第18話 戦後処理
前回のあらすじ
ダゴンを倒した
邪神を倒し、眷属も一体残らず倒した後、あたし達は変身を解除する。
すると上空から、ホバーの付いた乗り物に乗ってハルが降りてきた。
あの乗り物はアスクレピオスで、陸海空全てに対応する万能マシンだった。設計・製作は当然センパイとイブさんの二人。
陸地を走る時はホバーが折り畳まれてタイヤになり、バイクみたいな見た目になる。
ハルはアスクレピオスから降りると、あたし達の方に近付いてくる。
「クロナ、マシロ殿。上空から戦闘を見守っていた。私とレオンでは倒せなかった邪神を倒したみたいだな」
「まあね。マシロの力があったお陰よ」
「いやいや。クロナちゃんの力があったからだよ」
お互いにお互いを褒め称えていると、ハルが止めに入る。
「その辺りで。……二人共。私についてきてくれないか? 騎士団とも話をつけなくてはいけないからな」
「分かったわ」
「分かりました」
頷き、あたしとマシロはハルについていった―――。
◇◇◇◇◇
クロナとマシロ殿を連れ、私は一ヶ月振りに騎士団の面々と再会した。
その中で、今まで騎士団の指揮を執ってくれていた騎士が私に近付いてくる。
「ローエングリン卿! 今までどちらに!?」
「レオンの知り合いの下に行っていた。邪神を攻略する手段を求めに、な」
「その攻略法が、そちらの少女達なのですか?」
「詳細は省くが……まあ、端的に言えばそうだ」
ここで二人の正体を明かす必要は無いだろう。
「長く不在にしてすまなかった。何か異変はあったか?」
「特に大きな異変などは何も……ああ。レグルス卿の奥方を名乗る女性が、卿の居場所を尋ねて来られたくらいでしょうか?」
レグルスというのは、レオンの名字だった。
その自称レオンの奥方は、十中八九アクア殿で間違いない。
確認の為に、一応特徴を聞いておく。
「……一応聞いておこう。その自称奥方は、どのような女性だった?」
「そうですね……海を思わせる青い長い髪でしたね」
「そうか」
「ああ……あと、見た事の無い鎧を身に纏ってましたね。丁度そちらの少女達が纏っていたのと、雰囲気が似通っていました」
「そうか……」
その鎧とやらは、『スターズ』の魔装だろう。
見慣れていなくて当然だ。
「その女性は正真正銘レオンの奥方だが……今は関係無い。各部署の被害報告と、私がいない間に起こった事を教えてくれ」
「ハッ!」
騎士は敬礼すると、私の前から立ち去って行った。
私は振り向き、背後にいる二人に話し掛ける。
「私は戦後処理があるから残らせてもらう。二人は私が乗ってきたアスクレピオスで戻ってくれ」
「いいけど……ハルはどうやって戻ってくるの?」
「そうだな……一週間後に迎えに来てくれないか?」
「分かったわ、一週間後ね。……行きましょう、マシロ」
「うん。……ラインハルトさん、くれぐれも無理はしないように。クロナちゃんが悲しんじゃいますから」
「ああ、気を付けよう」
「ちょっと、マシロ!?」
「あははははは」
クロナにガクガクと肩を揺さぶられつつも、マシロ殿は笑い声を上げていた。
その仲睦まじい様子に、私は自然と笑みを零していた―――。
◇◇◇◇◇
「何? それは本当か?」
「はい」
クロナとマシロ殿を見送った後、私は部下からある報告を受けていた。
その報告は、にわかには信じられなかった。
「……動ける騎士を集め、調査隊を結成する。そしてその異変の情報収集に当たらせる。それから、邪神の眷属との戦闘は極力避けるように厳命する。あれらの相手は、生半可な者では返り討ちに会うだけだ。そんな事で我々の貴重な騎士達を失いたくはない」
「畏まりました。調査隊の騎士達には、厳しく命じておきます」
私が受けた報告。
それは――。
――『エルフの里』が、消滅したと言う報告だった。
『エルフの里』再登場です。
消滅しちゃってますけど……。
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