エピローグ
蛇足とは思ったのですが、主人公達の死後に書かれた年代記の人物紹介の一節の抜粋です。
アン
傾国の美女と伝わる。姉の結婚式に新郎の父代わりとして参列していたヘンリーに魅かれ、ヘンリーの妻の死後に後妻として迎えられるが、その際に元皇帝ジェームズの求婚を断ったことが、「帝都大乱」の一因になったとされるからである。
ヘンリーとは大変仲が良く、エドワードを最初の子として結婚生活の4年間に4人の子を産んでいる。
ヘンリーの死の直後に起こった「帝都大乱」に際して、ジェームズの命令により屋敷ごと火炙りにされて亡くなる。
ヘンリーと同じ墓に入って眠っている。
チャールズ
大公家当主にして大宰相、先代大公はヘンリー。
平時では有能だったが、「帝都大乱」では慌てふためいて、危うく殺されるところだったと伝わる。
妻のメアリが、妹アンの死に激怒し、チャールズを督励し、騎士達を動かさねば、大公家は滅んでいたという人さえいる。
実子が妻メアリとの娘アン(上記のアンとは同名異人)、愛人との娘キャロラインと娘しか産まれなかったため、従弟のエドワードを養子とし、大公家を継承させる。
メアリと同じ墓に入って眠っている。
メアリ
家庭的な良き妻でチャールズを良く支えたが、最大の功績は「帝都大乱」の毅然とした態度と伝わる。
「帝都大乱」に際しては、妹アンの死に激怒して、反乱者となったとして意気消沈したチャールズを督励し、騎士達を動かして、大公家に勝利をでもたらした。
妹アンの死後、アンの子を引き取り、また、キャロラインを実子として育てる等、子ども好きでエドワードたちから「私達の良き母」と愛された。
ヘンリー
大公家当主にして大宰相
甥のチャールズがまだ成人していなかったために、大公家当主を兄から継承する。
後妻としたアンとは21歳も年が離れていたにも関わらず相思相愛で、最後の審判まで添い遂げると結婚の際に誓約した。
4年間の結婚生活で3男1女と子宝にも恵まれた。
ジェームズ
遊興が過ぎて皇帝から退位させられる等、帝国史上屈指の暗君と伝わる。
「帝都大乱」を引き起こし、従妹のアンを焼き殺す等の暴虐から、教会から破門され、流罪となる。
流罪先で自殺するが、破門の身であったため墓も建てられなかった。
そのため、歴代の皇帝で唯一、陵墓を持たない皇帝として知られている。
ジョン
「帝都大乱」後、15歳になったことから親政を開始するが、「帝都大乱」により荘園全てを失った帝室は無力化しており、専ら家庭生活に勤しんだ。
皇后マーガレットを寵愛したが、子宝に恵まれず、皇貴妃キャロラインとの間に三男二女を儲けた。
その長男トマスが皇后マーガレットの養子となり、ジョンの死後に帝位を継承した。
エドワード
チャールズの死後、大公家当主となり大宰相となる。
12歳年上のジョンの妹キャサリンと結婚する。
エドワードの母アンをキャサリンの父ジェームズが焼き殺したことから、子どもはいたものの、年の差もあり夫婦仲は微妙であり続けた、と伝わる。




