#5「感情の再会」
——まだ、藍都は私のことを微か(かすか)に憶えている。
なら。
翌日……。私は朝食を済ませた後、藍都を呼び出した。
「……どうしたんだ?何か用か?」
藍都は不思議そうな顔をして言う。
これを聞いてしまったら……思い出してしまったら……、君は辛い想いをするかも知れない、でも——。
——今、君に伝えなかったら……これから先、私は「ずっと」後悔していく気がする。
知らないフリという綺麗事でしかない優しさは、余計に藍都を苦しめる……。
そんな気がした。
だから、私は覚悟を決めて言う。
「……実は、私——」
——君の小学2年生の時からの、幼馴染なんだ。
「なっ……!?何を言ってるんだ……!?僕に幼馴染なんて……!」
「小学4年生の時、君に助けてもらったんだよ。」
「……!?」
「……神楽銀くんのこと覚えてる?数的不利だったのに、1人で神楽銀くん達全員を倒しちゃってさ、本当にカッコよかった」
「……。」
私の話に藍都は沈黙している。
「……きゅ、急にこんな話しちゃってごめんね……?君は覚えてないのにさ……。」
「……覚えてない。でも、」
「え……、なんで……「泣いてる」の……?」
「何故か、「忘れてはいけなかった」、そんな記憶な気がして……涙が止まらないんだ……。」
そう、藍都の目からは、悲しみの涙が零れていた。
「……うん……そうだよね……。一番辛いのは君だもん……。」
「……すまん、ちょっとだけ1人にさせてくれないか。」
「いいよ。」
「15分くらいで戻ってくる。」
それから15分ほど経ち、藍都が戻ってくると私は、こう言う。
「ねぇ、あのさ。」
「……?何だ?」
「私と一緒に……、私たちの心を壊し、私たちを引き離した奴らに……「復讐」しない……?」
「……奇遇だな、椛山。僕もそう思ってたところだ。」
「良かった……。じゃあ……、復讐のための作戦でも考えよっか。君の両親のこと、詳しく聞かせて。」
「ああ。」
これが、君と本当に心から「再会」出来た瞬間。
私はそんな風に感じた。
【フェーズ2へ続く】




