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双翼の魔装少女  作者: 天利ミツキ
第二部
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第15話 水瓶座の担い手

前回のあらすじ

本当の意味で唯一無二のコンビになった

 

 模擬戦の後、イブさんにジェミニの最終調整をお任せしていた。

 使っていて違和感とかは無かったから、このままの状態で十分だった。


「それじゃあ預かるね。三日くらいで調整は終わると思う」

「よろしくお願いします」


 そう言ってから、クロナちゃんと一緒にイブさんの研究室を出る。

 すると丁度、廊下で見ず知らずのヒトと出会(でくわ)した。


 そのヒトは海のように真っ青な長髪がウェーブ掛かっていて、波を連想させる。

 そして髪の隙間からは、鋭く尖った長い耳が見えていた。


 セイラさんに『黄金の夜明け』団のメンバーについては名前と特徴だけは教えてもらっていた。

 このヒトは……。


「貴女達がセイラ様の後輩ちゃん達のマシロちゃんとクロナちゃん?」

「はい。そうですけど……」

「貴女は……」

「ウチはアクア。アクエリアスの担い手だよ」


 やっぱりそうだった。

 と言うか、アクアさんと顔を合わせるのはこれが初めてなのに、わたし達の事はもう知っているらしい。


「う〜ん……」


 するとアクアさんは、前屈みになってわたし達の顔を交互に覗き込んでくる。


「……あの、何か?」

「……うん。スッキリした顔してるね。悩み事はもう解決した?」

「悩み事、ですか……?」

「うん。イブちゃんに二人のカウンセリングを任されたんだけど、その必要も無いみたいだから」

「まあ……解決したって言えば、した……のかな?」


 わたし自身もよく分からない。

 でも、不安を感じていないのも事実だった。


「ならもうウチの出る幕はないね。『スターズ』を任されてプレッシャーとかもあると思うけど、そういう時は遠慮無く先輩のウチらに相談してね?」

「はい」

「その時が来たら頼らせてもらいます」

「うん。さてと……せっかくだからセイラ様に挨拶してから持ち場に戻ろうかな。じゃあね、二人共」


 アクアさんは手をヒラヒラと振って、わたし達の前から立ち去って行った。

 やる事もなくなったわたし達は、部屋に戻る事にした―――。




 ◇◇◇◇◇




「セイラ様」

「うん? ああ……アクアちゃんか。久しぶりだね、元気にしてた?」


 ラインハルトくんに城内を案内している途中、後ろから声を掛けられた。

 振り向くとそこには、地上にいるハズのアクアちゃんがいた。


「はい、ウチは元気にやってますよ」

「ここに戻ってくるなんて珍しいね?」

「イブちゃんにマシロちゃんとクロナちゃんのカウンセリングをお願いされてたんですけど、その必要も無くなったので。……ところで、そちらは?」


 アクアちゃんはラインハルトくんの方に目を向け、ぼくに尋ねてくる。


「こっちはラインハルトくん。レオの新しい担い手だよ」

「えっ? でもレオって、レオン君が担ってたんじゃ……」

「そのレオンくんが、大怪我してる――」


 ――んだ、と言い切る前に、アクアちゃんは魔装を起動させてすぐ近くの壁を破壊し、その穴から飛び出してものすごい速さで地上へと降りて行った。


「けほけほっ……まったく。レオンくんの事となると、すぐに冷静さを無くすんだから」

「ごほっ……さっきの女性は、レオンとどういった関係で?」


 すると今度は、ラインハルトくんが尋ねてくる。

 別に隠すような事でもないし、本人はいないけど話しても問題無いだろう。


「アクアちゃんはレオンくんのお嫁さんだよ」

「……うん? すみません、よく聞こえなかったみたいです。もう一度言ってくれませんか?」

「いいよ。アクアちゃんはレオンくんのお嫁さんだよ」

「……私の聞き間違いではないみたいですね」

「あれ? レオンくんは結婚してる事を言ってなかったの?」

「そんな素振りすら見せてなかったですね」


 夫婦関係が冷えてるのかな? とは思わなくもないけど、前にここで二人を見かけた時は、砂糖を吐き出しそうなほどベッタリとくっついてイチャイチャしてたから、その心配はないだろう。


「でもそうか……やたらと女性の同僚の告白を断ると思っていたら、すでに奥方がいたからなのか。ようやく納得した」

「そうなんだ?」

「はい。レオンはそれなりにモテますので」


 旦那さんLOVEなアクアちゃんが聞いたら思わず怒りを露にしそうだなぁ……と思いながら、ラインハルトくんの案内を再開した―――。






ちなみにアクアはエルフです。




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