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4

 ミルクティーを私に差し出して、彼は缶コーヒーのプルタブを引く。



 どちらも何も言葉を発さない。



 ちびちびと飲み続けたけれど、だんだんその沈黙が息苦しく感じて




 「まだ寒いんだから。もうちょっと温かいとこ連れて行ってくれたらいいのに」



 

 半分本気、でも半分嘘の入り混じる言葉を漏らした。



 こんな軽口、彼に叩くのも久しぶりだ。




 「じゃ、ホテルでも行く?」


 「な……っ!?」




 冗談とも本気ともとれそうな笑みを浮かべられて、私は顔を赤らめた。




 ―――こんな人だった? 



 彼との初めてのこの距離感に戸惑う。



 誤魔化す様に俯いてミルクティーを一口飲むと、口中に甘さが広がって少しだけ落ち着きを取り戻した。



 それなのに……




 「そんな安っぽい女にするつもりないから」




 ニコっと笑って、飄々とした態度で彼はコーヒーを飲んだ。



 キザすぎる台詞。



 だけど……私を大事にしてくれているのを感じたその言葉が、単純に嬉しく思った。



 チラリと横目に彼を見ると、缶を持つ指先が目に入る。



 


 ―――初めて会った時には、そんなに大きくなかったのに。




 いつの間にこんなに男になったんだろうか?




 線の細いイメージだったのに、その指先に男っぽい骨っぽさを感じてドキドキした。


 缶を包むその指があまりにも男を感じさせるから、急激に恥ずかしくなって俯いた。



 ドキドキが、止まらなくなってた。



 これは、酔いのせい?




 「なぁ……なんか、言いたいことあるだろ?」




 ドキドキに戸惑う私に突然彼から質問された。



 その至極、上からな物言いにちょっぴり反感を覚えながらも




 「な、なんかって何!?」


 「んー? なんでも」


 「はぁ!? そ、そんなの何にも……」


 「嘘、つくなよ。俺、伊達にお前の友達やってないんだけど?」


 「う……っ」




 たくさんの時間を彼と友達として過ごしてきた。



 彼を見てきた。



 だから、彼だって私を見てきたには違いない。



 でも―――




 だからって、こんな距離感、私は……知らない。




 「言えよ。言いたいこと全部。聞いてやるから」


 


 ぽんと、俯く私の頭に彼の手の平が乗る。



 さっき感じたばかりの……節のある男の手が私の頭に優しく触れた。




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