旅立ち前
マリア視点です。(*>∇<)ノ
さてさて、どうしたものかしら。アリスは、集まった人達を見て考える。これから、自分を除く16名で国へ向かう事になるのだが………。
そうなると、冒険者を仕切る人が必要なのよね。でも、このメンバーで最高ランクはAランクで最少年のユラ君なのよねぇー。大丈夫かしら?
ユラ君は、私に見られてるのに気付いて首を傾げている。うん、彼なら大丈夫よね。問題は………
プライドの高い、冒険者が言う事を聞くかどうか。
内心、ため息を吐き出してユラ君を手招きする。
「冒険者を、貴方が仕切ってくれるかしら?」
「え?えーと、言いにくいのですが……」
チラッと、ユラ君がプライドの高い冒険者を見る。
「気にしないで、さっさと仕切ってちょうだい。」
すると、ユラ君は苦笑しながらも彼らに向き直る。
お手並み拝見よ♪
「まず、僕に指示されたくない人は手を上げて。」
すると、3人が手を上げる。すると、暢気に3人に視線を向けたユラ君は、落ち着いた声と満面の笑みで信じられない事を言う。
「なら、指示は出しません。そのかわり、トラブル等は自己解決で此方にも迷惑をかけないようにしてください。仮に、此方に迷惑を掛ければ切り捨てます。ちなみにですが、この雰囲気で嘘や冗談は言いませんよ。チームが、2つに別れるので足を引っ張れば冒険者の法のもと裁きますのであしからず。」
私は、思わず笑ってしまった。可愛い顔して、なかなかの小悪魔だわ彼。いいえ、小悪魔なんて生ぬるいかしら。何にせよ、彼を敵対するのは得策じゃないわね。うんうん、楽しくなってきたわ。
ユラ君は、一瞬だけ此方に呆れた視線を向けたが、ため息を吐き出し出発の準備に取り掛かる。
たぶんだけど、心を読まれたわね。他のメンバーに、事細か指示をだし速やかに準備を開始する。その指示に、無駄は一切なく思わず感心する。
私は、荷物をあえて乗せずにいたのだが。それに、いち早く気付いてユラ君は動いていた。指示を出しながら、周りに負けないくらいテキパキと動くユラ君に私は鈴を渡して良かったと心底思った。
昇格の鈴とは……、Aランク冒険者がSランクに昇格するために必要なアイテム。別名、覇者の鈴。この鈴を、3つ揃えた者はSランク冒険者になれる。しかし、それぞれ知恵・勇気・力の意味を持つマジックアイテムなんだけど………。Sランク冒険者が、持っていて有望そうなAランク冒険者に渡すのよ。
それと、バラバラに鈴を渡した場合は私達とガチンコバトルより良い成績を残した人が昇格するわ。
私の持ってた鈴は、知恵の鈴。ちなみに、勇気の鈴はリエールが持ってた。あと1つよ、頑張って♪
声には、出さないわ。だって彼、教えたら昇格を拒否しそうだし。だから、リエールもお守りなんて言って誤魔化したんでしょう。うふふっ、楽しみね。
「マリアさん、荷積みが終わりましたよ?」
「あら、ありがとう。私じゃ、体力的に無理だったのよ。ごめんなさいね。」
すると、ユラ君は苦笑いすると『そうですね。』と言って3人を見る。3人は、荷積みに参加しなかったのだ。ユラ君は、暢気に笑って言う。
「帰って良いですよ?」
「「「………っ!?」」」
ユラ君、君って本当に子供なの?素晴らしい!
「さて、どうしますか?」
「何で、てめぇが決めんだよ!」
私は、彼の視線を受けて満面の笑みで言う。
「貴方が、役に立たないからよ。依頼内容は、ちゃんと目を通したかしら?文章を思い出してみて。」
「確か、商人の護衛でしたよね?」
すると、ユラ君は呆れたような表情で言う。
「ギルドに戻って、もう一度だけ依頼を確認して来れば良いんじゃない?出発まで、時間があるし。」
もう、敬語を話す気にもならなくなったのね。それにしても、私にもタメ語で話してくれないかしら。
さりげなく、視線を向けるとユラ君は即答で言う。
「嫌です。タメ語は、絶対に使いません。と言うより、使えません。Sランク冒険者である、言わば先輩に失礼な態度や発言は控えたいので。」
また、心を読まれた?いいえ、この反応は誰かににた反応をされた記憶があって反射的ね。
「皆、時間までゆっくりしててね。」
ユラ君は、ギルドの壁に寄りかかり疲れたようにため息を吐き出している。うん、ごめんなさいね。でも、始まったばかりよ!暫く、よろしくね。
3人は、青ざめている。うん、お疲れ様でした。
「さて、3人の依頼を取り消してくるわね。」
「何故、僕に言うんですか?」
「貴方が、リーダーだからよ。」
ユラ君は、少し考えてから頷く。
カーン♪カーン♪カカーン♪
6時の鐘が響く。ユラ君は、ギルドの壁に寄りかかるのをやめて荷馬車に向かう。それを見て、次々と冒険者達が荷馬車向かって歩き出す。
優秀で、よろしい!さて、14人でブスデスク王国へレッツゴー!美食の国だし、楽しみだわ。
ちなみに、レレット王国は技術の国よ。職だけじゃなく、知的にも武力的にも魔術的にも多くの賢者や英雄を生み出した。珍しい、技術の国である。
さて、行きましょうか。3つ目の、鈴を貰いに!




