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ずっと自信なんて持てなかった。
だから、友達の領域から出られなかった。
出たら出たで臆病になって―――
俺は、何一つ昔から変わってないのかもしれない。
*
やりすぎだよな……
くったりと力のなくなった体を横たえて、寝息もたてずに静かに眠る彼女を見下ろしながら息を吐いた。
―――ゴメン。
なんて百万回くらい君に言ってる。
もちろん頭の中で。
本人に直接言えるわけもなくて、でも謝ってばかりだ。
ただ好きなだけなのに。
それが素直に出せなくて。
君が……まだアイツのことを想ってるんじゃないかとか、俺なんか一時凌ぎの付き合いだと思ってるんじゃないのかとか。
そんなことばっかり考えてしまって、そうしたらただ支配したくなってつい求めすぎてしまう。
どうしたら俺でいっぱいになるんだろうと思って、単純な俺は体力を奪って縛りつけることしか能がなくて。
こんなことで彼女の心が手に入るはずがないのに……
馬鹿な俺は、それでも毎度同じことをしてしまう。
本当に馬鹿だ、本当に。
―――ゴメン。
今日も眠る彼女に囁いて、額に口づけを落とす。
好きなんだ君が。
今までも、今も、そしてこれからもきっと、ずっと。
だから傍にいてくれないか?
あの時。
君が、俺の隣に居ることを選んでくれたこと。
それを信じてもいいか?
どうしたらこの不安は埋まるんだろう。
その答えが分からなくて、俺はまた君を抱きしめて眠る。
好きなんだ。
ただ、好きすぎて君が分からない―――
*




