お茶会
さて、授業が終わった。オズとクルトは、素早くユラの所に移動する。ユラは、苦笑して立ち上がる。
「ちなみに、好きな色とかあるのか?」
「え?」
ユラは、キョトンとして考える仕草をする。好きな色?好きな色かぁ……。うーん、特に無いんだけど。
「うん、無さそうだね。なら、こっちで合わせようかな。ユラ、それで良い?」
「うん、良いよ。それにしても、服を買いに行くのは初めてだな。余り、買い物しないし。」
すると、二人は視線だけで会話して頷く。
「どうせなら、私服も買いに行こうぜ!」
「えっ?でも、時間は大丈夫かな?」
すると、会話を聞いていたクラスの男子達が言う。
『話しは、聞いたぜ!俺らも、混ぜろや!』
「えっと、ごめんね。大人数で、動くのは……」
ユラは、断ろうとして失敗する。
「なら、少人数なら良いんだな。貴族の服屋は、貴族しか入れないから貴族のメンバーで行こうぜ。私服屋は、チェンジしてその他のメンバーだな。」
「なっ、何てこったい……。」
ユラは、頭が痛そうに呟くと二人に助けを求める。だがしかし、返ってきたのは満面の笑み。
お前もか、ブルータス………
じゃなくて、何でこんなにノリノリなのさ!?僕の服を、ただ買うだけだよ?何が楽しいの?
「勘違いするなよ?俺達は、お前と仲良く出来るきっかけを見つけたから嬉しいだけだ。」
「え?」
「そうそう。ユラってさ、優等生でいつも忙しそうで話すことも余りないだろ?」
うっ……。たっ、確かに………。そう言えば、まともな学園ライフをおくれてないかもしれない。
影の中で、龍王も落ち込んでいるのが分かる。
「さて、時間も無いし行こうぜ!」
腕を引かれ、あわわっと連行………連れ出される。
「おっ、お手柔らかにね?着せ替え人形は、余りして欲しくないかな。てっ、聞いて無いし………。」
オロオロと、ユラは言うのだが男子達は聞こえないふりをする。そして、会話をしながら大量の服を抱えて戻ってくる。思わず、青ざめるユラ。
「じゃあユラ、まずはこれから着てみようか!」
「うわぁーん!もう、宿に帰るぅーーーっ!!」
ユラの、か弱い悲鳴が聞こえるのだった。
ちなみに、気になったユリスが様子見に来ていたのだが満面の笑みでその光景をマジックアイテムに保存して帰って行きましたとさ。
ユラは、疲れたように言われた服屋を目指す。
「オズ、止めてくれてありがとう。」
「ん?時間が、無いから止めただけだぞ?」
すると、ユラはため息を吐き出し言う。
「やっぱりか!」
オズが、時間ギリギリでしか止めないのは予想の範囲ではあった。けど、もっと早く止めてくれても良いと思った。なれない、集団ショッピングに気力と精神力をごっそり奪われて疲れた表情のユラ。
「ユラ、今度は私服だね。」
「何で、そんなに楽しそうなの?」
思わず、ため息を吐き出して遠いい目になる。もしかして、また着せ替え人形にされるのだろうか?
「ユラは、余り自分には感心が無いから。」
「本当に、無意識なんだろうよ。」
二人は、複雑な表情で此方を見る。
「いや、あるよ?寧ろ、我が儘かも………」
「お前の我が儘は、殆ど自分の我が儘じゃないだろうが。お前は、余りに無欲過ぎる。」
「えっ、えーと……。」
「ユラは、恋愛感情とかも無いよね?」
クルトは、真剣に此方をみる。
「それは、いろいろと忙しいからで……」
「それだ。お前は、もっと休むべきだ。」
「本当に、休んだ方が良いよ。もっと、癒しを求めるべきだよ。趣味とか、なにかないの?」
すると、ユラはうーんと考えてから言う。
「読書かな?」
「「駄目!」」
「えぇっ!?」
いきなり、駄目だと言われて困るユラ。
「それじゃ、ユラが一人になるじゃん!」
服屋について、話が打ち切られる。そして、何とか服を選び3時に城にむかう。馬車で……。
「このたびは、お茶会にご招待頂きありがとうございます。本当に、楽しみです。」
そう言うと、席に座る。
「さて、ここからは身内だけだし普通で良いよ。」
カリオス達は、騎士団の服ではなく貴族の服でとても珍しいと思う。そして、皆は僕を見ている。
「ほえ?どうか、したんですか?」
「いや、ユリスの映像を見てね。」
カリオスは、クスッと笑って紅茶を飲む。
「着せ替え人形、お疲れ様でしたね。」
「あんなユラは、滅多に見れないからな。」
ベイルは、苦笑。レピア王子は、笑ってから言う。
「むぅ……」
ユラは、何とも言えない表情でムスッとする。
「茶菓子は、口に合わなかったか?」
レオが、ユラをきずかうように言う。
「えっと、余りお腹がすいてなくて。」
すると、カリオスは人を呼びお菓子を食べるように言う。すると、慌てたようにユラが止める。
「食べちゃ駄目っ!」
食べた人は、口から泡をふく。
「毒か!?」
シアンは、素早く対応する。
「………ごめん、僕は帰るね。」
ユラは、悲しげに呟くと出ていく。
「ユラ、待って!」
「ごめんなさい。ちゃんと、言わなかったから。」
ユラは、知っていた。顔パスで、城に入れる自分を良く思わない人々が居ることを……。だが、毒のせいでお茶会を台無しにしたくなくて黙っていた。
「ユラは、悪くない。だから、泣くな。」
龍王は、ユラを慰める。そして、ユラは依頼のために国の外へ出る事となる。




