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双翼の魔装少女  作者: 天利ミツキ
第二部
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第14話 マシロVSクロナ 後編

前回のあらすじ

マシロとクロナが模擬戦中

 

「うん……?」


 ラインハルトくんにアイン=ソフ=オウル内の施設を案内していると、廊下の窓から赤と青の光が宙を舞っているのが見えた。

 目を凝らすと、マシロちゃんとクロナちゃんが戦っているようにも見える。


 だけど両方共、その顔には笑顔が浮かんでいた。


「アレは……」

「マシロちゃんとクロナちゃんだね。ジェミニの性能を確認する為に、模擬戦でもしてるんじゃないかな?」

「なるほど」


 それにしても……二人は本当に楽しそうに宙を舞っている。

 その様子はさながら、幼い子供が大好きな友達と全力で遊んでいるように見えた―――。




 ◇◇◇◇◇




 マシロが手を伸ばしてくるけど、あたしはそれを回避する。

 避けられる事を予想していたのか、マシロはくるりと上下逆さまに回転して、両腕に備わっているビーム砲からビームを連射する。


 オーバーロードの影響下だからか、ビームの威力は数段上がっているように感じた。

 まあ、全弾回避したから問題は無いんだけど……。


 あたしもお返しとばかりに、銃形態(ブラスターモード)になっている双剣からビームを放つ。


「フェザービット!」


 するとマシロは逆さまの状態で、光の翼からひし形のビットを無数に生み出す。

 そしてそれらを重ね合わせ、光の壁を作ってビームを防いでいた。


「フェザービット!」


 あたしもビットを生み出し、それらをマシロの方に向かわせる。

 ビットは自動的に動き、光の壁を迂回してマシロ本人に襲い掛かる。


 マシロは迫り来るビットから逃げた――と思っていたけど、それはあたしの勘違いだった。

 一直線に連なったビットに対して、マシロは全ての砲門を展開してフルバーストをかます。

 ビットは一つ残らず、ビームの餌食となった。


「逃がさないよ、クロナちゃん!」

「そう簡単に捕まらないわよ、マシロ!」


 マシロが追い掛けてくるから、あたしも逃げるしかなかった。

 後ろからビームの雨が降ってくるけど、マシロも手加減しているのかあたしに当たるようなモノは無かった。

 と言うか、下手に回避したら逆に当たりそうだった。


 建物スレスレを飛行し、マシロもあたしに追随してくる。

 屋根を目指している途中、屋根の縁に向かってワイヤーアンカーを射出する。


 アンカーは上手く引っ掛かり、内蔵されているリールがものすごい勢いで巻かれていく。

 それに引っ張られ、屋根の天辺までやって来てアンカーが外れる。

 あたしはそのまま、屋根の上にあった尖塔を回り込む。


 するとタイミング良く、あたしを追い掛けていたマシロも屋根の天辺までやって来る。

 追い掛けていたハズのあたしの姿が無い事に驚いている様子だった。


「あ……あれ? クロナちゃんは?」

「こっちよ、マシロ!」


 マシロの背後に回り込んだあたしは、唯一オミットしなかったビーム砲で狙いを定める。

 殺し合いとかならここで声を掛けるなんてナンセンスだけど、これは模擬戦だから関係無い。


 マシロはあたしの方を振り向き、それと同時にあたしはビームを発射する。

 ほぼ完璧なタイミングだと思ったけど、ビームはマシロが盾代わりにした大剣によって防がれてしまった。


 次の手を……と考えていると、マシロの方が行動が早かった。


「《フラッシュ》!」

「また!?」


 マシロはまた、閃光魔法で目眩ましをしてくる。

 腕で目を覆って目が眩まないようにしたけど、それはマシロの思う壺みたいだった。


 ドスンとお腹辺りに衝撃を感じると、そのまま地面に向かって落ちていく感覚があった。

 なんとか目を開けると、マシロはあたしの身体に抱き着いていた。


 そのまま庭園に落下して、マシロと一緒にゴロゴロと転がっていく。

 その拍子に庭園に植えられていた花を巻き込んだようで、あたし達の周りを花びらが舞う。


 ようやく止まり、あたしは仰向けに寝転がる。

 マシロはあたしの上から退いて、隣に寝そべる。

 それを見て、あたしはもう何もする気が起きなくなり、変身を解除する。

 マシロも変身を解除して、何処か勝ち誇ったような笑みを浮かべる。


「鬼ごっこはわたしの勝ちでいい?」

「……いいわよ、マシロの勝ちで」

「やった」


 それからマシロも黙り、揃って空を見上げる。

 しばらく眺めていると、マシロがポツリと呟いた。


「……わたし達、元の世界には帰れないんだね」

「そうね……」

「クロナちゃんは悲しくないの?」

「悲しくないと言えば嘘になるけど……一人じゃないから。あたしの隣にはいつもマシロが居てくれたから、心細いなんて一度も思った事は無いわ。だから……」


 あたしは顔を動かし、マシロの方を向く。

 マシロも顔を動かし、あたしと見つめ合う。


「これからもよろしくね、マシロ。あたしのたった一人の相棒(しんゆう)

「こちらこそよろしくね、クロナちゃん。わたしの大切な親友(あいぼう)


 お互いに自分の気持ちを伝え合い、お互いの手を指を絡ませながら握った―――。






おそらく本当の意味で、唯一無二のコンビになったマシロとクロナ。




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