16話
いじめ撲滅委員会の選挙の結果は、委員長戸井。校長の特例で補佐役を俺と阿多谷がなった。
俺は今、戸井と観覧車の中にいる。勿論阿多谷らと会わない為に。
「向井間君は、観覧車が好きだったんだね」
「うん。何か落ち着くし、込み入った話も出来るからね」
「込み入った話があるんだよね」
「うん。阿多谷が補佐役になったことどう思う?」
「良くないし、相応しくない思うよ」
「良かった。一緒だ」
「誰だってそう思うさ。何せ君をいじめていた奴なんだから」
「本当に校長は何を考えているんだ」
「校長の事は尊敬しているけど、今回の事は僕も納得がいかない」
「戸井君。僕はまだ阿多谷を補佐役から外す事をあきらめていないんだ。だから戸井君にも、協力して欲しい」
「勿論。どうするんだい?」
「戸井君はこの学校に仲間がたくさんいるよね? その人達と、阿多谷補佐役を反対のデモ活動をして欲しい」
「なるほど。実はそれ、僕も考えていたんだよね」
「それなら、話が早い。お願いするよ」
「ああ。いじめを許さないのが僕の責務だからね」
「うん、よろしく。いじめ撲滅委員会委員長の戸井君」
翌日。
僕阿多谷は、今面倒事に、巻き込まれている。
僕のいじめ撲滅委員会補佐役という肩書きを受け入れられない輩が反対運動をしている。
授業などを除いて、「補佐役から降りろ」など好き勝手言う。
別になりたくてなったわけではない。
こんなもの何もなければ、言われずとも降りる。
校長のやりとりがなければ。
校長へこの一件について話してみたが、止めさせる気は無いようだ。
自主的に降りれば、協力の件も無いと言われた。
思った通りではあった。校長の思惑までは、未だわからない。
いじめを無くしたいのか、この状況をたのしんでいるのか。…。
とにかく、向井間企みを阻止する。
アイツに僕は一度負けた。それが問題だ。
与えられた屈辱を晴らす事で、やり直せる。あんなこと二度も味わってたまるか。




