第17話 VSダゴン 後編
前回のあらすじ
邪神達と交戦中
クロナちゃんが邪神に突っ込んで行くのが見えたから、わたしはその援護に回る。
邪神の眷属も結構な数減らせたから、戦闘に余裕が出てきた。
邪神はそのしなやかで強靭な触手を、次々とクロナちゃん目掛けて振り下ろす。
だけどクロナちゃんは、まるでダンスでも踊っているかのようにそれらを次々と回避していく。
邪神の攻撃の隙を突き、全身のビーム砲から立て続けにビームを連発する。
わたしの攻撃が効いているのか、邪神は触手を振らなくなった。
その隙にクロナちゃんは邪神の懐に潜り込み、触手を何本か切断する。
痛みを感じるのか、邪神はこの世のモノとは思えない悲鳴を上げる。
クロナちゃんは触手の切断面に双剣の片方を突き刺し、強引に剣形態から銃形態へと変形させる。
そしてほぼゼロ距離で、ビームを邪神の体に叩き込む。
『星霊』相手なら今ので倒せていたけど、神を名乗っているのは伊達ではないらしく、まだ動けるほどのタフさがあった。
その証拠に、まだ無事な触手をクロナちゃんに振り下ろそうとしていた。
「危ない!」
そう言いつつ、腕に装着されているビーム砲からビームを放つ。
軌道を反らす事には成功し、触手はクロナちゃんから離れた場所に振り下ろされた。
その隙にクロナちゃんは一度邪神と距離を取り、わたしの隣にやって来る。
「助かったわ、マシロ」
「どういたしまして」
「それにしても……タフね。『星霊』とは比べ物にならないわ」
「そうだね」
そう言葉を交わしていると、不意に邪神が体をブルッと震わせた。
そして口……口? を大きく開くと、その奥には闇よりも暗い漆黒の魔力が溜まっていた。
何をするつもりなのか直感的に理解したわたしとクロナちゃんは、急いで邪神の射線上から離れる。
その直後、邪神の口から極太のビームが放たれた。
地面を抉るその攻撃は、地平線まで延びていた。
幸いと言っていいか分からないけど、ビームはディアマンテの方とは逆方向だったから街への被害は無かった。
それと、今の一撃でだいぶ力を使ったのか、邪神は見るからに弱体化していた。
具体的には、今までウネウネとうねっていた触手が、一本残らず地面に着いていた。
「マシロ、決めるわよ!」
「うん!」
クロナちゃんの言葉に頷き、わたし達は再びオーバーロードを発動させる。
クロナちゃんは双剣の柄の部分を連結させ、一本の剣にする。
その柄に、わたしは手を添えてレゾナンスする。
わたし達の余剰魔力が剣にも充填され、紫色のビームの刃を形成する。
その長さは三メートルくらいある。
「「はああああああっ!!」」
同時に飛び出し、剣を振りかぶる。
邪神はわたし達の攻撃を防ごうと、触手を弱々しく掲げる。
「「やああああああっ!!」」
剣を振り下ろし、その触手ごと邪神の体を真っ二つに斬り裂く。
二つに斬り裂かれた邪神の胴体はゆっくりと左右に分かれ、地面へと倒れ伏した―――。
◇◇◇◇◇
「ダゴン様が……倒された!?」
ディアマンテ上空で、ダゴンの行動を見守っていたベアトリーファが、驚きの声を上げる。
彼女とて、邪神が倒されるとは微塵も思っていなかったわけではない。
問題は、邪神を倒した相手にある。
ベアトリーファの視線の先には、白髪と黒髪の二人の少女の姿がある。
「あの二人……セイラ以上の不確定要素になるやも。今ここで始末を……」
そう呟き、右手をマシロとクロナの二人に向けたその時、左手が無意識に動き、右手を押さえる。
それはまるで、肉体の元々の持ち主が起こしたような行動だった。
「……まったく、強情なお姫様だ。残留思念となってもまだ、肉体を完全には明け渡さないなんて」
クリファがベアトリーチェの肉体を乗っ取った時、あるイレギュラーが発生していた。
ベアトリーチェの魂は確かに肉体の中にはもう存在していないが、彼女の残留思念とも言うべき意思がクリファの肉体の完全な支配に抗っていた。
その影響か、クリファは新しい肉体を自由に動かす事が出来ずにいた。
そのせいで、計画の大部分をセラフィーラに任せている事態となっている。
「……まあいいや。あの二人の戦闘能力はおおよそ把握した。今日はその収穫があっただけで良しとしよう」
そう呟き、ベアトリーファは人知れずディアマンテ上空から姿を消した―――。
ダイナミックケーキ(邪神)入刀。
そしてそれを見ていたベアトリーファ。
リーファサン! ナズェミテルンディス!?
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