表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/115

悩みと決意

ユラは、暢気に笑っている。


「どうせ、国の調査に来たんでしょ?」


「それなのですが、あの若い神は処刑対象になりました。ここまで、レレット王国が荒れてしまい。」


すると、ユラは驚いてから立ち上がる。


「待って、フラウダは分かるけど何故ネルンも?」


「それは、連帯責任ですよ。」


ユラは、考える仕草をしてからため息を吐き出す。


「なら、ネルンの処罰は反対だよ。彼は、有能な神だし。ここで、失うのはとても惜しい………。」


すると、驚きの表情をする武神ミカヅチ。そして、優しく笑うと座ってからユラを見る。


「珍しいですな。ハイリヒ殿は、他人に厳しく自分にはもっと厳しいお方だった。そんな、貴方が認める相手なら助けたいとは思う………。」


「それには、天界の神々を説得しないと………。」


ユラは、ため息を吐き出してから呟く。


「………ですな。そう、何かで本気を伝えるとか。」


「失敗すれば、僕も不利益を呑まないいけない。」


疲れたように、言って悩む神の2柱。


「では、私と神前試合をしましょう。私が勝てば、ご結婚の件を大人しく受け入れてください。」


「…………っ!」


ユラは、息をのみ悲しげな表情をする。


最近、周りの神々がユラに結婚を進めてくる。ユラは、今では主神を傷つける事が出来るほど強い。そして、その純血になった神としての血筋は、種族を問わず欲しいと思われている。勿論、天地に住まう数多の神々も同様にである。ユラは、考える。


ネルンは、レレット王国の未来の柱だ。


自分が、守れなかった国を1人でギリギリながら守っていた。だから、レレット王国は最悪な事態を免れた。その恩は、ユラとしては返しておきたい。


ユラは、苦し気に無言で思考を巡らせる。


ここには、カリオス達も居るのだが、それを忘れて真剣に考える。ユラは、ため息を吐き出す。


悩んでも、仕方がない事なのだ。最悪を、考えては運命も引きずられる。まずは、勝つことを…………。


それに、結婚しても傷つくのは僕だけだし。


ゆっくり、目を閉じてから無言で頷くユラ。これには、武神も目を丸くした。そして、それほどの可能性をネルンが持っているのかと笑う。


「我、武神ミカヅチは竜神ハイリヒ殿に、神聖なる神前試合を申請する。日時は、明日の夜明け前に。それでは、我々はこれにて失敗する。」


ユラは、ため息をついてカリオス達の事を思い出した。カリオス達は、真剣な表情でユラを見る。


「あちゃー、聞いてたよね。」


「ユラが、それで良いなら僕達は何も言わないよ。それに、ユラがそう簡単に負けるとは思ってはいないし。でも、ユラが勝てないと言ってたでしょ?」


カリオスは、心配そうにユラを見ている。


「神様に、なった数日後に戦った時を最後に戦って無いけどね。今でも、勝てる気はしないけど……」


真剣な表情で、決意と意思を宿した瞳で言う。


「大丈夫、絶対に勝つから………。」


カリオス達は、無言で頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ