表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/115

焦る者達

カリオスは、家でゆっくり紅茶を飲んでいた。すると、メイドがお客様が来たと言うので待つとヴァイスだった。息を切らして、疲れているようだ。


「カリオス様、ユラ様を見かけておりませんか?」


その表情は、珍しく焦っており顔色が悪い。


「いや、見てないけどどうしたの?」


「ユラ様が、帰って来られないのです。」


カリオスは、キョトンとした。ユラなら、薬草を取る為に屋敷を空けるのは良くある。それに、神様の仕事なら、誰にも伝えずに動きそうだと思った。


「えっと、神様の仕事じゃないの?」


「それが、主神様も探しておられるようで。」


ヴァイスは、嫌な予感がした。何せ、主従の契約が解除されていて居場所がわからない。その言葉で、カリオスは事の深刻さを感じとる。


つまり、主神の力を持ってしても見つからない。


「ごめん、知らない。でも、王宮に一応は伝えに行くよ。ユラは、昨日から今日まで休みだったし。」


「お願いいたします。」


ヴァイスは、頭を下げると姿を消した。


「ユラ、何処に行ってしまったの?」


カリオスは、心配そうに呟き王城に向かった。




カリオスは、急いで魔法騎士団室に行く。すると、クルトはキョトンとしてから言う。


「あれ、どうしたの?」


「クルト、ユラが行方不明になった。」


しかし、クルトも最初のカリオスのような表情。


「うーん、薬草を摘みにいってるのかも。」


「おそらく、それは無いんじゃないかな。」


すると、ドアが開きラメルが息を切らしている。


「かっ、カリオスさん………ユラを知らない?」


「知らない。ねぇ、君は何か知ってるの?」


すると、ラメルは大きく動揺する。しかし、慌てるように外へ行こうとする。カリオスは、魔法で出口を塞ぐ。そして、冷静な表情で鋭い視線を向ける。


「カリオスさん、邪魔しないで!」


ラメルは、躊躇なく神力を使って壊す。が、カリオスは魔法で新しい壁を作る。


「君の焦りは、ヴァイスの焦りとは何か違う。」


カリオスは、真剣な表情で杖を構える。クルトも、状況を察したのか構える。勿論、他の魔術師も。


「お願い!邪魔しないで!ユラが、……ユラが死んじゃう!だから、早く見つけ出さないと!」


その言葉に、カリオスとクルトは目を丸くする。


「………ラメル、詳しく教えて。」


「だから、時間が無いの!」


ラメルは、泣きそうな表情でカリオスに言う。カリオスは、部下にお茶を出すように言う。


「出来れば、その話を私も聞きたいのだが。」


ルピア陛下と、他の団長と副団長がそこに居た。


「主神様が、少し前に結婚された。それで、子供が出来たらしい。ユラは、2日前に神王の称号を主神様に返した。そして、結晶の使い手が代替わりしたんだよ。結晶を、全て集め終わったから。」


「つまり、ユラを良く思わない神々が?」


ルピア陛下は、真剣な表情でラメルを見ている。


「違う、忘れてない?ユラは、結晶そのものだよ?代替わりした今、ユラは結晶としての力を恐れられ世界の意思に殺される。死ねば、石になるから。」


ラメルの言葉に、カリオス達は青ざめる。


「世界の意思にとって、ユラは道具だったんだ。そして、力が削がれるその時を待っていた。でもね、1つだけ逃れる術があったんだ。それが、爵位を上げて人間として生きる。けど、ユラには全てが苦痛でしかない。元々、ユラは自由人………。なのに、縛ってた僕らがいけないんだけど。疲れたのかも。」


「なるほど、それで協力的だったのか。」


ルピア陛下は、深くため息を吐き出す。


「世界の意思なら、上の爵位なら運命的に殺せないと思ったんだよ。まぁ、確実ではないんだけど。」


苦々しく、ラメルは呟くと悲しそうに笑う。


「分かった、総力を出して私達も探そう。」


「無理だよ。僕ら、神々でも見つからないんだ。」


カリオスは、真剣な表情でラメルを見つめ言う。


「それでも、僕は……僕達は、諦めないよ。」


他のメンバーも、力強く頷いた。




ユラは、樹に背中を預けて苦笑した。


「やぁ、ユラ君。」


「クリュセト、君が殺しに来たの?」


クリュセトを見て、少しだけ困ったように笑う。


「うん、そうだよ。」


クリュセトは、悲しそうに頷くと剣を一振り。その場に、ユラは力なく血を流し倒れた。


「…………。」


クリュセトは、ユラを抱えて何処かへ消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ