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20話

 後日の放課後に僕、戸井は校長へ呼び出された。


「やぁ、来たね。座って話そうか」


「噂は、聞いています。僕のいじめ撲滅委員の権限の剥奪ですよね?」


「まぁまぁ。話は最後まで聞こうよ。確かにそう言った内容で間違い無いけど、一度の過ちで、何もいきなり止めさせるわけじゃないよ」


「どういうことですか?」


「君をちょっと試させてもらう」


そう言われた僕はコピー用紙の冊子を手渡された。


「それを読むんだ。最後まで読んでくくれれば、権利の剥奪は無かったことにする」


「…わかりました」

最初のページをめくり内容を確認する。



 始めに

ここに記されたものは、私、校長の本心である。



《なんだこれは? 校長先生の日記か何かか?》



私は、青空高校改名の前も、その高校で教師を行っていた。

いじめが起きたのはその間も無くだった。

何の前触れもなく、それは起こった。

いじめられた生徒は自殺をした。


気づきもしなかった。

始めそれを、度しがたい、許せないと思った。

胸のざわつきがしばらく収まらなかった。

いじめが明るみに出たことで、その責任を取るように当時の校長は解任する事となった。


そしたら、次の校長は学校の誰がなるかという話になった。

しかし誰もやりたがらなかった。

当然だ。いじめで自殺した生徒がいた学校で働くのは気が引けるだろう。


そうなると、この学校は廃校になるという方向になるのは普通の流れだった。

私はこの学校をこのまま無くなってはいけないと思った。

起きたいじめを風化させてはいけないと思った。

そう考えたら、私が校長をやると宣言していた。


反対を押しきっての事だった。

生徒の反応は良かったが、先生らはには強く反対された。

ただ、学校を私が新に運営するだけではいけない。

その思いからいじめ撲滅委員会の設立を立案し、今に至る。


いじめ撲滅委員会の存在と過去に対する忌ましめの思いのもと日々過ごしてきたおかげで、あのような惨状を繰り返すことなく済んでいる。


《なるほど、これを読むことで自身の責務を見つめ直せということですね校長》


この事に偽りは無い。

偽りは無いが。


《?》


校長になった事で、私の中に別の感情が芽生えた。

自覚したという方が適切だろう。

いじめ撲滅委員の委員長の存在によって私の本音みたいなものを気づかされた。

それはそれはいじめが無いか生徒が主体的かつ組織的に動いてくれた。


元々いじめに対して、関心のある者たちで形成した学校であるためだろう。

いじめの前兆が無いか目を光らせた事で、先生では届かないところまで視野を広く監視することができた。

結果 一般的 ないじめが起きることは無くなった。


初期の委員長は素行調査を行った。

特に中学校は、何処だったのか権限の元、調べた。

当時、同時期に本校ほどではないが、いじめがあった学校があったからだ。

それを知るなり、魔女裁判の如く、所属する生徒の非難が内に含む、強制指導が始まった。

今後をより良くするためと、疑わずに。


《…。》心なしか、書物を支える手の力が強く握るようになる。


その時、その事象に私はいじめと判断出来なかった。

ただ、委員長になったものは、人の動向を気にする傾向にあった。

そして気づいてみれば、どうということはない。

アレは、支配という名のいじめだ。


全てがそうとは言わない。ただ、人は敵役を求めてならない。

委員長になるものは、いじめを経験した者だった。

復讐の行き先を求めていた。


《僕はそんなことしない》


僕、私はそんなことしないと当時者言い、思うだろう。


《…》


関係ないんだ。

何故なら、私、校長は、もういじめを止めようとは、思っていないのだから。


「へ! ?」


思いもよらぬことで、手元が狂い冊子を落とす。


「ダメじゃないか。まだ途中なのに」


息が荒くなり、言葉に出来ない。

校長がいじめを止めない! ?

あり得ない文に、混乱している。人としての当たり前が崩れている。

学校であり、更に青空高校であるこの場所があろうことかその校長が。


 僕が、困惑してるいる中で、校長へ譜面台が用意された。音楽室でもないのに。

そんな些細なことよりも、この状況でもなお、読ませようとする歪さが思考をおかしくする。


「まだ終わりじゃないよ。手元が使えなくてもこれなら、読めるよね。続けよう」


狂ってる。


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