼラス=ヴェルゼイアだ」
核が砕けた。
赤と緑の光が消える。
続いて、その中心にあった黒い接続線が霊炎に包まれた。
深層へ逃れようとする白い魔力を、レイスウィザードが引き留める。
天魔剛炎が、その根まで焼き切った。
白い巨人の体が内側から崩れ始める。
腕。
胴。
顔のない頭部。
全てが白い粒となり、百階層へ舞い上がった。
粒は再び集まろうとする。
だが、青黒い炎に触れたものから力を失い、ただの灰へ変わっていく。
最後に残った巨大な足が崩れた。
白い巨人は、完全に消滅した。
ゼラスが石床へ着地する。
レイスウィザードを軽く振るうと、刃を覆っていた霊炎が静かに消えた。
同時に、全身を巡っていたフルドライブの術式を解除する。
少年の体から、張り詰めていた魔力が引いていく。
荒い息はない。
膝をつくこともなかった。
ただ、いつものゼラスがそこに立っている。
百階層に残っていた白い線が、一斉に消えた。
リュミエラが中継門へ重ねていた術式を止める。
「深層からの流れが切れたわ」
シェルミアも床へ触れ、魔力の動きを確認した。
「再構成も止まってる。今度こそ、百階層は沈黙したみたいだね」
リズナは白い門から離れ、ゼラスへ歩み寄った。
レイスウィザード。
崩れた巨人。
床に残る巨大な破壊痕。
順に見た後、最後に自分より低い位置にあるゼラスの顔を見る。
「……あれが、ゼラスの本気?」
「全部ではない」
「今のより上があるの?」
「ああ」
リズナはしばらく黙った。
ゼラスが首を傾ける。
「どうした?」
「強いとは思ってた」
「そうか」
「でも、ちょっと想像を間違えてたみたい」
「何をだ?」
リズナは答えず、レイスウィザードへ目を向ける。
黒い魔剣には、既に先ほどの禍々しい炎は残っていない。
ゼラスも、普段と何も変わらない顔をしている。
あれほどの戦いを終えた直後だというのに。
「格好よかったわよ」
ゼラスが僅かに目を瞬いた。
「……そうか」
「そこは普通に受け取るのね」
「お前が言ったんだろ」
「そうだけど」
リズナは少しだけ笑った。
「まぁ、いいわ」
シェルミアが二人へ近づく。
「ゼラス、今の動きをもう一度説明してもらえる?」
「断る」
「まだ何も聞いてないよ」
「見えてなかったものを説明しても、正確に記録できないだろ」
「だから本人に聞くんだよ」
「長くなる」
「時間はあるよ」
「ない」
ゼラスがレイスウィザードを収める。
リュミエラが穏やかに微笑んだ。
「諦めた方がいいわ、シェルミア。昔から、戦った後に細かく説明するのは嫌がるもの」
「リュミエラは知ってるの?」
「ええ。何度か見たことがあるわ」
リズナが僅かに彼女へ視線を向ける。
リュミエラはその視線に気づきながら、何も言わずゼラスを見ていた。
懐かしさ。
誇らしさ。
そして、ほんの少しだけ別の感情を含んだ笑みだった。
「何だ?」
ゼラスが尋ねる。
「いいえ」
リュミエラは静かに首を振る。
「今も変わらないところがあると思っただけよ」
「そうか」
百階層の奥で、石の動く音が響いた。
四人が同時に振り返る。
白い巨人が現れた壁。
そのさらに奥で、今まで隠されていた細い扉が開いている。
深層へ続く道ではない。
小さな石室へ入るための入口だった。
ゼラスとリュミエラの表情が、同時に変わる。
「この場所は……」
リュミエラが呟く。
「ああ」
ゼラスも扉を見つめる。
八百年前、ゼラスがレイスウィザードを見つけた隠し部屋。
千年前、リュミエラが魔剣を残した場所。
閉じていたはずの扉が、再び開いていた。
そして石室の暗闇から、灰色の瞳が四人を見つめていた。




