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17話

 あれから阿多谷へ補佐役を止めるよう訴える活動を周りへ促したが、うまくいかない。

何故だ。

そんなに補佐役という肩書きが魅力的か?

選挙の時だって、やる気は感じられなかった。

いじめをしていた奴がやる気を見せていたら、それはそれで、受け入れられないが。

止めない理由がわからない。

いや、理由とかどうだっていい。

そもそもアイツはいじめをしていた。この学校にいてはいけない人物。アイツはアイツは…。





「アイツまだ学校にいるよ」

「普通来れないよね。人間じゃないんじゃね?」


アイツらがこそが人間じゃない。

下駄箱に無造作に入れられたゴミがその証拠だ。

三年生半ば、転校初日に僕は、いじめられていたしんや君を庇い、いじめをしていた者へ説教をした。

その結果いじめの対象は変わった。

別に、痛くも痒くもない。

僕は正しい事をした。


 靴についた埃をほろい、教室に入った。

自身の机には、歓迎されていないことがわかるように、罵詈雑言が書きなぐられている。

授業が始まり先生もそれを認めようとはしない。

歪な日常を繰り広げられるだけだ。


いじめがあることを訴えた時も、大して是正する事はなかった。

そもそもいじめを許さないのなら、いじめは横行しない。

けど、どうでもいい。何故なら、僕はいじめられている人を守ったのだ。

自身でも、それを誇りに思う。

これで、しんや君も大丈夫だろう。



 

 大丈夫じゃなかった。

彼はそれから二週間後に自殺した。

当時は、どうしてだと思った。

しかし今考えれば、彼は既に限界だったのだ。

転校前までに半年間壮絶ないじめにあったのだから。


 そこから僕の薄っぺらな自尊心も崩れた。

彼を守ったという事に酔っていなければ、平静を保てなかった。

僕の寿命も半年間なのだろうか。

幸い転校のタイミングから卒業は半年もかからない。

よかったと安堵した。死なずに済む。


 中学卒業を経て、思った事は、いじめは止めさせるものではなく。




【自身で粛正しなければいけないということだ。】

そうだ。阿多谷に慈悲は必要ない。

いじめた者に更生の余地無し。

ここに居てはいけない者に相応の罰を与えるのに何の間違いも無い。

いじめは撲滅(ころ)さなければ。


「………校長先生宜しいですね。僕には、それを行使する権利がある」


「ああ。戸井君。君の信じる。いじめの無い学校にするために努めてくれ」


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